ワイヤレスジャパン2018/ワイヤレスIoT EXPO 20185Gを見据えたOKIの自由視点映像モニタリング

OKIは、360度あらゆる角度から俯瞰画像をリアルタイムに合成する自由視点映像モニタリング「フライングビュー」の展示を行っている。NTTドコモと行ったフィールド実験では、時速160kmの高速走行中の車両で広域エリアの映像モニタリングにも成功している。

ワイヤレスジャパンのOKIのブースで最も目立つのが、「フライングビュー」(参考出展)だ。

フライングビューとは、車両の前後左右に取り付けた4台の車載カメラで撮影した画像をボール形状の空間にマッピングし、それらの画像をシームレスに貼り合わせることで、360度あらゆる角度から俯瞰画像をリアルタイムに合成するシステム。大容量の高画質動画をProgrammable SoCに実装することで、画像合成を低消費電力で実現している。

主な利用シーンに、周囲監視がある。これまで複数のカメラ画像を切り替えて行っていた監視を、全体俯瞰画像により効率良く、的確に状況を把握することが可能になる。また、5G時代には高速大容量・低遅延といった特徴のネットワークを活用し、遠隔からの機器操作の支援などの用途も期待されるという。

OKIは先日、NTTドコモと共同で、時速160kmの高速走行中の車両で広域エリアの映像モニタリングのフィールド実験に成功したと発表した。走行中に周囲の文字などを認識できるため、「ガソリンスタンド情報などマーケティングへの活用も想定される」(説明員)。

時速160kmの高速走行中の映像モニタリングのフィールド実験に成功

OKIのブースでは、免許不要で長距離伝送が可能な920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop」関連の展示も充実している。

このうちSmartHopに対応した無線加速度センサーシステムは、昨年発売された新製品だ。橋梁や鉄塔など屋外のインフラ構造物に取り付け、加速度や傾斜角を無線ネットワークを使って遠隔で収集したデータを可視化するシステムを提供する。データの微妙な変化から、老朽化の兆候を捉えたり、災害時の健全性の確認に役立てることができる。

無線加速度センサーシステムにより、橋梁や鉄塔の老朽化の兆候などを把握できる

SmartHopはシリアル透過や低速移動体対応機能を内蔵し、各社のSmartHop対応商品と組み合わせてIoTシステムを構築するMHシリーズと、消費電力を抑え電池駆動のマルチホップネットワークを構築できるSRシリーズに分類され、合わせて70製品ほどある。工場やビル、建物の地下など電波の不感地帯でもマルチホップによりカバーできる点が、LPWAと比較した際の強みだ。このため、ビル内のトイレのIoT化や工場の生産ラインの監視などの引き合いが多い。今後も製品ラインナップを強化し、今年度100製品を目指しているという。

このほか、映像圧縮と画像センシングにより高度な映像IoTシステムを実現する「AISION(アイシオン)」も展示されている。

AISIONの中核となるゲートウェイ装置「映像IoT-GW」には、映像圧縮および画像センシングのモジュールを搭載する。

カメラの近くに設置することで、監視カメラから送られて来るフルHD映像を解像度やコーデック、フレームレートはそのままで、ビットレートのみ5分の1程度に圧縮したり、顔認識や通行者認識などの画像センシングの処理をエッジで行う。これにより、ネットワークに流れるデータ容量を減らしたり、センターサーバー側の負荷やストレージ容量の削減が可能になる。主にスーパーや小売、駅などで導入されている。

解像度などはそのままで、ビットレートのみ圧縮する

「今後ディープラーニングにも対応すれば、ゲートウェイがよりインテリジェント化する」(説明員)という。

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