ブロードメディア・テクノロジーズ グローバルSD-WAN「Aryaka」導入事例 Aryakaで日中間通信を安定化 中国インターネットの問題を解決!

日系企業の“中国ビジネス”に立ちはだかる大きな壁がインターネット環境の問題だ。グレートファイアウォールやVPN規制の影響により、通信速度が出ない、通信が途切れるといった問題が中国では頻発している。これを解決するため、印刷機器大手の小森コーポレーションが選択したソリューションが、ブロードメディア・テクノロジーズが提供する「Aryaka」だ。

 世界1位の人口を有し、さらに着実な経済成長を遂げていることから、中国市場の魅力は増し続けている。多くの日系企業が続々と中国に進出しているが、そこで課題となるのがネットワークインフラである。

 日本のオフィスやデータセンターにあるシステムへ中国から接続する方法はいくつか考えられるが、コストを重視するのであればインターネットVPNが最初の選択肢となるだろう。ただし、中国のインターネット環境は決して安定しているとは言えない状況だ。特に、日本を含めた海外との通信では多くの企業がトラブルに直面している。その理由の1つとして挙げられるのが「グレートファイアウォール」である。

 これは、インターネット通信を規制する検閲システムの総称であり、その処理によってスループットや安定性が低下していると言われている。

 これに加えて、インターネット接続サービスを提供しているISP間の接続性の問題もある。中国国内のアクセスであっても、極端に通信速度が低下したり、接続が途切れたりするケースは少なくない。さらに、政府が許可していないVPN接続のブロックや特定のWebサイトへのアクセス制限など、インターネット関連の規制は年々強化されている。

グローバルSD-WANを利用して中国特有の問題を回避


 これらの問題によるトラブルを回避し、中国とそのほかの国・地域との間で安定した通信を可能にするサービスとして、ブロードメディア・テクノロジーズでは「Aryaka Global SD-WAN」を提供している。グローバルに展開されたプライベートネットワークを提供し、高速かつ安定した拠点間接続やリモートアクセスを可能にするサービスであり、中国特有のインターネット環境による影響を最小限に抑えて、高速で安定したグローバル通信を実現する。加えて、ユーザーはSD-WANやWAN高速化、セキュリティ機能等も利用できる。

 このサービスでポイントとなっているのは、世界各地に設置されたPOP(Point of Presence)の存在だ。たとえば中国であれば、北京と上海にPOPが設置されている。中国国内の拠点からこのPOPにインターネットVPNで接続すれば、その先はAryakaのグローバルSD-WANプラットフォームであり、安全かつ安定した日本拠点との通信が行えるわけだ(図表1)。

図表1 Aryaka Global SD-WAN

図表1 Aryaka Global SD-WAN

 また、Aryakaはリモートアクセスにも利用できる。すでにVPNクライアントを利用している企業でも、設定はそのままにAryakaのネットワークを使って日本国内のシステムにアクセス可能だ。中国に出張するビジネスマンにとって、日本のシステムにどうアクセスするかは頭の痛い問題となっているが、Aryakaを使えば中国特有のインターネット事情を気にすることなく、円滑にビジネスアプリケーションを利用できるだろう。

中国向けIoTの立ち上げにAryakaを選んだKOMORI


 このAryakaを利用して中国におけるインターネット環境の問題を解消したのが、印刷機械メーカーの小森コーポレーションだ。商業印刷機の製造・販売を手がけ、国内唯一の紙幣印刷機メーカーでもある同社は、米国や欧州、アフリカ、中東、南米など世界中でビジネスを展開する。中でも力を入れている国の1つが中国であり、北京や上海、深セン、香港などに拠点を持つ。

飯田俊秀氏

小森コーポレーション 情報システム本部 ICT推進部 事業推進課 CS係 係長の飯田俊秀氏

 その小森コーポレーションで中国のインターネット環境が問題となったのは、新サービスとして「KP-Connect」(図表2)を始めたのがきっかけだった。

図表2 KP-Connect

図表2 KP-Connect

 KP-Connectは、同社の印刷機械を使用するユーザーに対して、印刷工程の見える化や自動化、省力化といった付加価値を提供するIoTソリューションである。印刷機械から取得したデータをいったんローカル側でまとめ、その内容を小森コーポレーションがAmazon Web Services(AWS)上に構築したプライベートクラウドに送信。ユーザーはWebブラウザを使ってクラウドにアクセスすれば、印刷機械の利用状況などを把握できるという仕組みだ(下画像)。

同社が提供するIoTサービス「KP-Connect」の画面例

同社が提供するIoTサービス「KP-Connect」の画面例。印刷機械からデータを収集し、稼働状況や印刷工程を見える化する

 すでに日本ではKP-Connectの提供を始めており、現在、海外でも一部の顧客企業に対してサービスを行っているが、中国においてネットワークを使ったデータ送信で課題が生まれたと小森コーポレーションの飯田秀俊氏は語る。

 「インターネット経由の通信が非常に不安定でした。通信速度が遅く、なおかつブチブチと切れてしまう。決して大きなデータを送信しているわけではなく、データの更新頻度も30分に1回程度ですが、それでもすぐに通信が途絶えてしまう状況でした」

 そこで、AWSに相談して教えられたのがAryakaだった。

 「Aryakaの話を聞いたとき、最初は“コストが高いだろうな”と考えていたんです。しかし、実際に価格を聞くと、専用線と比較にならないほど安く、コスト面はクリアできました。また、システムに改修を加える必要がなかったこともAryakaの大きな魅力でした」

 KP-Connectのように、顧客企業の拠点や、そこで運用される機械をつないでデータの送受信を行うようなIoTのケースにおいては、顧客企業に特別なクライアントソフトのインストールを求めたり、ネットワーク設定の変更を要求したりすることは難しいだろう。しかしAryakaであれば、そうした手間をかけずに済む。これは、非常に大きなメリットだった。

 さらに飯田氏は「安定した通信が可能になったほか、レスポンスも劇的に改善しました。接続するアプリケーションが物理的に近くなった、そんな印象を受けています」とも語り、通信品質についても満足していると話す。

サービス開始へテストは順調 中国以外への展開にも積極活用


 2018年5月現在、中国におけるKP-Connectはベータ提供の段階だという。Aryakaを組み合わせることで問題なく利用できる環境が整っており、さらに、上りだけでなく下りの通信についてもAryakaを活用するための準備を進めている。

 具体的には、各印刷機械から収集したデータをWebブラウザで参照する際の通信にもAryakaを適用するという試みであり、これについてもよい結果が得られているという。飯田氏は「中国と同じようにネットワーク環境が厳しい国は他にもあります。そうした地域にKP-Connectを展開する際には、Aryakaを積極的に使っていきたいと考えています」と今後の展望を述べた。

 なおAryakaは先日、中国の大手通信事業者である中国移動(チャイナモバイル)とパートナーシップを締結しており、中国におけるサービスの拡充を進める姿勢を強めている。中国に開設した拠点から日本、あるいはクラウドサービスに安全かつ確実に接続したいといったケースにおいて、Aryakaは有効な接続手段となるだろう。

page top
お問い合わせ先
ブロードメディア・テクノロジーズ株式会社
TEL:03-6439-3770
E-mail:bizdev@bmtech.co.jp
URL:www.bmtech.co.jp