ヤマハ ビデオサウンドコラボレーションシステム「CS-700」/マイクスピーカー「YVC-1000MS」 カメラ一体で遠隔でも「そこにいる感」 “ラストワンマイル”で音質を向上

国をあげて企業の働き方改革を推進するなか、遠隔会議の重要性が高まっている。Web会議などの遠隔会議システムは周辺の雑音を除き、人の声を明瞭に伝えることが必要だ。ヤマハのビデオサウンドコラボレーションシステム「CS-700」とマイクスピーカー「YVC-1000MS」は、独自の音声処理技術で相手が同じ室内にいるような臨場感あふれる会議を実現する。
坂田真規氏

ヤマハ
楽器・音響事業本部
音響事業統括部
SN事業推進部
国内営業グループ主任
坂田真規氏

 企業のITインフラはクラウド化の影響を受け、この10年ほどの間に資産の「所有」からサービスの「利用」へと急速に移行が進んでいる。好例が会議システムだ。

 ひと昔前の遠隔会議を思い出してほしい。当時は専用の会議室で専用線を使って遠隔地とつなぎ、本格的な装置と専用端末で行われるテレビ会議システムが主流であり、役員などごく一部の人たちが利用を許されている“高嶺の花”的存在だった。

 それがインターネットで接続し、サーバーをサービス会社から借りるクラウド型Web会議システムやスマートフォン/タブレットの普及により、大がかりな装置は必要なくなり、一般の従業員でも場所を問わず手軽に遠隔会議に参加できるようになった。しかも最近はテレビ会議システムの価格が安価になる一方、Web会議システムの音質や画質が格段に向上するなど双方の垣根は曖昧になりつつある。

 とはいえ、複数人が参加するWeb会議の場合、PC等に内蔵されているマイクスピーカー機能では臨場感のある音声コミュニケーションには限界があり、周辺機器(ハードウェア)による補完が不可欠だ。こうしたニーズをいち早く見通し、音声処理技術やデジタル技術、さらにルーターなどネットワーク機器で培った通信技術をベースに、2006年にマイクスピーカー市場に参入したヤマハは高い評価を獲得してきた。

 そのヤマハが今年10月、「ハドルルーム」(4〜5人程度の小規模な会議室)向けの新製品「CS-700」を発売する。同社のスピーカーフォンとしては初のマイク・スピーカー・カメラ一体型だ。

 HDカメラは120°の広視野角で、パン/チルト/ズームなどの機能を使わなくても最大3m離れた位置にいる参加者の細かな表情まではっきり捉えることができる。外部インターフェースはディスプレイ端子(HDMI)やBluetooth(音声のみ)、NFCのほか、最大5Gbpsの高速転送を実現するUSB3.0に対応しており、接続時にはHD1080p、30fpsの高画質映像を送ることが可能だ。

 スピーカーフォンは通常、卓上に設置するが、カメラと離れた場所にあると、話者はどちらに目線を合わせればいいか迷ってしまう。その点、CS-700は付属の取付金具で壁面に設置したり、ディスプレイモニタースタンドに取り付けられるので、意識しなくてもカメラの向こうにいる相手に目線を合わせることができる。

 「本格的なスピーカーフォンにカメラが組み込まれていることで、より自然な遠隔会議の環境を実現します」と楽器・音響事業本部 音響事業統括部 SN事業推進部 国内営業グループ主任の坂田真規氏は話す。

 ハドルルームのように小規模な空間では卓上にできるだけ余分なモノは置きたくない。CS-700なら限られたスペースを有効活用することも可能だ。

「CS-700」

「CS-700」はスピーカーフォンとHDカメラの一体型で、壁面に設置したりディスプレイモニタースタンドに取り付けることで、自然な遠隔コミュニケーションを実現する

独自の音声処理技術を搭載 購入前に実際の利用環境で体験も


 会議システムの“要”となる音質については、ヤマハならではの技術が徹底的に活かされている。

 エコーを除去しストレスのない双方向会話を可能にする「適応型エコーキャンセラー」、プロジェクターやエアコンなど定常的に発生するノイズを消して声だけを伝える「ノイズリダクション」、発話者を自動で追尾する「マイク自動追尾」、音声を最適な大きさに調整する「オートゲインコントロール」に加えて、マイクで収音した音の中から人の声を高い精度で判定する「Human Voice Activity Detection(HVAD)」技術を搭載。これらヤマハ独自の音響処理技術により、自然で円滑な音声コミュニケーションを実現する。

 発売後には検証機の無料貸し出しを行っているので、購入前に実際の利用環境で体験することもできる。また、ヤマハのホームページには、相互検証もしくは動作確認が取れているWeb会議やビデオ会議製品を一覧表示している。

 「各社の音声アルゴリズムや音声処理ソフトに対応しているので、ユーザーの“ラストワンマイル”で確実に音質を向上することができます」と坂田氏はアピールする。

 価格は基本モデルのCS-700AVが15万円(税抜)。画面共有機能のDislplayLinkをサポートし、USBケーブル1本で2つのディスプレイに接続して異なるコンテンツを表示できる上位モデルのCS-700DLが17万円(税抜)となっている(CS-700DLは12月発売予定)。

 スピーカーフォンとWebカメラを別々に購入する場合と比べて価格を抑えられるため、予算の関係でまだ会議システムを導入していない中小企業やSOHOにもお薦めだ。

中〜大会議向けで初のMS認定モデル 快適なSfBミーティングを実現


 ヤマハが10月に発売するもう1つの新製品が、ユニファイドコミュニケーションマイクスピーカーシステム「YVC-1000MS」だ。

 2014年5月から提供しているYVC-1000を、法人向けコミュニケーションプラットフォーム「Microsoft Skype for Business(以下、SfB)」向けに最適化した。音質チューニングやマイクミュート連動などの仕様変更を行っており、高音質なSfBミーティングを簡単に実現できる。

 生産性向上を目的として「Microsoft Office 365」を導入する企業は増えており、その一機能であるSfBをWeb会議システムとして利用するニーズが高まっている。

 YVC-1000MSは本体に「コールボタン」が搭載され、PCのマウスなどを操作せずにワンプッシュでSfBの着信や通話終了が行える。

 もちろん、高いユーザビリティや映像との一体感、高音質といったYVC-1000の特長はそのまま引き継いでいるので、自然で快適なオンラインミーティングが行える。

 拡張性にも優れ、オプションの拡張マイク「YVC-MIC1000EX」を最大4台(合計5台)まで増設可能。会議室のレイアウトによっては最大40名程度の大規模会議にも対応する。PAスピーカーやハンドマイクと接続すれば、100人程度が集まる大規模会議や、広い会場を使った遠隔セミナーなどにも活用することができる。

「YVC-1000MS」

「Microsoft Skype for Business」に最適化した「YVC-1000MS」は、本体に「コールボタン」を搭載し、ワンプッシュでSfBの着信や通話終了を行える

 YVC-1000MSは、中〜大規模会議向けのマイクスピーカーシステムとしては初のSfB向けマイクロソフト認定製品となる。

 「マイクロソフトは、クラウドの提供を通じて企業の働き方改革を推進している。我々もSfBの音声デバイスのパートナーとして、その実現に貢献したい」と坂田氏は意欲を見せる。

 エンドユーザーだけでなく、SfBのパートナー企業にもアピールしていきたい考えだ。

 YVC-1000MSの価格は12万円(税抜)。汎用モデルのYVC-1000も並行して販売を継続するので、用途に応じて選択することができる。

 会議システムは、交通費や出張費などのコスト削減だけでなく、働き方改革の実現にも欠かせないツールだ。国をあげて働き方を見直す機運が高まるなか、その使い勝手を高めるマイクスピーカーの存在感が高まることは確実だろう。

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