キーパーソンが語る

ファーウェイの日本戦略「エンタープライズ事業を第3の柱に」

構成◎坪田弘樹(編集部) 2013.09.30

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ファーウェイ・ジャパン
専務執行役員 法人ビジネス事業本部長
鐘開生(ジョン・カイシャン)氏

通信キャリア向け、コンシューマ向け事業に次ぐ第3の柱として、ファーウェイがエンタープライズ事業に本腰を入れ始めた。2012年度は対前年25%超の成長を達成。2017年に売上高100億ドルを目指す。

――ファーウェイは通信キャリア向け事業やモバイル端末事業の印象が強いですが、本格的にエンタープライズ事業の強化にも乗り出しています。ファーウェイにおいてエンタープライズ事業はどのような位置付けですか。

 2011年の初頭にエンタープライズ事業のビジネスグループ(BG)を正式に立ち上げました。しかし実は、ファーウェイにとって法人向け事業の歴史は長く、それ以前から関連する製品の提供は続けてきています。世界中ですでに多くの法人のお客様に使っていただいています。

ファーウェイの体制は、通信キャリア向け、コンシューマ向け、そしてエンタープライズ向けの3つのBGで構成されています。中でも最も伸び率が高いのがエンタープライズ事業で、2012年度は対前年成長率25.8%を達成しました。売上高は18.5億ドルで、そのうち半分以上が中国以外の海外市場で上げたものです。

今年度のエンタープライズBGの売上目標は27億ドルで、2017年には100億ドルを目指します。今後、ファーウェイにとってエンタープライズ事業は重要な収益源になると考えていますが、キャリア市場やコンシューマ市場とはビジネスモデルが異なるため、市場の特質に応じた事業展開を進めるために新たなBGを設立したのです。

この事業に携わる社員数は1万7000名にも上ります。また2011年には、シマンテックとの合弁会社であるファーウェイ・シマンテックについて、シマンテックの持分(株式49%)を5.3億ドルで獲得するなど、多大な投資も行っています。

国内でも法人専門部隊を組織

――日本国内での組織体制は、現在どうなっていますか。

 日本でも昨年、法人ビジネス事業本部を立ち上げました。現状の体制は営業とSEを合わせて30人ほどです。そのほか、600人のサポート体制を整備しており、キャリア/コンシューマ向けに加えて、エンタープライズのお客様にもこのサポート部隊が対応しています。

ファーウェイ・ジャパンはすでに8年間にわたって日本市場を開拓し、複数のパートナーやお客様との協力体制を築いてきました。日本のお客様が求めるもの、ニーズについては深いレベルまで理解していると自負しています。

したがって、従来からあるような製品で成功することは難しいと考えています。革新的かつユニークな製品、ソリューションを打ち出して事業を展開しなければ、日本では成功できないでしょう。

――ルーター/スイッチ製品からサーバー、セキュリティ、無線LAN、ユニファイドコミュニケーション(UC)など、非常に幅広い製品ポートフォリオを持っています。

 確かに当社は、エンタープライズ向けに100以上の製品を揃えています。しかし、それを全部日本に持ってきて主力製品として販売するつもりはありません。

――具体的に、どのような特徴を訴えていくのでしょうか。

 “コンバージド(統合)”が戦略のキーになります。企業ネットワークは今後、各種のIT製品やUC製品等との統合、無線と有線の融合などが進むと考えています。ファーウェイはエンドツーエンドのソリューションベンダーであり、幅広い分野にまたがった製品ポートフォリオという強みを活かして、国内のパートナー企業とともに、革新的で包括的なソリューションを生み出すことで特徴を出していきます。

ファーウェイには、R&Dへの投資、お客様志向のソリューション開発という特徴があります。全社員15万人のうち7万人がR&Dに従事しており、R&D拠点は日本を含め、世界に16カ所展開しています。2012年度は年間収益の13.7%に当たる金額をR&Dに投資しました。この技術力を背景に、すでにある製品をそのまま販売するのではなく、柔軟にカスタマイズを行って日本のお客様のニーズに応えていきます。

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