WebRTCでサイトを「接客」の場に

ビデオ・音声チャットを使い、オンライン上で顧客からの問い合わせに応えたり、通販サイトで商品の詳細な説明をするといった顧客接点強化の取り組みが広がっている。そこで採用が増えているのがWebRTCだ。これを使って自社サイトやWebアプリにチャット機能を組み込むのである。

WebRTCの最大のメリットは顧客にとっての簡便性だ。ブラウザに新たにプラグインを導入したり、チャット用に別のアプリをインストールする必要がない。WebRTC対応のブラウザさえあれば面倒な作業が不要で、また、既存のWebアプリにチャット機能を組み込むことも可能だ。

このWebRTCの組み込みを容易に行えるようにする製品が、米CafeX Communicationsの「Live Assist」だ。2013年設立の新興企業ながら、豊富な採用実績を誇る。例えば、アメリカン・エキスプレスは4万5000人のプラチナカード会員向けに提供するコンシェルジュサービスの仕組みをLiveAssistで構築。カード利用者がWebサイトやモバイルアプリから問い合わせを行うと、CTIシステムと連携して適切なオペレーターにつなぎ、チケットの予約代行や請求内容の説明などを行う。

このLive Assistの国内総販売代理店契約を昨年11月に結んだ楽天コミュニケーションズのコンタクトセンターソリューションビジネス部の西尾祐人氏は「グローバルでトップ10の銀行のうち6行が採用し、預金高の多いお客様向けの専用窓口を作るなどしている」と話す。


図表 Live Assistの機能と利用イメージ
図表 Live Assistの機能と利用イメージ

他業種にも採用は広がっており、ユニークな例では、米国の刑務所において囚人と弁護士との接見をビデオチャットで行い、弁護士の移動時間を大きく削減したケースもある。そのほかにも図表のように、多様なシーンでの活用が期待できる。

月刊テレコミュニケーション2017年2月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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