“走るIoT”コネクテッドカーが生み出す新経済圏

クルマをクラウドや交通インフラ等とつなぎ、車両データや周辺データを収集・分析して活用できるようにするコネクテッドカー。この“走るIoTデバイス”を軸に、様々なビジネスが生み出されようとしている。

クルマのサービス化で社会が変わる将来的に世の中のクルマの大半がIoT化され、さらに自動運転が実現すれば、クルマの使い方も変わる可能性がある。

現在のクルマの稼働率は数%に満たないというデータもあるが、業務車両を除けば、大半のクルマは駐車場に収まっている時間のほうが圧倒的に長い。カーシェアリングのように、クルマを所有せずに利用するユーザーは今後確実に増える。

自動運転はその流れをさらに加速させる。クルマを買わず、自動運転車による移動サービス“Mobility as a Service”を利用するユーザーが増えるのは間違いない。そうなれば交通量は劇的に効率化され、渋滞や交通事故等の社会課題が解決される。また、交通インフラや駐車場スペースも縮小できる可能性がある。

コネクテッドカーの普及は、新たな社会インフラの実現にもつながるのだ。トヨタ自動車と協業し、コネクテッドカー向けプラットフォームを構築するKDDIでグローバルテレマティクス部長を務める中村武氏は「つながるクルマを、新たな社会インフラとして考えている」と話す。「自動車メーカー、ドライバーがクルマの外の世界と結びついて、サービス業界など世界中の人とWin-Winの関係を築ける“スマートカーバリュー”」の実現を目指すという。

このように、コネクテッドカーはクルマを巡る経済圏を大きく変え、またそこにICT業界が深く関わる可能性も広がるのだ。

月刊テレコミュニケーション2016年10月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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