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AIアシスタントがWi-Fi運用をサポート――ネットワンとMist Systemsが新技術を発表

文◎坪田弘樹(編集部) 2018.03.22

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2014年に設立されたクラウドWi-Fiのスタートアップである米Mist Systemsと、同社製品を国内で取り扱うネットワンパートナーズが2018年3月22日、記者発表会を開催した。Mist Systemsは、ディープラーニング技術を活用してWi-Fiの運用を簡略化する「Virtual Network Assistant(VNA)」を開発。国内で3月中に提供を始める。


Mist Systemsは、ユーザー企業の拠点内に設置された無線LANアクセスポイント(無線AP)をクラウド上の管理システムから管理・制御できる、いわゆる「クラウドWi-Fi」を提供している。

2014年設立ながら急速にユーザーを増やしており、共同設立者で社長兼CEOのスジャイ・ハジェラ氏によれば「2017年に250社の顧客を獲得し、そのうち23社がFortune 500の企業」だという。日本国内では、2017年5月からネットワンパートナーズがディストリビューターとして取り扱いを開始している。


2017年のMist Systemsの実績。大手企業中心に250社の顧客を獲得した


同社のクラウドWi-Fiを特徴づけているのは、次の2点だ。「ディープラーニング技術を備えた管理システム」と、高精度な位置情報を取得できる「仮想ビーコン」機能である。

デバイス情報をクラウド上のAIが解析
Mist SystemsのクラウドWi-Fiでは、接続しているデバイスの情報をクラウド上の管理システム「Mist Cloud」に収集。これを同社のAIエンジン「Marvis AI」が分析することで、「従来は(人間の手によって)何日もかかっていたトラブルの原因特定等が数分でできる」とハジェラ氏は話す。



Mist Systems共同創業者 社長兼CEOのスジャイ ハジェラ氏(左)と
ネットワンパートナーズ 取締役常務執行役員の田中拓也氏


Wi-Fiを利用していると、デバイスを持って移動する際に通信品質の劣化や通信断が起こりがちだ。電波は目に見えないため、利用者本人はもちろんIT/ネットワーク管理者もその原因を特定することは難しい。だが、位置情報とともに通信品質などのデータをデバイスごとに収集し、かつAIが高速に分析できれば、問題が発生したときの原因特定や対処がしやすくなる。

そこで、Mist SystemsのクラウドWi-Fiでは、BLE(Blurtooth Low Energy)電波によってユーザーの位置を測位できるビーコン技術を使って数メートル単位の精度で位置情報を取得。これを基にMarvis AIが、Wi-Fiエリア内を細かく分けたグリッドごとに電波強度や通信品質の変化を分析・学習しているという。こうすることで、Wi-Fi利用者の“サービスレベル”の変化をリアルタイムに把握し、問題が発生した時の原因特定も迅速に行えるようにしている。これまではIT/ネットワーク管理者が手間と時間をかけて行っていた作業の大部分をAIが肩代わりするイメージだ。



Wi-Fi利用者の「サービスレベル」をベースに管理する


具体的には、管理システムの画面上で「接続時間」や「スループット」などのしきい値を設定すると、そこから逸脱したデバイスを把握し、問題が発生したユーザーをすぐに特定する。例えば、Wi-Fiエリア内に入ったスマートフォンをすばやく接続させたい場合に、接続時間を「2秒」に設定すると、それが実現できているデバイスの割合を表示するとともに、達成できていないデバイスについては原因をシステム側が特定して通知する。

この仕組みを実現しているのが、特許申請中の独自技術「Dynamic packet capture」だ。「設定したベースラインから外れるとパケットキャプチャを始め、トラブルシューティングに必要なデータを収集する」(ハジェラ氏)。これにより、通信速度が落ちたり、通信が遮断されたりといった問題が発生した場合に、その原因を特定するための調査が容易に行えるようになる。

そして今回Mist Systemsは、こうしたWi-Fiの稼働状況や問題の原因特定を自然言語で質問して回答を得ることができる“仮想アシスタント”機能を追加した。自然言語処理機能を搭載した「Virtual Network Assistant(VNA)」だ。



Virtual Network Assistantの概要


例えば、「社員Aのデバイスに問題があるのはなぜか」「午前7時から9時の間に何か異常があったか」「性能が最も悪い場所を3つ表示して」といった質問に、VNAが回答する。IT/ネットワーク管理者の業務負荷削減に役立つとともに、社員からの問い合わせへの対応にも使える。

残念ながら、現時点で対応している言語は英語のみだが、「要望が多ければ日本語にも対応する」(ハジェラ氏)という。


“中小メイン”だったクラウドWi-Fiを大手企業に展開
このMist SystemsのクラウドWi-Fiを取り扱うネットワンパートナーズは今後、大手企業への販売に力を入れる考えだ。


急成長が見込まれるエンタープライズ市場向けにMist SystemsのクラウドWi-Fiを展開する


同社はこれまでシスコシステムズのクラウドWi-Fiサービス「Cisco Meraki」を取り扱い、主に中堅中小企業向けの商材として販売パートナー(リセラー)に展開してきた。対して、Mist Systemsはより大規模なエンタープライズ市場向けの商材として提供すると取締役常務執行役員の田中拓也氏は話す。

田中氏によればクラウドWi-Fiの市場規模は急成長しており、その成長率は「オンプレミス型の倍以上」という。「ラグビーW杯や2020年のオリンピックを控えて、まだまだ需要がある」と見込む。現在はオンプレミス型でWi-Fiシステムを構築している大手企業に対して、Mist Systemsの特徴である運用管理の容易性などを訴求しながらクラウドWi-Fiへの移行を提案する。

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