VoLTE時代のUCを下支えする ―― 日本ソナス・ネットワークスが新事業戦略

SBC(セッション ボーダ コントローラ)製品を提供する日本ソナス・ネットワークスは2014年5月20日に事業戦略発表会を開催し、通信キャリア/サービスプロバイダへの同製品販売に向けた販売パートナーとの協業を強化すると発表した。

Sonus Networks ストラテジー&Go-To-Market エグゼクティブヴァイスプレジデントのトッド・A・アボット氏(左)と、日本ソナス・ネットワークス カントリーマネージャーの仁枝かおり氏

SBCは、IP電話等のSIP(セッション イニシエーション プロトコル)を用いるリアルタイムコミュニーケーションサービスにおいて、ネットワークの境界に設置されるゲートウェイ装置のこと。Sonus Networksでストラテジー&Go-To-Market エグゼクティブヴァイスプレジデントを務めるトッド・A・アボット氏は、VoLTE(Voice over LTE)の登場などによって音声サービスのIP化が進展するとともに、音声通話と他のコミュニケーションツールの融合、つまりユニファイドコミュニケーション(UC)の普及が一層進むと市場を展望した。そのうえで、「レガシーPBXや各種のUCソリューションやアプリケーションの相互接続が必要になる。そこで、これまで以上にSBCが活躍する」と話した。

アボット氏は、UCの進展に伴ってSBCの役割が増大すると展望する

そのSBCに今求められている役割の1つが「セキュリティ」だとアボット氏は述べる。VoIPサービスにおいては、「データネットワークのようにファイアウォールが機能を果たさず、セキュリティ機能を適用することが難しい」(同氏)。そこで、ネットワークの境界に位置し、SIP制御を司るSBCが防壁の役割を果たすというわけだ。電話のIP化を進めることで、「サービスプロバイダは、これまでサービスごとに運用してきた複数のネットワークをIPネットワークに統合し、コストを削減できる。さらに(メッセージングやビデオなどと融合した)新たなアプリケーションも展開可能になる」とアボット氏。サービスプロバイダによるUCサービス提供を支えることで、同社の事業を発展させていきたいと述べた。

また、同社の強みについては、中堅中小企業から大企業、通信キャリア/サービスプロバイダまでカバーする製品ラインナップの豊富さを強調した。6月中には、SBCラインアップの上位機種である「Sonus SBC7000」の国内提供を開始。加えて、2014年2月に買収を完了したPerformance Technologies社の技術により、モバイル向けのDiameter(認証・認可・課金プロトコル)をサポートするDiameterシグナリングコントローラ「Sonus DSC」の提供も始める。

中堅中小向けからサービスプロバイダ向けまで豊富なラインナップを揃える

日本市場における取り組みについては、日本ソナス・ネットワークスでカントリーマネージャーを務める仁枝かおり氏が今後の販売戦略について説明。これまでは直販をメインに事業を展開してきたが、「ニーズの多様化に対応して販売力をさらに高めるため、販売・サポートともにチャネルを通して製品を提供する」と方針を述べた。法人ユーザーに対しては、サービスプロバイダと協業し、マイクロソフトの「Microsoft Lync」等によるUCソリューションの提供も進める考えだ。

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