企業ネットワーク最前線

【国際紙パルプ商事】Androidスマホと「0AB~J番号」でなぜ顧客満足度が向上したのか?

文◎百瀬崇(ライター) 2014.12.01

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

国際紙パルプ商事はシャープのAndroidスマートフォン「AQUOS PHONE」とKDDIの「auオフィスナンバー」を導入し、業務効率向上とコスト削減を実現した。さらにスマートフォンから0AB~J番号を利用可能にすることで、顧客からの信頼も向上したという。

「0AB~J番号」で顧客に安心感を与える

国際紙パルプ商事では、外出先のスマートフォンから取引先などへ電話をかける際、会社の電話回線を用いて発信できる「コールバック」(V字発信)という方式を以前は用いていた。

コールバック(V字発信)方式は、当時としては画期的だった音声と通信を駆使した通話方式で、これにより同社は固定電話並みの通話料金を実現した。また、スマートフォンの内線化による社内連携力の強化、個々のスマートフォンへのダイヤルイン番号の付与による会社宛の部署ダイヤルの呼量分散、電話機の再配置による固定電話機およびスマートフォンの適正台数への削減も図った。さらに、このコールバック(V字発信)方式には、相手に自分の携帯番号は通知せず、会社の「0AB~J番号」を通知できるというメリットもあった。

ただ、コールバック(V字発信)方式の問題は、通話環境により音質の劣化が顕著になる点であった。「顧客の声が聞き取れない」ということも少なくなかったという。また、通話相手とつながるまでに、何度もスマートフォンの画面をタップする必要もあった。

「採用当初は画期的なシステムだったのですが、従前の通話方式では、経路が煩雑で通話品質のさらなる向上を図るうえで技術的ハードルが高かったのです。そのため、これまでの費用対効果や運用を変えずして切り替えられる新たな通話サービスを模索していました」(満足氏)。そこでKDDIの営業担当者に相談したところ、勧められたのが「auオフィスナンバー」だった。

auオフィスナンバーとは、次のようなサービスだ。スマートフォンから電話をかける際、「0077-26」のプレフィックス番号を相手の電話番号の前に付けることで、相手先には名刺に書かれたダイヤルインの0AB~J番号を通知することができる。また、取引先などからの0AB~J番号宛ての着信を、登録したスマートフォンに着信させることも可能だ。0072-26のプレフィックス番号は、専用アプリがONになっていれば自動で付加されるため、自分で入力する手間も不要である。

「当社の電話の運用方法に則しており、運用を大きく変えずに移行できることもあって、auオフィスナンバーを採用することにしました」(高橋氏)

 

auオフィスナンバー
「0077-26」のプレフィックス番号を付けることで、相手には名刺に書かれているダイヤルインの0AB~J番号を通知できるauオフィスナンバー。プレフィックス番号は、専用アプリをONにしておけば、自動で追加される



2014年7月にauオフィスナンバーを導入したことで、音質は格段に向上した。また、専用のアプリを利用することで、何度もタップする必要がなく、手軽に使えるようにもなった。

 

auオフィスナンバー
auオフィスナンバーは、アプリを「ON」にするだけですぐに利用できる



さらに、BCP対策の強化につながることも、採用の大きなポイントだったという。従来のコールバック(V字発信)方式では、オフィスのゲートウェイ(回線収容装置)に着信するため、災害などでオフィスビルへの電力供給がストップすると利用できなくなるという課題があった。しかし、auオフィスナンバーなら、オフィスビルが停電しても、問題なく利用できる。

国際紙パルプ商事の各営業担当者の名刺にはダイヤルイン番号が印刷されているが、そもそも、なぜ同社は0AB~J番号にこだわるのだろうか――。「顧客に安心感を与えるためだ」と松永氏は言う。

「携帯番号の場合、圏外にいて着信できないことも考えられます。0AB~J番号なら、お客様はそういった心配もなく、安心して電話をかけられるはずです。また、携帯番号にかけるよりも、0AB~J番号にかけた方が通話料金は安く済むという点も考慮しています」

AQUOS PHONEとauオフィスナンバーで課題を解決した国際紙パルプ商事。導入担当者たちは、「“ハード”と“ソフト”の両面から改善できた」と話しているという。

 

Google Appsで異なる部署間のスケジュールを共有

国際紙パルプ商事では、「Google Apps」も利用している。現在は主に電子承認などで活用しているという。「電子承認をクラウド上で行うことで業務のスピードアップを図っています」

また、カレンダー機能も活用している。「Google Apps導入以前は統一されたグループウェアがなかったため、異なる部署間でスケジュールを共有できませんでした。しかし、Google Appsの導入で、異なる部署間でもスケジュールを共有できるようになり、予定の調整などがスムーズに行えるようになりました」と高橋氏。

国際紙パルプ商事では、基本的なポリシーとして、スマートフォンには業務用の情報を一切残さないようにしている。顧客の電話帳データもスマートフォン本体に保存するのではなく、アプリを使ってクラウド上の電話帳を利用する方式を取っている。iPhoneではなく、Androidを搭載するAQUOS PHONEを選んだ理由の1つには、この電話帳アプリとの互換性もあったという。

「今後は、通話機能のみならず、現場が所望する様々な営業ツールをスマートフォン上で展開していきたいです。その場合もスマートフォンにはデータを残さず、社内運用の強化やMDM等の管理ツールを最大限活用し、セキュリティ対策を万全にしたうえで、さらなる利便性を追求していきます」と語る満足氏。

AQUOS PHONEとauオフィスナンバーの導入で業務効率と顧客満足度の向上に加えて、コスト削減にも成功した国際紙パルプ商事――。Google Appsなどのクラウドサービスのさらなる活用により、次の一歩を踏む出す準備も万端である。

スマートデバイス/クラウド活用事例

スペシャルトピックスPR

nec1707
emc
yamato1708

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】5G時代の新ビジネス創出戦略
<Part 1>5G革命の本質とは? - 主戦場は「リアル」で「シリアス」な領域へ
<Part 2>5Gで超現実の感動体験 - ポストスマホ時代のビジネスチャンス
<Part 3>人手不足も5Gが救う - AI・4K・5Gが三種の神器に

● [インタビュー]OKI 常務 坪井正志氏「“IoTのOKI”実現の準備は整った」 ●LPWA「ローラ」ネットワークの選び方 ●データセンターインターコネクト(DCI)最新動向 ● 新LPWA規格「Weightless-P」が日本上陸

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー
WS変革Day2017 A

スペシャルトピックス

ヤマトの総合物流ターミナル「羽田クロノゲート」で様々な付加価値!

RADIUS内蔵APとの連携で無線/有線LANの両方でデジタル証明書認証

LPWAネットワークを自ら構築するなら、世界で豊富な実績を誇るキャリアグレードのActilityだ。

業界最高レベルのキャリア/サービスプロバイダ向けルータが登場する。

無線プロトコルスタック「SkWAN」搭載のLPWA基地局なら、1台で最大6400台のエンドデバイスを接続できる!

IBM Watsonが最適な活用方法や脅威対策を提供! 先進のPC/スマホ一元管理を実現する「IBM MaaS360」とは?

「企業向けソーシャルプラットフォーム」で働き方そのものも変える!

ペタバイトクラスも「大きなバケツ」で一括管理できる!

中堅・中小企業を支援する宝情報がUTMのサポートサービスを開始する。

教育現場への無線LAN導入を成功させるための3つのポイントとは?

スマートデバイスを標的にした未知の不正アプリにも対応できる。

設計から製造までセキュアなプロセスで、他のAndroidにはない安全性。

Webサイトの利便性とセキュリティ向上を同時に実現できる最適解とは?

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション5月号
ms
compass
packet

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2015 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます