iOS 7でスマートデバイス管理はどう変わるのか[後編]――BYODにも効果的なアプリ運用が可能に

企業向けの機能が大幅に強化されたiOS 7は、MDM/MAM/MCMの機能や使い方にどう影響するのか。前編に引き続き、今回はアプリ/コンテンツ管理に関連する機能について解説する。

MCMの高度化によりBYOD導入ハードルも低減

次に、MCMに関わる機能強化ポイントについて紹介する。

スマートデバイスで業務を行うに当たって、アプリを通じて利用されるデータのうち、業務上の意味を持つものはすべて管理すべき対象となり、ドキュメントファイルや写真、メールデータや連絡先情報といった、あらゆる種類のコンテンツの管理・運用を行う必要がある。これをMCMと呼び、その機能を提供するMCMサービスは、コンテンツの利用状況の把握や、組織に応じたコンテンツの配布、コンテンツ運用におけるセキュリティ対策などをリモートで実現する。

MCMは、MDMによってデバイスが適切に管理・運用され、さらにMAMによってアプリが管理・運用されている状況下で、初めて効果的に実現できる。モバイルアプリの活用が広がるほどアプリ内の情報、つまりコンテンツの重要性は増す。そのため、スマートデバイスの活用が一定以上のレベルに進んでくると、MCMは必ずといっていいほど必要になる機能だ。アイキューブドシステムズでは、モバイルコンテンツの管理・運用プラットフォームサービスとして「CLOMO SECURED APPsシリーズ」や「カスタムアプリケーション開発」を提供し、数多くの企業のMCM 支援に取り組んでいる(図表5)。

図表5 MCMを実践している企業
MCMを実践している企業

ここでは、MCMに関連するiOS 7の主な機能強化ポイントとして、以下の2つを紹介する。

アプリ間連携を制限
iOS 7では、「Managed Open In」という新たな機能が追加された。この機能を利用することで、Managed Appsアプリ間でのみファイルやデータの受け渡しができるように、アプリ間のデータ連携に制限を加えられるようになった。

これにより、個々のアプリケーションに改修を加えることなく、MDMサービスによって、Managed Appsアプリ以外のアプリへの不正なデータコピーを確実に防ぐことができる。プライベートで利用するアプリと業務用アプリとの間でのデータ連携を防ぐなど、BYOD用途での活用も期待できる(図表6)。

図表6 Managed Open Inの利用イメージ
Managed Open Inの利用イメージ

なお、この設定を行うためには、Managed AppsとしてMDMサービスを通じて配布する必要があるため、MAMサービスと連携するMDMサービスの利用が必要になる。

Webフィルタの柔軟性が向上
iOS 7 では、「Supervised」に設定してあるデバイスのSafariブラウザに対して、ホワイトリスト/ブラックリスト/カテゴリフィルタリング形式でのWebページの閲覧制限をかけられるようになった。

この「Web Content Filtering」機能により、ショッピングやギャンブル関連のページ等、業務外のウェブサイトのURLをブラックリストとして指定して閲覧を閲覧を禁止する、もしくは社内ポータルサイトなどの業務に関連するURLを、閲覧を許可するホワイトリストとして指定し、MDMサービスを通じてユーザーの端末に一斉に配布・適用するといった運用が可能になる(図表7)。

図表7 Web Content Filtering の利用イメージ
Web Content Filtering の利用イメージ

また、現時点では、カテゴリフィルタリング形式で閲覧を制限できるサイトのカテゴリは「アダルト」のみだが、将来的にはさらに多くのカテゴリに対応することが予想される。

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