920MHz帯無線LAN「11ah」を高知県農業クラウドで実証、NTTアグリらが参画

高知県と、高知電子計算センター、ぷらっとホーム、高知システムズ、NTTアグリテクノロジーの4社は2023年1月31日、920MHz帯を利用する新たな無線LAN規格「IEEE802.11ah」によるプライベートネットワークを活用した実証内容について発表した。

高知県では施設園芸ブランドや農家所得の向上を目的に、データに基づく栽培(データ駆動型農業)の実現をめざす「高知県IoPプロジェクト」を推進している。

これは、ほ場内の栽培環境データや、県全体にわたる農産物個々の出荷データなどをクラウドに集約・確認できる仕組みを構築するもの。発表によれば、IoPクラウドの利用者数は増加しているものの、生産者の経済的負担が課題となっているという。

これを解決するため、上記4社が共同企業体として解決を提案。県の採択を受けて、プライベートネットワークを有効活用した効率的・経済的な通信方法を実現することで、接続形態や接続機器などの選択肢を増やし、生産者がIoPクラウドを導入しやすくなる仕組みづくりに向けた実証を行っている。

実証は2022年12月10日に開始しており、2023年3月上旬まで実施する予定。内容は次の通りだ。

実証のイメージ

実証のイメージ

高知県安芸市の「JA高知県安芸集出荷場」に基地局を設置し、周辺のほ場とIEEE802.11ahによるプライベートネットワークを構築。6農家・10ほ場にある各種センサー機器を802.11ahで集約し、IoPクラウドに接続できる環境を整備した。加えて、ほ場付近の用水路や河川監視といった防災分野のユースケースへも展開している。

これまで各生産者は、IoPクラウドを活用するための通信環境をほ場ごとに用意する必要があった。だが、ほ場のエリアが集積している高知県の地域特性を踏まえ、集約された基地局からIoPクラウドへの通信を行うことで、ほ場ごとに発生していた通信料をなくすなど各生産者の負担を軽減。今回の実証により、IoPクラウドを導入しやすくなる通信環境整備(投資の最適化)を図るとしている。

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