ビデオ会議の最新動向2017(前編)――「ハドルルーム」に大注目

ビデオコミュニケーション市場は、大規模会議室向けの普及は一段落し、小規模向けが中心となっている。グローバルで数千万室の潜在需要があるだけに、市場の拡大が続きそうだ。

Skype for Businessの使い勝手を補完製品におけるもう1つのトレンドが、「Microsoft Skype for Business(以下、SfB)」や「Cisco Spark」といったクラウド型のコラボレーションツールとの連携だ。

このうちSfBについては、Office 365の導入をきっかけにWeb会議としての利用を検討する企業が多い。ところが「関心が高い割に、実際に活用しているのはIT企業やITを積極的に活用する企業に限られている」と富士キメラ総研 第二研究開発部門 研究員の花棚洋氏は指摘する。

主な原因として、設定の煩雑さが挙げられる。

SfBによる会議を始めるまでに平均すると8~10分程度かかるため、やがて使わなくなってしまう企業が多いのだという。また、相手の声が聞きづらかったり、画像が見づらいといった使い勝手の問題もある。

これらの課題を解決し、SfBを遠隔会議システムとして使いこなすためには、機能を補完する製品が必要になる。

例えばヤマハのマイクスピーカーシステム「YVC-1000」はマイクとスピーカーが分離しており、スピーカーを内蔵した本体をディスプレイのそばに置くことで、話者の映像と音声の自然な一体感を実現する。今年10月に発売予定の「YVC-1000MS」は、YVC-1000の機能を踏襲しつつ、SfBの認証を取得したマイクロソフト認定モデルだ。

本体上部に「コールボタン」が搭載されており、マウスなどを使わずにボタン1つでSfBの着信や通話終了を行える。また、音質チューニングやマイクミュート連動などの仕様変更により、SfBを使った快適な遠隔会議が可能になる。

「SfBをクライアントとして既存の会議システムと連携する製品は、SIerも今後の成長が期待できる商材として注目している」とVTVジャパン代表取締役の栢野正典氏は話す。

一方、シスコのSparkもテレビ会議などとの接続が可能になったことで、既存の会議システムとの連携ニーズが企業の間で高まっている。

ロジクールのビデオコミュニケーション製品はSfBの認定を取得しているだけでなく、シスコ製品についても認定・動作確認済みだ。このため、「MeetUpとSparkをつなぎたい」という要望も増えているという。

月刊テレコミュニケーション2017年9月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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