企業ネットワーク最前線

ワークスタイル変革Day 2016 講演レポート

「NECはワークスタイル変革の4つの課題にどう取り組んでいるか?」、NEC若杉氏が解説

文◎百瀬崇(ライター) 2016.11.01

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「すべてをイチから始めるのではなく、従来の使い方を担保しながら新しいツールを付け加えていくという発想が重要」――。NECの若杉和徳氏は、「ワークスタイル変革を支援するNECの取組み最新状況」と題して、自らの経験をもとにワークスタイル変革を成功に導くためのポイントを語った。

ICT活用のポイントは「従来の使い方にプラスアルファ」
そして最後の課題は「ICT活用」である。若杉氏は、「技術革新を活用しない限りは、ワークスタイルのダイナミックな変革は成しえない」と、ICT活用について重点的に説明した。

NECは、グループ全世界13万人に対して共通サービス「Global Information Sharing Platform(GISP)」を展開している。これは、IPテレフォニーやメール、テレビ会議、在席確認などのコミュニケーション・コラボレーション機能を備えたICT基盤である。

 

「Global Information Sharing Platform(GISP)」の概要
「Global Information Sharing Platform(GISP)」の概要

 

ただ、若杉氏は次のようにも話した。「理想はグローバルでのコミュニケーション・コラボレーションツールの共通化だが、実際にはかなり難しい面もある。電話のかけ方1つをとっても国によって異なるからで、これをどう解決していくかが継続課題になっている」

そこで重要なのが、普及・定着化活動である。「新しいICTツールを周知したうえで体験してもらい、その体験のフィードバックをもとに改善する。こういったサイクルを回していくことが重要と考えている」

このサイクルの中で、若杉氏が「一番難しいと考えている」というのが「周知」から「体験」の段階にどうやって進んでもらうか。

この壁を従業員に乗り越えてもらうため、NECが実践している取組みが「使ってみたいと思わせること」だ。そして、その具体策の1つが、「従来の使い方にプラスアルファで改善や操作を加えること」である。

例えば、従来のテレフォニー環境をいかにシームレスにUC(統合コミュニケーション)へ移行していくか。「構内PHSや多機能な固定電話機など、そういったレガシー端末との混在環境を継続できるかが1つのキーになる」と若杉氏は説明。

既存のテレフォニー環境とSkype for Businessに代表されるUCを連携させれば、「これまでの音声品質や操作性を担保しながら、インスタントメッセージなどの新しい機能が利用可能になる」として、Skype for Businessとの連携ソリューションを紹介していった。

その他にもユニークな取り組みとして、クレジットカードサイズのPHS端末「Carrity-BR」がある。

従来、構内PHSを利用していた企業が、UC導入のためにPHS環境を一掃し、データ/音声通信のQoSやセキュリティを考慮しながら、ネットワークを再構築するのには大変な労力がかかる。しかし、電話については従来資産を継承。その上にワークスタイル変革用のアプリケーションを追加していくかたちを採れば、導入をスムーズに進められる。

ただ、ここで問題となるのが、音声用のPHSとワークスタイル変革用のスマートフォンの“2台持ち”になってしまうことだ。この課題を解決するのがCarrity-BRである。

「このPHS端末は、スマートフォンとBluetoothで通信し、スマートフォンをハンドセットのように利用できる。クレジットカードサイズのCarrity-BRだけを携帯すれば、あとはスマートフォン1つで既存のPHS環境を使って、高音質の電話が行える」

若杉氏はこう述べたうえで、「すべてをイチから始めるのではなく、従来の使い方を担保しながら新しいツールを付け加えていくという発想が重要。そのメリットは、豊富かつ高度なサービスを従来の環境のまま利用できることだ」と語った。

実際に体験することが「極めて重要かつ有効」NECでは、「体験」の場を増やす取組みにも力を入れている。レベル別の集合教育を定期的に開催するだけでなく、教育用の動画コンテンツを充実させ、オンデマンドで閲覧できるようにもしているそうだ。

また、様々な実証実験も行っている。若杉氏が紹介したのは、グループ会社のNECネッツエスアイが実施した実証実験だ。テレワークの課題の1つは労務管理だが、在宅管理システム「TeleworkWatch」とSkype for Business、Office 365を連動。PCの利用状況やスケジュールの登録状況などから、勤怠確証の取得や勤務状況の見える化を自動化した。

 

在宅管理システム「TeleworkWatch」を活用した労務管理対応
在宅管理システム「TeleworkWatch」を活用した労務管理対応


NECではこうした仕組みをソリューション化しており、NECのショールームで体験可能だ。従来の東京・品川と大阪のショールームに加え、今年8月には「秋葉原UNIVERGEデモセンター」もオープンしている。

 

秋葉原 UNIVERGE デモセンターの概要
秋葉原 UNIVERGE デモセンターの概要


最後に若杉氏は次のように話して講演を締めくくった。

「ワークスタイル変革のゴールはお客様によって千差万別。『これがワークスタイル変革です』という紹介はしにくい。しかし、検討を進めるうえで、ツールや仕組みの実体験は極めて重要かつ有効であると確信している。NECは、お客様やパートナー企業がNEC製品を体験できる場をどんどん増やしていくので、ぜひ実際に触れてみてほしい」

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