企業ネットワーク最前線

「やはり今はクラウドの時代」――秋田テレビがKDDIのクラウドで掴んだ手応え

文◎太田智晴(編集部) 2015.02.09

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

秋田テレビは開局45周年記念のキャンペーンサイトをクラウドで構築した。数あるクラウドの中から選んだのは「KDDI クラウドプラットフォームサービス(KCPS)」だ。同社にとって、これはクラウド活用の第一歩。さらに今後、KDDIのネットワークサービスと連携した閉域網内でのクラウド活用なども見据えている。

クラウドこそが最良の選択肢

ぽちぱパークではホスティングではなくクラウドを採用したが、その大きな理由の1つは、ホスティングで運営しているWebサイトで、アクセス集中によるサービス断がたびたび発生していたためだ。

テレビの影響力は非常に大きい。番組の内容などに応じて、Webサイトへのアクセスが急激に増加する。このため、システムリソースを柔軟に増減できないホスティングサービスでは、無理が生じていたのである。

また、システムの構築期間が限られていたこともあった。ぽちぱパークの企画骨子が固まったのは2014年3月。番組表を決める編成部からは、「できるだけ早くサービスインしたい」という要望が来ていたが、クラウドなら必要なシステムリソースを迅速に調達できる。

さらに、45周年記念企画であるぽちぱパークは、期間限定のWebサイトだ。クラウドなら利用する期間だけの費用だけで済むなど、クラウドこそが最良の選択肢だったのである。「やはり今はクラウドの時代です。すでに系列会社でクラウドを利用していたので、クラウドに対する懸念もありませんでした」と佐藤氏は語る。

 

KDDIのKCPSを選んだ理由とは?

クラウドで行くことを決めた秋田テレビは、次にクラウドサービスの選定作業に入る。

秋田テレビに必要だったのは、サーバーなどのITインフラをクラウドで提供するIaaS(Infrastructure as a Service)だが、このIaaSに限っても選択肢は数多い。佐藤氏も様々なIaaSを比較検討したそうだが、その中からKDDIのKCPSを選んだ理由は何だったのだろうか。

まずはサポート面などをはじめとする信頼感だという。「KDDIの営業担当者が、いろいろと相談できる方だったことは非常に大きかったです」

サービス自体の信頼性の高さも採用の大きなポイントになった。KCPSを構成している設備はKDDIのデータセンター内で完全冗長化され、キャリアのネットワークに直結していることで高い耐障害性を実現している。セルフポータルで必要な時に必要な分だけ簡単にリソースを増減可能な柔軟性・迅速性を備えている点も、アクセスの変動が予想しづらい期間限定のWebサイト向けに最適だと判断した。

また、秋田テレビは拠点間ネットワークに「KDDI Wide Area Virtual Switch(WVS)」を採用している。現在のところ同社はKCPSとWVSを接続していないが、将来的にKCPSを閉域網で使えることにも魅力を感じた。

 

秋田テレビのネットワーク概要図
秋田テレビのネットワーク概要図



Webサイトオープンまでに佐藤氏に与えられたのは約2カ月という短い期間であったが、KCPSの柔軟性・迅速性もその難しい課題をクリアする一翼を担い、6月に無事Webサイトオープンにこぎつけることができた。

なお、佐藤氏が高く評価しているWVSの特徴の1つに「宅内ルータレス機能」がある。これは、WVS側でルーティングやアクセス制御などの機能を提供し、宅内ルータを不要にする機能。「これにより、拠点間接続に使っていたルータの保守料や買替コストがまったく要らなくなりました」

WVSのネットワーク品質にも満足しているという。「以前使っていたサービスでは、多くの営業マンが帰社して社内業務を行う夕方4時~6時ごろに、通信の揺らぎなどが発生していました。しかし、WVSは品質も安定しています」

 

 

次のステップは自社Webサイトのクラウド移行

昨年6月にぽちぱパークのWebサイトがオープンしてから半年以上が経過――。佐藤氏は「非常にパフォーマンスがいい」とクラウドへの手応えを語るが、もともと秋田テレビにとって今回の試みは、クラウド活用のファーストステップという意味合いがあった。まずは期間限定のWebサイトで試し、その後の本格活用につなげていくという戦略だ。

次のステップとして考えているのは、サービス断の課題が生じている自社WebサイトのKCPSへの移行である。

また、前述の通り、KCPSとWVSの連携も検討している。「WVSの網内でクローズドに運用できるのは、KCPSの強みの1つ。例えば当社はActive Directoryで社内ネットワークのログイン認証を行っていますが、被災時に備え、セカンダリの認証サーバーをKCPSに置くなどの使い方ができると考えています」

現在、多くの業界が変革期の最中にあるが、放送業界も例外ではない。インターネットやモバイルの普及、4K・8K時代の到来などへの対応を迫られている。「こうした変化に対して、技術マンとして貢献できる知識と能力は身に付けておきたい」と佐藤氏は話すが、そのための武器の1つとして、クラウドは今後さらに活躍していくにちがいない。

スマートデバイス/クラウド活用事例

スペシャルトピックスPR

moconavi1807
sun1807
intel1806

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】映像IoTが、来た!
●多様な業界に広がる映像IoT/●カメラとAIでスマート農業/●防犯カメラも新たな次元へ/●AI予測で混まないレジ/●映像IoTを支えるネットワーク構築のポイント

◆[インタビュー] NTT東日本 井上福造社長 ◆クラウド時代の企業音声システム ◆日本企業目線で“ヤマハ流”SD-WAN ◆富士通が産業向け新無線LAN ◆農業×IoTで「地方」を変える ◆MWC上海レポート

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

潜伏する脅威をAIが検知!
産業用制御システムやIoTも守備範囲

日商エレクトロニクスのセキュリティ対策が“新ステージ”に突入する!

リボン・コミュニケーションズTeamsの電話機能にいち早く対応
UCを狙ったサイバー攻撃対策も

Microsoft TeamsとPSTNをつなぐリボン・コミュニケーションズ

UNIVERGE Aspire WX電話やUC機能を全方位にカバー
中小企業の多様な働き方を強力支援

NECが5年ぶりの中小向けキーテレフォン「UNIVERGE Aspire WX」

F5ネットワークスセキュリティやGi-LAN仮想化など
モバイルインフラの強化に貢献

5G移行を控えた今、F5ネットワークスはどんな価値を提供できるのか?

moconavi今いる場所がオフィスになる!
moconaviで安全なモバイルワーク

場所を問わない新しい働き方の実現には、ICT環境の整備も不可欠だ。

サンテレホンサンテレホンがICT総合展示会
ビジネス伸ばす製品群が一堂に

東京ドームシティ・プリズムホールで7月18・19日開催!

インテル5Gをエンドツーエンドでカバー
新たな価値創出を目指すインテル

インテルは強みの仮想化技術で5G時代のネットワーク構築に貢献する。

コマーチキャリア向けOSS/BSSに強み
自動化やe-ヘルスで社会課題解決

自動化やe-ヘルスで多くの実績を持つコマーチが日本市場に参入した。

ブロードメディア・テクノロジーズ小森コーポレーションが
Aryakaで日中間通信を安定化!

日系企業の中国ビジネスに立ちはだかるのが通信環境の問題だ。

IIJグローバルソリューションズ日中間ネットワークの安定運用へ
VPN規制を乗り切る解決策提供

安定的な越境通信を実現するには何が必要か?

NTTコミュニケーションズIoTビジネスの種まきから結実まで
NTT Comの「次の一手」とは

自社発行型eSIMでの新サービス提供に期待!

SAS Institute Japanデータ分析の老舗、SASが提案するIoT時代のデータ活用

IoTのはじめの一歩を踏み出す前に考えるべきポイントは?

アクセスランキング

tc1807_b
ngn
compass

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます