企業ネットワーク最前線

スシローのAWS活用を支えるネットワークとは?――Direct Connect+KDDI WVSでさらなる進化

文◎太田智晴(編集部) 2015.04.22

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AWSの先進ユーザーとしても著名な日本最大級の回転すしチェーン、あきんどスシロー。クラウドのパフォーマンスは、ネットワークの品質にも大きく左右されるが、あきんどスシローが選んだのは、AWS Direct ConnectとKDDI WVSの組み合わせだった。

全国392店舗、年商1200億円以上、アルバイトやパートを含めた従業員数は約3万6500名(2014年9月末現在)。この日本最大級の回転すしチェーン「スシロー」を運営するのが、大阪府吹田市に本社を構えるあきんどスシローだ。

「原価率30%が一般的」といわれる外食産業にあって、スシローの原価率は何と約50%。食材に高い原価をかけているからこそ実現できる、100円回転すし業界屈指のネタと店内調理が、スシローの人気の秘密だ。

 

あきんどスシロー
スシローの店内



スシローは最も有名な回転寿司チェーンと言っていいだろうが、実はITの世界でも同社は名高い。パブリッククラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」の先進ユーザーとしてもよく知られているのだ。

それを物語るエピソードの1つが、昨年11月に米ラスベガスで開催されたAWSのイベント「AWS re:Invent 2014」の基調講演。全世界のIT関係者が注目する米アマゾン・ドットコムのCTOによる基調講演は、あきんどスシローの事例紹介からスタートした。同社のAWS活用が、いかに先進的なのかが分かるだろう。

 

すべてのシステムをAWSへ

あきんどスシローが、AWSを利用し始めたのは2012年7月頃のこと。社内に蓄積された40億件のデータを分析するためだった。

あきんどスシローは、すしの鮮度をICタグで管理していることでも有名だ。すし皿1つひとつに付けられたICタグのデータを活用し、レーンに流してから一定時間が経過したすし皿の自動廃棄を実現。常に鮮度の良いすしを顧客に提供しているほか、どのすし皿がいつ売れたかなども把握可能にしている。

また、顧客の人数とテーブルへの着席時間から、1分後と15分後の需要をシステムが予測。この需要予測をもとに、レーンに流すネタや量を決めるなどのシステム化も行っている。

「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」を企業理念として掲げるあきんどスシロー。

同社 情報システム部長の田中覚氏は「IT投資についても、この理念の達成に貢献するかどうかで経営陣は判断しています」と話すが、さらにうまいすしや充実した顧客サービスを提供するために着目したのが、こうしたシステム化により貯まった40億件のデータだった。

 

 

本社ロビーに掲げられているあきんどスシローの企業理念
本社ロビーに掲げられているあきんどスシローの企業理念。この理念は、同社のIT戦略にも貫徹している



従来、各店舗内だけで活用されてきたデータを集約・分析すれば、全社規模でのパターン分析や店舗間のデータ比較によるオペレーション改善に向けた知見など、「40億件のデータが“宝の山”になるのでは」と考えたのだ。

しかし、40億件もの膨大なデータを分析するには、高速処理が可能なインメモリ型のBIツールを動かせる高価なサーバーが必要となる。本当に“宝の山”かどうかも分からないなか、多額の投資はできない。

そこで田中氏が辿り着いた答えが、必要なときに必要な分だけ利用できるAWSだった。40億件のデータを分析することで、価値ある知見は得られるのか――。その検証にかかった費用はわずか10万円だったそうだ。

 

あきんどスシロー 情報システム部長 田中覚氏
あきんどスシロー 情報システム部長 田中覚氏



検証実験の結果、確かな手応えを得たあきんどスシローは、ICタグから得たデータのAWS上での分析を本格的にスタートさせる。さらに同社は、WebサイトやERPなどのシステムも続々とAWSへ移行。「ほぼすべてのシステムがAWS上で稼働しています」と田中氏は説明する。

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