企業ネットワーク最前線

店舗経営の「課題解決」にiPhoneとGoogle Apps――脱電話とクラウド化で「意思決定は即!」

文◎百瀬崇(ライター)、太田智晴(編集部) 2014.07.07

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iPhoneを使って予約状況を確認する
リラクゼーションサロン「ZABOU」の
橋田小織さん

社内連絡と情報共有の円滑化は、店舗ビジネスにとって長年の「共通課題」だ。居酒屋やリラクゼーションサロンなど20店舗を展開するゲイトは、iPhoneとGoogle Apps、Skypeなどを活用することで、この課題を解決。経営スピードの向上に成功している。

Google Appsでシフト管理や日報などをクラウド化

Google Appsには、Gmail以外にも数多くの機能があるが、ゲイトで3本柱として活躍しているのは、Gmail、Googleカレンダー、そしてGoogleドライブのスプレッドシートの3つだという。

Googleカレンダーは、勤務シフトや予約の管理などに活用している。クラウドサービスのため、本社や店舗内からだけではなく、外出先からもiPhoneを使って編集・閲覧できるのが便利な点だ。例えば橋田さんの場合、都内5カ所にあるZABOUの店舗を行き来しているが、いつでもどこでもシフト管理や予約管理などが行えるようになった。

ゲイトでは課題解決に向けて4つのキーワードを挙げていたが、その1つとしてあった「同時編集可能な表計算ソフト」。これを実現しているのが、Googleドライブのスプレッドシート機能だ。

ゲイト社内では、Excelの利用は禁止だ。Googleドライブの利用をルール化しており、クラウド上で最新のファイルをいつでもどこでも同時に編集・閲覧できるようになっている。他の人が編集中のセルは色づけされ、誰がどのセルを現在編集中なのかが分かるそうだ。

Googleドライブの導入効果として大きかったのは、日報などの編集作業にかかる労力が不要になったことだという。以前は、各店舗ごとに売上などを入力し、それを本社スタッフが編集・加工したうえで、FAXまたはメールで送付していた。

それが現在は、各店舗の担当者がGoogleドライブ上のスプレッドシートに入力するだけ。つまり、編集コストがゼロになった。「これだけでもGoogle Appsの導入価値はあるくらい」と五月女氏の顔はほころぶ。

 

Googleドライブのスプレッドシートで作られた「居酒屋日報」 Googleドライブのスプレッドシートで作られた「居酒屋日報」。居酒屋チェーン各店の日次売上や日次営業利益などが一目で分かる。各店舗の店長が日々の業績を入力すると自動計算されて全店の売上や営業利益が表示される仕組みだ



さらにゲイトでは、Google Appsの1機能であるWeb会議サービス「Google+ハングアウト」、iPhone対応のクラウド型マニュアル作成ツール「Teachme」なども活用している。「会社が『こんな使い方もある』と先に先に試してくれるので、どんどんiPhoneが手放せなくなっています」(橋田さん)

 

マニュアルの編集・閲覧にもiPhoneは活躍している マニュアルの編集・閲覧にもiPhoneは活躍している。ZABOUでは、レジの操作方法や電話対応の基本、赤ちゃん連れの顧客への対応方法などのマニュアルがある。iPhoneで写真を撮って、そのあとPCで文章作成。これがZABOUスタッフのマニュアル作成スタイルだという

 

iPhoneとGoogle Appsで「お客様のために使える時間が増加」

「iPhoneは導入したいが、コストがネック」――そう考えている中小企業の方は多いかもしれないが、「中小企業こそ、やるべき」というのが五月女氏の意見だ。

「企業にかかるコストで一番高いのは、普通は人件費です。コミュニケーションが潤滑になると、事業スピードが上がります。事業スピードが上がり、1カ月で倍のことができるようになれば、人件費が半分になると同じことです」

また、ゲイトの場合、通信コストについても、電話中心からテキスト中心のコミュニケーションに変わったことで、むしろ削減できたという。

現場も、iPhoneやGoogle Appsなどの導入効果を強く実感している。

ZABOUのセラピストたちは、支給されたiPhoneを使って、顧客ともコミュニケーションを行っているそうだ。コミュニケーション手段は、電話やメール、LINEなどを顧客に合わせて使い分ける。内容は、施術内容や予約などについてだという。顧客に電話番号などを教えられるのは、会社支給だからこそ。iPhoneの導入によって、「お客様との距離が近くなりました」と橋田さんは言う。

また、麻布十番エリアのZABOU 2店舗を管理する樋口珠恵さんは、次のように導入効果を語っている。

「小さなことでも積み重なれば、かなりの時間になります。そうした時間がiPhoneやGoogle Appsによってスリム化され、お客様のために使える時間の増加につながっていると感じています」

 

ZABOUの樋口珠恵さん(左)と橋田小織さん。「もう手放せない」というiPhoneを手に
ZABOUの樋口珠恵さん(左)と橋田小織さん。「もう手放せない」というiPhoneを手に



取材は別々に行ったが、五月女氏も奇しくも同様のことを話していた。「従業員の無駄なアクションを1つ改善できれば、その分、企業は前進できます。企業はそうやって精度を上げていきながら、強くなっていくのだと思うのです」

中小企業を前進させるためのツール――。それがiPhoneやGoogle Appsなどということだ。

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