楽天が700MHz帯の9月までの割当希望、既存3社は消極的か 総務省が周波数利用ニーズ調査

総務省は2023年4月19日、移動通信システムの周波数利用に関するニーズを把握するため、3月15日から3月31日まで実施した調査の結果を発表した。

これによると、プラチナバンドである700MHz帯の3MHzシステムについて、楽天モバイルは「2023年9月までの割当てを希望」と回答している。

また、楽天モバイルは、今回の総務省の公表を受けて同日発表したニュースリリースにおいても、「プラチナバンドの新たな選択肢になりうる700MHz帯の3MHzシステムに対する早期の割当てを希望させていただきました。プラチナバンドを割当ていただいた場合には、当社のネットワーク技術および既存の当社基地局サイトを活用し、柔軟かつコストを抑えた効率的な基地局設置を行い、お客様に安定的かつ高品質なサービスを提供していきたいと考えております」と述べ、700MHz帯獲得への強い意欲を示した。

一方、既存3社は、700MHz帯の3MHzシステムについて、いずれも積極的とは言い難い。NTTドコモは「活用可能性の詳細について検討を進めていく」、KDDIは「今後策定される開設指針や今後とりまとめられる技術的条件等を踏まえて、開設計画の申請について判断する必要がある」、ソフトバンクは「情報通信審議会において技術的条件や共用条件等について議論中であるため、これらの条件等を勘案しつつ検討」と回答。3社とも、割当希望をはっきり表明していない。

既存3社に現在割り当てられているプラチナバンドの楽天モバイルへの再割当をできるだけ回避するための方策の1つとして、700MHz帯の3MHzシステムについては割当を希望せず、楽天モバイルに“譲る”可能性もありそうだ。

楽天モバイルは、想定する利用シーンとして、「700MHz帯は都心部のビルの奥や地下空間などを含め、より遠くに、隅々まで電波の届きやすい特性を有する帯域であることから、主に屋内も含め電波が浸透しづらい箇所への対策やカバレッジの拡大に向けた利用を想定」と総務省の調査に回答している。

この回答からは、地方のエリアカバレッジ拡大よりも、都市部の屋内や地下のエリア対策の方を、700MHz帯の用途として重視していることが窺われる。

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