5G視野にNB-IoTへ注力する――5年後には30億のモノが携帯ネットワークでつながる

中国の大手通信ベンダーであるファーウェイが、携帯電話ネットワークでモノとモノとの通信を実現するセルラーIoT(モバイルIoT)のビジネスに本腰を入れてきている。その中核を担うのが3GPPで標準化が進められている新技術NB-IoTだ。無線ネットワーク分野のマーケティングを統括する邱恒氏に、ファーウェイのIoT戦略を訊いた。

世界5カ所にNB-IoTの実証試験環境を――ファーウェイではNB-IoTの実用化に向けて、どのような取り組みを進めているのですか。

 力を入れている取り組みの1つに、世界の通信事業者と協力してNB-IoTでどのようなサービスが実用化できるかを検討していくことがあります。すでに複数の通信事業者と共同で2月のMWC2016などの場で、デモを行っています。

例えば街なかのゴミ箱にセンサーを取り付けて、それに基づいて収集車の経路や収集時間を決めるといったサービスに、多くの通信事業者が関心を持っていらっしゃいます。駐車場の空き情報をカーナビゲーションと連動させてスムーズに駐車ができるようにする「スマートパーキング」は、アジアだけでなく多くの国で商用化されていくのではないかと思います。

――IoTのアプリケーション開発では、通信事業者以外のプレイヤーをいかに巻き込んでいくかが重要です。

 その通りです。それを実現するための取り組みとして、ファーウェイでは、今世界5カ所に「NB-IoTオープンLab」を整備しようとしています。各国の通信事業者と協力してNB-IoTのネットワークを組んで、モジュールの相互接続試験や、おもしろいアプリケーションを作った方がそれを実際に運用できるようにするもので、ボーダフォンではすでに運用が始まっています。ドイツのドイツテレコムや中国のチャイナ・ユニコム、チャイナ・モバイル、中東のエティサラートでも準備が進められています。

――NB-IoTはどの程度期待を持てるビジネスになると見ていますか。

 今のビジネスとして以上に、将来のマーケットを創り出すものとして期待をしています。世界の携帯電話事業者が通信を高度化し新たな産業を生み出すために5Gへの取り組みに力を入れています。しかし5Gが実用化されたからといってすぐにこうした世界は実現するわけではありません。ファーウェイでは、まずNB-IoTという段階を踏むことで、さまざまな産業が協力していける枠組みを創り上げていきたいと考えています。

★5月25日から3日間、東京ビッグサイトで開催する「ワイヤレスジャパン2016」の
基調講演に、邱恒(キュウ・コウ)氏が登壇します。
★お申し込みはこちら→ http://expo.ric.co.jp/wj2016/jizen/seminar.php#35

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