富士通が1波1.2Tbps光伝送を製品化、2023年度上期に提供開始へ

富士通が2023年2月22日、光1波あたり1.2Tbpsの大容量長距離伝送が可能な光伝送プラットフォームを実用化し、「1FINITY Ultra Optical System」として製品化したと発表した。2023年度上期に、通信事業者やデータセンター事業者向けにグローバル提供を開始する。

同社は2022年に、1波あたり1.2Tbpsの伝送容量を持つデジタルコヒーレント光伝送技術の開発に成功(参考記事)。これに水冷システムや、複数の波長帯域を1つの製品で扱うことができるC+L ROADMアーキテクチャー等の先端技術も組み合わせて製品化した。

1FINITY Ultra Optical Systemは、トランスポンダー(光送受信機)である「1FINITY T900」、およびラインシステム(光波長多重装置)の「1FINITY L900」で構成される。

1FINITY T900は、新たに開発した高性能コヒーレント DSPおよび超高速CDM(Coherent Driver Modulator)を採用することで 135Gbaud(ギガボー)の高速信号伝送が可能。富士通独自のクローズドループ水冷技術の採用により、従来の空冷システムと比較して2倍の冷却能力と発生する騒音の50%低減を実現した。

ラインシステムの1FINITY L900は、光ネットワークで一般的に使われるCバンドの波長帯域に加えて、より波長の長いLバンドの帯域の波長も扱うことで、光ファイバー1本あたりの通信容量を拡張。加えて、光信号を送信する際に伝送路上で信号を増幅することで、到達距離や伝送容量を向上させることができるフォワードラマン増幅も実用化した。

また、ケーブル配線の複雑さを従来比で80%以上削減するスマート・ファイバー・ケーブル・システムも採用。設置時および試運転中のトラブルシューティングを数時間から数秒に短縮することが可能という。伝送状況や断線箇所などの光ファイバーの状態を測定解析するOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)や、疑似的な波長を用いて、伝送経路の品質を遠隔操作で確認できるPseudowave(スードウェーブ)技術を機器内部に組み込むことにより、ネットワークの管理をより簡便かつ効率化できるとしている。

1FINITY Ultra Optical Systemは日本を含むアジア太平洋地域、北米および欧州全域で、2023年度上期から提供開始する予定だ。

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