[シリーズ]ICTを活用して風土改革に挑む! <第3回>
【TIS】社内SNS発! 現場主導の会社改革
文◎小林秀雄(ITジャーナリスト)
2011.04.06
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左からTISの藤原士朗、五味久恵、
平井一徹の各氏
シリーズ第3回で紹介するのは、社内SNSの導入によって会社改革を成し遂げたTIS。ボトムアップで情報共有を進め、社員のエネルギーを顕在化させる場を生み出した。
iPadから役員も情報発信
今では同社のほとんどの社員がTCポータルに登録し、TISが属するITホールディングスグループ全体のコミュニケーション基盤としても展開されている。だが、すべての社員が積極的に情報発信しているわけではなく、情報を読むだけのリードオンリーの社員もかなりいる。そこで運営メンバーはTCポータルをさらに活性させるべく知恵を絞っているが、その一環として五味主任は経営層に対して「もっと書き込んでほしい」と訴えた。そして現在、同社役員にはiPadが配布され、ちょっとした合間でも気軽にTCポータルに書き込める環境が整えられた。
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iPadを手にする会田雄一技術本部長 |
企業の風土改革というと経営者が強力なリーダーシップを発揮するイメージを抱きがちだ。しかし、TISの場合、現場の社員が主体となった。また、実は彼らがそもそも目指したのは風土改革ではなかった。社内SNSの採用、そしてその道具を自由に発言する場として使おうという意思が風土改革をもたらした。
社内のコミュニケーションに問題を感じている企業は、「風土改革を目指す」と身構えずに、「ツールありき」で社員の発言を活発にすることからスタートしてみるのも手だろう。

月刊テレコミュニケーション2011年3月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)