100km飛ぶ「新LPWA」で世界狙う――ソニーがIoT無線サービスに独自参入

ソニーが独自開発の新LPWA技術でIoT向け無線サービスに乗り出す。見通し100km超という長距離伝送性能を活かし、アンライセンスバンドLPWAのデファクトスタンダードを狙う。

「チップの供給だけではなく、通信サービスまでをソニー自ら提供したい。まずは国内でサービスを立ち上げ、グローバルに展開していく」

ソニーセミコンダクタソリューションズ コネクテッドサービス事業室室長の井田亮太氏は、ソニーが4月に発表した新LPWA技術のビジネスプランをこう説明する。

ソニーセミコンダクタソリューションズ
(右から)ソニーセミコンダクタソリューションズ コネクテッドサービス事業室室長の井田亮太氏と、IoTソリューション事業部 製品3部 主任技師の北園真一氏

LPWA(Low Power Wide Area)は、高い省電力性と広いエリアカバレッジ、そして低コストを売り物にするIoT向け無線技術だ。仏シグフォックス社が展開するSIGFOXと米LoRaアライアンスが推進するLoRaWANの2つのLPWA規格が世界市場では先行しており、日本でも今年に入って商用展開が本格化してきた。

今回ソニーが開発したLPWA技術はこれらに対抗するもの。同社がテレビやビデオレコーダーなどのコンシューマー製品で培ってきた技術を活かし、見通し100km超の長距離伝送が可能など、既存のLPWA技術にはない特徴を有している。

冒頭のコメントの通り、ソニーはこのLPWA技術を用いたIoT向け無線サービスをまず日本で開始し、その後、世界市場に打って出ようとしている。ここでは、その技術的特徴とユースケース、事業モデルの3つの側面から、ソニーのLPWA技術の詳細を見ていくことにする。

なお、ソニーはこのLPWA技術の正式名称をまだ決めていない。そこで、本稿では同社がイベントなどで用いている「Sony’s LPWA」を使う。

月刊テレコミュニケーション2017年7月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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