ワークスタイル変革Day 企業モバイル活用フォーラム2013レポートシトリックス竹内氏「企業がいま目指すべきは“ビジネス全体”のモバイル化だ」

「ビジネスをモバイル化するということは、“変化”への柔軟な対応を実現することに他ならない」――。ビジネス環境が急速に変化するなか、企業は業務全体をどのようにモバイル化していけばいいのか。そのカギを握る仮想デスクトップやMAMなどについてシトリックスの竹内裕治氏は語った。

単に外出先からメールやスケジュールを見たいといったニーズには最早とどまらない。「業務全体、ビジネスそのものをモバイル化したいという声が近年、非常に強くなってきた」。シトリックス・システムズ・ジャパンの竹内裕治氏は、9月10日に行われた「企業モバイル活用フォーラム2013」でこう述べた。

シトリックス・システムズ・ジャパン 竹内裕治氏
シトリックス・システムズ・ジャパン テクノロジー&ソリューションズ シニアマネージャー 竹内裕治氏

多くの企業が、ビジネスそのもののモバイル化を目指し始めた背景には、いくつかもの要因がある。例えば、デジタルネイティブ世代の台頭。これからのITシステムは、スマートフォンのほうが文字を早く入力できるような若い世代に使い易いものでなければならない。

また、自然災害の相次ぐ発生や不安定なビジネス環境も挙げられる。いかなる状況に直面してもビジネスを継続していくためには、「モバイルが当たり前になる必要があると、多くの方が気付いている」(竹内氏)のだ。

では、業務全体のモバイル化、すなわち「モバイルワークスタイル」はどのように実現していけばいいのだろうか。「BYODのため」「在宅勤務のため」と個別にソリューションを検討していくアプローチでは十分でないというのがシトリックスの考えだ。

「私どもの考え方はインフラを変えていくということ」。竹内氏は、モバイルワークスタイルの礎となるインフラの在り方とシトリックスの取り組みについて紹介した。

「“VDIは専用型”という固定観念は取り除いて」

現在のIT環境は、Windows中心の世界だ。業務全体をモバイル化していくうえではまず、Windows PC向けに作られた既存のITシステムとデスクトップ環境のモバイル化が大きなテーマとなるが、「シトリックスは創業以来、画面転送のテクノロジーを中心に、Windowsの世界をいかにモバイルで使い易くするか」に取り組んできたという。

VDI(仮想デスクトップインフラストラクチャ)を実現する「XenDesktop」である。IDCの調査によれば、シトリックスはワールドワイドなクライアント仮想化ソフトウェア市場においてシェア45.0%と「ダントツの1位」となっている。

クライアント仮想化ソフトウェア市場の世界売上シェア
クライアント仮想化ソフトウェア市場の世界売上シェア。シトリックスが2位を大きく引き離して1位となっている

竹内氏がXenDesktopの特徴としてまず紹介したのは、VDI以外の方式にも1つの製品で対応できることだ。FlexCastデリバリーテクノロジーにより、社内の物理PCに外からアクセスする「リモートPC」、ローカルデバイスにバーチャルマシンをインストールすることでネットワークに接続していない状態でも利用可能な「クライアントハイパーバイザー」などもサポートする。

シトリックスが提供できる多彩なデスクトップ環境
シトリックスが提供できる多彩なデスクトップ環境

VDIについても、専用型とプール型の両方が利用できる。専用型とは、ユーザーごとに専用のバーチャルマシン環境を提供するタイプ。「物理PCの環境をそのまま移行できる」のが一番のメリットだという。一方、「非常にコスト効果が高い」のがプール型だ。

竹内氏は、専用型のみのケースと専用型とプール型の組み合わせたケースのコストイメージを比較したうえで、「“VDIは専用型”という固定観念はまず取り除いて、柔軟なやり方があるということを押さえてほしい」と語った。

専用型とプール型を組み合わせることでVDIのコストは最適化できる
専用型とプール型を組み合わせることでVDIのコストは最適化できる

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