ICT技術解説[第2回]ビデオチャットを劇的に身近にするブラウザ技術「WebRTC」を徹底解説

ビデオチャット、ボイスチャットなどのリアルタイムコミュニケーションをプラグインなしにWebブラウザだけで実現する技術が「WebRTC」だ。ネットを介したリアルタイムコミュニケーションの可能性をさらに広げるWebRTCを今回は解説する。

(2)WebRTCが登場した背景

インターネットがここまで普及した理由の1つとして、HTML、HTTP、TCP/IPといった中核を占める技術がオープンで自由にインプリメンテーションできたことを挙げることができる。これと同じことが、マルチメディアストリームを活用する機会が増えてきた今、ビデオチャットスタイルの次世代アプリケーションの開発現場にも当てはまるようになってきた。

また、通信関連のサービスやアプリケーションの開発者にとって、コミュニケーション機能のAPI化は通信網やデバイス制御の複雑な部分をブラックボックス化してアプリケーションを開発しやすくしてくれる。

そこで、これを実現する標準フリーパッケージとしてWebRTCが提案されたのである。WebRTCがオープンスタンダードとして普及することにより、キャリアやベンダに縛られることなく、Webブラウザだけで世界中の人たちと自由にコミュニケーションすることができるようになるのだ。

一方、Internet Explorerを提供しているマイクロソフトでは、WebRTCに対抗するフレームワークとして、CU-RTC-Web(Customizable, Ubiquitous Real-Time Communication Web)をW3C WebRTCのワーキンググループに提案している。CU-RTC-WebはGoogleが提案したものと異なる標準を目指したものではなく、相互運用性などのWebRTCの弱点を補うための変更を提案したものだという。W3C WebRTCのワーキンググループでは、CU-RTC-Webでマイクロソフトが提案している仕様の一部をWebRTCに取り込んでいる。

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