ヤマハ シンプルL2スイッチ「SWX2100-5PoE/10PoE」 IPカメラ用に開発したPoEスイッチ フリーズしたカメラも自動再起動!

数多くのPoE対応スイッチが市場に出回っている。しかしヤマハのシンプルL2スイッチ「SWX2100-5PoE/10PoE」のように、IPカメラのためにスペックを作り込んだスイッチは珍しい。ハードウェア構成からネットワークの管理アプリケーションまで、細部にわたりIPカメラで求められる機能を盛り込んだ、今までにないスイッチだ。

 監視カメラのIP化が進むなか、ある問題が顕在化している。「IPカメラのフリーズ現象」だ。普通に動いていたカメラが、なぜか分からないが突然フリーズする現象である。

 フリーズしたIPカメラを正常な状態に復旧させるには、いったん電源を落として再起動させる必要があるが、IPカメラはPoEで電源供給を受けているケースが多い。つまり、PoE給電を一時的に停止してカメラを強制的に再起動しなければならない。

 そんな時に役立つのが、ヤマハが2017年1月に発売開始したシンプルL2スイッチ「SWX2100-5PoE/10PoE」の2機種だ。5PoEの希望小売価格は税抜3万9000円、10PoEは同5万9000円。PoE機器用リブーターを別途購入したり、高価なインテリジェントL2スイッチを採用しなくても、これ1台あれば特別なコストをかけずにカメラの自動再起動ができる。

普及価格帯のIPカメラ向け仕様 最大給電能力は余裕の70W


 「SWX2100シリーズに新たに加わった5PoEと10PoEは、普及価格帯のIPカメラのために仕様を作り込みました。フリーズ時の自動再起動はもちろん、カメラにとって最適なネットワークをコストパフォーマンスよく構築できます」。こう説明するのは、ヤマハ営業推進部国内営業グループ主幹の平野尚志氏だ。

 5PoE/10PoEはL2スイッチとして基本的な機能を備えており、当然のことながら無線LANアクセスポイントやIP電話機なども接続できる。しかし特にIPカメラでの利用を想定し、ハードウェア構成もネットワークの管理アプリケーションも細部まで念入りに作り込んだという。

 まず、ハードウェアのこだわりは、装備されたポート数にあらわれている。5PoE/10PoEにはそれぞれアップリンクポートが1つあり、残りはIPカメラを接続できるポートだ。5PoEは4台、10PoEは9台のカメラを接続できる計算だが、これはカメラ映像をモニターに表示するアプリケーションが4分割や9分割であるためだ。

 また最大給電能力は、5PoE/10PoEともに装置全体で合計70W。普及価格帯のPoEクラス2に対応したIPカメラを利用する場合、PoEスイッチ側に求められる出力電力は1台のカメラあたり7Wであることから、10PoEに9台のカメラを接続しても十分に耐えられる。

 「計算上は7W×9台で装置全体として63Wあれば足ります。ところがカタログ表示のスペック以上に電力を使うカメラもあるということを現場の方から聞いたため、余裕をみて70Wにしました」(平野氏)

図表1 SWX2100-10PoE/5PoEを利用したネットワークの構成イメージ

図表1 SWX2100-10PoE/5PoEを利用したネットワークの構成イメージ

無償なのにスゴイ!管理アプリ PoE給電状態まで可視化


 次にネットワーク管理アプリケーションは、5PoE/10PoEの発売に合わせて無償提供を開始した「Yamaha LAN Monitor」である。無償といっても侮れない。IPカメラの運用における“かゆいところ”まで手が届く管理アプリだ。

 ヤマハ営業推進部国内営業グループの主事・細江誠一郎氏は、「ぜひ管理アプリを使ってください。基本的なネットワークの可視化や監視ができるため、IPカメラの運用がらくになります」と語る。

 その一例が冒頭に挙げた、IPカメラの自動再起動の機能だ。

 大半の普及価格帯のIPカメラは、他のシステムから隔離されたカメラ専用のネットワークに接続されており、これらのネットワークはほとんど管理されていない。そのため、「IPカメラのフリーズ現象」が発生しても気づかずに放置されてしまう。

 しかし管理アプリを使えば、pingでIPカメラの生存を自動監視できる。もし一定時間にわたりpingの応答が返ってこなければカメラがフリーズしたと見なして、そのカメラが接続されているポートのPoE給電を停止。するとカメラは強制終了するため、しばらくしてからPoE給電を再開すれば、カメラも再起動する。

 管理アプリでは、ネットワークに関する基本的な情報を可視化することもできる。その項目はネットワークトポロジー、ネットワークに接続しているデバイスの一覧、スイッチのポート状態、帯域使用量、PoE給電状態、ネットワークのエラーログなどだ。

 「カメラの映像が保存できていない」という異変が発生した時には、管理アプリの画面を確認することで問題が発生している場所を特定できる。さらに、「新しいPoEデバイスをスイッチに接続したいけどPoEのキャパシティとネットワーク帯域が不安だ」。そんなときは、PoE給電状態とネットワークの帯域使用量を事前にチェックすれば安心だ。

図表2 管理アプリ「Yamaha LAN Monitor」の画面イメージ

図表2 管理アプリ「Yamaha LAN Monitor」の画面イメージ
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定番ヤマハルーターからも同様の管理が可能


 なお、この管理アプリはカメラ専用のネットワークの管理に適しているが、実は中小企業向けに高いシェアを持つヤマハのルーター製品に搭載されているネットワーク管理機能(LANマップ)をベースに開発されている。もしIPカメラをインターネットや大規模なネットワークに接続させる場合は、ヤマハのルーターとの組み合わせがおすすめだ。

ヤマハのネットワーク機器 新製品ラインナップ

コスパに優れたSFP対応スイッチ

SWX2100-24G

製品カテゴリー:L2スイッチ
製品名:SWX2100-24G
発売日:2017年3月1日
希望小売価格:5万5000円(税抜)

24ポートのうち4ポートがSFPに対応。光ファイバーの耐障害性を向上させるべく、スタティックなリンクアグリゲーションにより冗長構成を組めるほか、障害検知の機能も備わっている。Yamaha LAN Monitorも利用できる。

文教市場にも最適な高セキュリティ機能搭載

WLX402

製品カテゴリー:無線LANアクセスポイント
製品名:WLX402
発売日:2016年11月
希望小売価格:9万9800円(税抜)

IEEE 802.11ac Wave 2に対応し、同規格に対応したデバイスと5GHz帯で高速なデータ通信が可能。簡易型RADIUSサーバーを搭載して証明書発行を含む認証局もあり、教育現場のニーズにマッチした高度なセキュリティ機能を提供する。

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