モバイル管理に不可欠なMDMの進化系「EMM」を徹底解説

スマートデバイスの業務利用に欠かせないMDM。これにMAMとMCMの機能を加えた「EMM」が一般化している。ベンダー各社はMAMとMCMに対応するとともに、独自機能を用意して差別化を図る。

AXSEED――MDMとMAMの機能を強化

EMMのうち、特にニーズの高いMDMとMAMの機能を強化したのがAXSEEDの「SPPM2.0」である。

iOSには端末管理のためのMDM機能がOS自体に実装されており、そのメリットは少なくないものの、アップルが準備する管理機能以外を実現することが困難だというデメリットもある。AXSEEDは「SPPMライブラリ」の形で提供することで、従来のiOSの限界を超えたMAM機能を実現した。

企業が独自に開発した業務アプリに対して、独自業務アプリ稼働時のスクリーンショットの制御や独自業務アプリ画面でのクリップボード制御(コピーアンドペーストの禁止など)といった管理機能を持つことができるという。

また、AXSEEDはビジネスの多様なシーンで利用できる業務効率化ソリューション群「SPPM BizApps」を用意。「現在、レポート作成とカタログ作成、セキュアブラウザーという3種類のアプリを提供している」(AXSEED モバイルパートナービジネス部 ゼネラルマネージャーの田中伸一氏)。

さらにAXSEEDの独自機能として挙げられるのが「A-Push」である(図表3)。

図表3 AXSEED「A-Push」の概要
AXSEED「A-Push」の概要

サーバーからAndroid端末へのリアルタイムな指示や、社員への緊急性の高い通知にはIPプッシュ技術が不可欠だ。Googleが提供するC2DM(Cloud to Device Messaging)やGCM(Google Cloud Messaging)が多く利用されているが、完全閉域網やGoogle Play非対応端末では利用できない。

「A-Pushはこうした課題に対し、AXSEEDが独自開発したIPプッシュ方式。豊富な設定機能を備え、15以上の項目からサーバー性能に応じたチューニングが可能だ」(AXSEED 代表取締役の新明善彦氏)という。

例えば、メッセージ保持期間や再送条件などをきめ細かく設定できるステータス通知機能やログ機能も備える。「サーバーを複数台設置するだけで簡単に冗長構成が組めるほか、収容端末数の増大に対しても、端末アプリに応じて必要な数のA-Pushサーバーを用意するだけで対応できる」(AXSEED モバイルパートナービジネス部 モバイルセキュリティ プランナーの佐々木祐輔氏)という。

最大のメリットは、完全閉域網環境やGoogle Play非対応端末でのIPプッシュを実現できる点。C2DM/GCMが利用可能な環境では、A-Pushをメインで利用しつつ、万一の際のバックアップとしてC2DM/GCMを併用することも可能だ。

2015年4月には、A-PushサーバーとWindows Open MDMを連携させることにより、完全な閉域網環境でのWindows 8.1端末の管理にも対応した。

月刊テレコミュニケーション2015年5月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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