4G/5Gと6Gの基地局無線部を共用、三菱電機が世界初のGaN増幅器実証に成功

三菱電機は2023年6月8日、世界で初めて、1台の増幅器で3400MHzの周波数帯域をカバーするGaN(窒化ガリウム)増幅器を開発し、4G、5G、Beyond 5G/6G用周波数での動作実証に成功したと発表した。周波数が異なる各通信世代での基地局の無線部共用化と低消費電力化の両立に貢献できる技術という。

基地局のイメージ

今回開発した増幅器を用いた基地局のイメージ

基地局の無線部を構成する増幅器は、特定の周波数帯域で個別開発が進められてきた結果、現在の基地局には通信世代ごとに異なる無線部が設置されている。そのため、Beyond 5G/6G基地局においては、省スペース化や保守・運用コストの観点から無線部の共用化が期待されている。

また、Beyond 5G/6Gでは、従来よりも多くのアンテナが密に配置されることが予想され、電波制御には多くの電力が使用される。そのため、増幅器には消費電力の低減も求められている。

三菱電機はこれらのニーズに応えるために、増幅器の超広帯域化と低消費電力化を両立し、4GからBeyond 5G/6Gまで対応する基地局用GaN増幅器を開発。周波数に応じて増幅器の動作モードを切り替えることが可能な独自の周波数補償回路を増幅器に適用し、周波数帯域を同社従来比で6倍の3400MHzまで拡大した。

省電力化に向けては、業界トップクラスの電力効率を有する高性能GaNデバイスを増幅器に採用。周波数帯域3400MHzにおいて、Beyond 5G/6Gで求められる水準を上回る増幅器動作時の最高電力効率62%を達成した。さらに、従来は複数必要だった増幅器を1台にまとめることで基地局の低消費電力化を実現した。

今後、Beyond 5G/6Gでの実用化に向けて、さらなる研究開発を進めるとしている。

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