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NTTコム庄司社長が2018年度のサービス戦略を説明――企業のデータ利活用を支援

文◎村上麻里子(編集部) 2018.04.11

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NTTコミュニケーションズは2018年4月10日、2018年度のサービス戦略に関する説明会を開催した。

 
NTTコミュニケーションズの庄司哲也社長

今年度は、中期事業戦略「ビジョン2020」の達成に向け、「進化をさらに具現化する年」と捉えている。マーケットではスマートデバイスやIoTデバイスの普及、コンピューターの処理能力の向上、AIやRPAの発達、さらにはデータの扱いに関する法整備など、データの利活用を推進する環境が整いつつある。しかし、ある調査によると、米国企業の約9割、また日本企業の約8割がデータ活用を検討している一方、パーソナルデータの提供に対し不安感を感じているとの回答は米国で約6割、日本で約8割に上ったという。

庄司哲也社長は「お客様のデジタルトランスフォーメーションを実現する信頼されるパートナーになることを目指すためにも、今年度はお客様のデータ利活用を支えるケイパビリティを強化・拡充していきたい」と語った。


 
 パーソナルデータの提供には根強い不安がある

企業のデータ利活用には「収集」「蓄積」「分析」という3つのプロセスがあるが、それぞれにおいて具体的な取り組みを検討している。

まずデータの収集では、「IoTデバイスの種類や所在に応じた適切なセキュリティ対策」と「大容量データの効率的な伝送」に取り組む。

全世界のIoTデバイスの数は2018年に225億台と5年前から倍増しており、今後も同様かそれを上回るペースで増え続けることが予想される。ネットワークに接続しているIoTデバイスが増えれば、それだけ外部の脅威にさらされるリスクが高まることを意味する。そこで①デバイス側、②ネットワーク側、③OT・IT環境という3種類のセキュリティ対策を提供する。

 
 デバイス側、ネットワーク側、OT・IT環境におけるセキュリティ対策を提供

①のデバイス側の対策では、所在地に合わせてSIMを差し替えることなく接続先の通信事業者を変更できるeSIM(embedded SIM)の実証実験を昨年7月に香港で開始した。また、大日本印刷と共同で、ICチップ内にセキュリティ機能を実装した「セキュリティSIM」を開発し、実用化を目指している。

②のネットワーク側では、正常な通信を学習することで、マルウェアの感染や乗っ取りなどの異常を検知すると通信を遮断するIoTセキュリティ基盤を開発する。「我々がこれまで培ってきたネットワークのセキュリティ技術という強みを発揮できる」と庄司社長は述べた。

IoTデバイスの数が増えると、やり取りされるデータ量も飛躍的に増加することが避けられない。大容量ネットワークを支えるインフラとして海底ケーブルに注力しており、アジアと北米を400Gpsでつなぐ「JUPITER」を敷設する。NTTコムが保有する海底ケーブルとの組み合わせにより、アジアの主要都市と北米を結ぶ3ルートの冗長構成が可能になる。

データの蓄積における取り組みには、「さまざまなロケーションでのデータ蓄積」と「データの機密性・匿名性の確保」がある。

5月からEU一般データ保護規則(GDPR)が施行されることもあり、今後はデータを利活用しやすいだけでなく安全に蓄積できる場所が求められる。

NTTコムは2018年度以降、東京、インドのバンガロールとムンバイ、オランダ・アムステルダム、ドイツ・フランクフルト、米バージニアの6カ所にデータセンターの開設を予定している。これにより、データセンターのカバレッジは20カ国・地域以上、サーバールーム面積は40万㎡以上に拡大する。

また、4月9日に発表されたDimention DataとのクラウドIaaS事業の統合により、クラウドサービスを展開している国・地域は15、データセンターは35に増えた。クラウド事業のケイパビリティが拡大するとともに、人材が増えたこともメリットだという。

データの機密性・匿名性の確保については、NTT研究所とともに「秘密分散」「秘密計算」「匿名化データ」など、データをセキュアに蓄積するための技術開発に取り組んでいる。

 
 秘密分散や秘密計算、匿名化により、データをセキュアに蓄積することを可能にする

データの分析では、「多様な分析ニーズへの対応」と「企業や業界を超えたデータ利活用の促進」に取り組む。

収集や蓄積ではNTTコムの強みを活かせるのに対し、分析については積極的なパートナリングで対応する。

NTTコムは自然言語処理AI「COTOHA」をシリーズで展開している。バーチャル・アシスタントやチャット形式FAQ検索に加えて、今年3月からはニューラル機械翻訳の「COTOHA Translator」の提供を開始した。TOEIC900点レベルの品質を達成しており、社内用語や業界用語にも辞書登録で対応する。今年度上期には、COTOHAによる自然言語処理機能をAPIを通じてパートナーにも提供する体制を整える。音声認識機能の開発にも取り組んでいるところで、「実現すれば適用範囲が大幅に拡大する」(庄司社長)。

後者のデータ利活用の促進については、パートナーの分析機能と連携したソリューションを展開する。

 
 Google Cloud Platformと連携したログ解析ソリューションも近日中に提供予定

NTTデータとDataRobotとの協業により、機械学習を活用した分析業務自動化ソリューションが発表された。Google Cloud PlatformとNTTコムの「Enterprise Cloud」が連携したログ解析ソリューションも近日中に提供する。

このほか、Cloud Management Platform(CMP)によるデータ可視化、企業や業界データ利活用促進のためのデータ流通プラットフォームの開発にも取り組むという。


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