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【長野県岡谷市】“見守りケータイ”で独居高齢者の健康と命を守る

文◎百瀬崇(ライター) 2014.10.06

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1人暮らしの高齢者の命と健康をどう守るか――。長野県岡谷市は長年この問題に取り組んできた。多方面への情報収集の結果、“見守りケータイ”を活用したセコムのセキュリティサービス「セコム・マイドクタープラス」を導入し、課題解決に乗り出している。

 

湖面が氷結して隆起する自然現象「御神渡り(おみわたり)」で有名な諏訪湖。そのほとりに位置する長野県岡谷市は、人口約5万1000人の自然豊かな町である。戦前は生糸の生産地として栄え、戦後は諏訪湖の水を利用した精密機械工業が盛んとなり「東洋のスイス」とも呼ばれた。現在はナノテクノロジーをベースとした「スマートデバイスの世界的供給基地」となっている。また、うなぎの名産地としても知られ、おいしいうなぎ料理を求めて訪れる観光客も数多い。

 

岡谷市は長野県の真ん中、諏訪湖畔に位置する
岡谷市は長野県の真ん中、諏訪湖畔に位置する。厳冬期には諏訪湖が全面氷に覆われ、その氷が隆起して一直線に裂けて盛り上がる現象「御神渡り」を見ることができる



大都市圏外の多くの地方自治体と同じように、岡谷市でも近年、少子高齢化が進んでいる。高齢化率は31.3%(平成26年4月1日現在)に達し、およそ3人に1人が65歳以上という状況にある。1人暮らしの高齢者も増え、彼らの健康と命を守ることが岡谷市 健康福祉部のミッションとなっている。

 

諏訪湖の湖上には噴水も設置されている
諏訪湖の湖上には噴水も設置されている



岡谷市では従来、据え置き型の緊急通報装置を独居高齢者約130世帯に配布。緊急時にそのボタンを押せば、岡谷消防署に通報され、消防署員や「協力員」と呼ばれる近隣住民などが駆け付ける仕組みを構築していた。

だが、利用者が飼っている猫がボタンを押してしまうなどの誤報も発生。消防署員からの連絡に利用者からの反応がない場合は、協力員に連絡が行き、利用者宅へ確認に行ってもらうため、協力員にかかる負担も少なくなかった。「実際、昨年度にあった107件の通報のうち22件は誤報、58件は停電に伴うものでした」。岡谷市 健康福祉部 介護福祉課 介護予防主幹の宮澤博文氏はこう話す。

 

岡谷市の宮澤博文氏
岡谷市 健康福祉部 介護福祉課 介護予防主幹の宮澤博文氏



既存の緊急通知装置には他にも問題があった。NTTの固定電話回線を利用するものだったため、NTT以外の通信キャリアを利用している人たちは使用できなかったのだ。なかには固定電話を解約したりなど利用していない人もおり、独居高齢者にあまねく提供するサービスにはなり得ていなかったのである。

 

「待ったなし」で始まった緊急通報ソリューション探し

2013年10月。こうした問題を解決すべく、岡谷市 健康福祉部 介護福祉課は動く。既存の緊急通知装置に替わるソリューションを探し始めたのだ。

近隣の市町村だけでなく、長野県内19市の状況を確認したり、さらには全国で岡谷市と同じくらいの人口と高齢化率を擁する町を探し出して話を聞いてみたりした。その結果、岡谷市のように消防署と連携を取っている地方自治体(直営方式)や自治体からの機器の貸し出し(貸与方式)、民間のセキュリティ業者に業務委託している地方自治体(委託方式)など、いくつかの方式により運営している中で、委託方式が多いということがわかってきた。

そこでセキュリティ業者に業務委託する方向で検討を進めていった。「複数のセキュリティ業者を比較検討する中で、当時、携帯式機器を利用し全国規模でコールセンターから駆け付け体制までを1グループ企業として確立し、充実した高齢者の見守りサービスを提供しているのがセコムさんでした」と宮澤氏は語る。

セコムは当時、コンシューマー向けのホームセキュリティのオプションとして「セコム・マイドクタープラス」というサービスを提供していた。KDDIの“見守りケータイ”「mamorino3」をベースとした専用端末を用意。利用者はその専用端末に付いているストラップを引っ張るだけで、KDDIの携帯電話網を通じてセコムに緊急通報できる。

 

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KDDIの「mamorino3」をベースにしたセコムの専用端末。ストラップを引っ張るだけでセコムに緊急通報することができる



「その通報を受けたセコムが利用者の専用端末に電話して状況を確認。セコムの緊急対処員が駆け付けるだけでなく、状況に応じて119番へ通報するという内容のサービスです。また、24時間365日、いつでもセコムの看護師と健康について電話相談できるのも特長の1つです」。セコム上信越 諏訪営業所所長の田中秀樹氏はこう話す。

 

セコム上信越 諏訪営業所 所長の田中秀樹氏
セコム上信越 諏訪営業所 所長の田中秀樹氏

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