日清紡ブレーキがローカル5Gで走行中にデータ共有 テスト車両の遠隔操縦も視野に

全周2.85kmのテストコースを基地局1台でカバーするローカル5Gシステムを導入した日清紡ブレーキ。走行中の試験車両からリアルタイムにデータを取得。将来的に、テスト車両の遠隔操縦も視野に入れている。

「目的は開発のスピードアップだ。今まではテスト走行中に開発者とデータを共有することができず、テスト終了後にUSBメモリかWi-Fiでデータを取り出していた。ローカル5Gの無線通信によって走行中にデータを共有できれば、そのタイムラグを解消できる」

千葉県旭市のテストコースにローカル5Gシステムを構築し、2022年4月から運用を開始した日清紡ブレーキ。ソリューション開発部 部長の山口慶之氏は、導入の目的をこう語る。

日清紡ブレーキ ソリューション開発部 部長 山口慶之氏

日清紡ブレーキ ソリューション開発部 部長 山口慶之氏

同社は自動車ブレーキに用いる摩擦材を開発しており、この旭テストコースで感応評価や、走行の快適性を示すNVH性能の評価などを行っている。従来は、短い試験でも1~2時間、基本的には1日中、実車でテスト走行した後に、車載センサーのデータをサーバーに格納して群馬県の館林事業所の開発部門と共有していた。また、重要な試験では館林事業所から開発者が旭まで出張し、試験車両に同乗。ドライバーに指示を出して、特殊な状況におけるブレーキの性能評価を行っていた。

このプロセスが、ローカル5Gシステムの導入によって大きく変わった。走行中の試験車両からデータを無線通信で取り出し、遠隔地の開発者とリアルタイムに共有。また、館林事業所から遠隔でドライバーに指示を出すことも可能になった。開発部門からは狙い通り、「開発スピードが上がったという評価をもらっている」と山口氏は語る。

ローカル5Gを導入した旭テストコースの全景

ローカル5Gを導入した旭テストコースの全景

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