レコモット moconavi ビジネスチャットもFMCもセキュアに連携 EMMはUCを統合し、働き方改革を後押し

モバイルの安全な業務利用を実現するEMM(エンタープライズモビリティ管理)が“次の進化”を始めている。電話やチャット、つまりユニファイドコミュニケーションとの連携だ。レコモットが提供する「moconavi(モコナビ)」は、個人情報が漏洩するリスクを排除しながらオフィス内と同じようなコミュニケーションが行えるモバイルUCを実現している。
東郷剛氏

レコモット
代表取締役CEO
東郷剛氏

 メールに電話、チャットやビデオ通話と、ビジネスで使われるコミュニケーションツールが多様化している。社員のコラボレーションを活性化するには、そうした新しいコミュニケーションのスタイルをいかに取り込めるかが鍵となる。

 そのための武器になるのがユニファイドコミュニケーション(UC)とモバイルだが、残念なことに、この2つの連携は簡単にはいかない。理由は、モバイルで業務アプリを安全に利用するためのMAM(モバイルアプリケーション管理)やEMMと、PBXベンダー主導で発展してきたUCはそれぞれ異なる進化の道を辿ってきたからだ。

 その結果、モバイルで業務を行うユーザーは、多くのアプリ/ツールを使い分けなければならない状況に陥っている。加えて、アプリ/ツールごとにデータが分散し、セキュリティリスクも管理者の手間も増大するばかりだ。

 こうした現状に解決策を提示するのが、セキュアMAMの「moconavi」を提供するレコモットだ。「モバイルアプリケーション管理の中にUCを統合することによって初めて、モバイルが本当の意味で働き方改革のツールになり得る」と代表取締役CEOの東郷剛氏は話す。

モバイルの安全利用を支える EMMに電話・チャットを統合


 moconaviは、スマートフォンやタブレット端末上で、業務アプリとそのデータをセキュアな環境で利用できるようにするソリューションだ。

 デバイス内に他の領域とは隔離された環境を作り、その中でOffice 365やG Suite等のグループウェア、DropboxやGoogleドライブ等のストレージ、Salesforce CRMや名刺管理のSansanといった業務アプリ/クラウドサービスを使うことができる。利用する業務アプリが増えても、IT管理者はmoconaviで一元的に管理できるため、運用負荷を低減できる。ユーザーである社員も1つのmoconaviアプリからすべての機能が使えるため利便性が高まる。

 しかも、データは一切端末に残らないので、万一デバイスが盗まれたり紛失した場合でも情報漏えいを防げる。

 このように、端末を管理するのではなく、業務アプリとデータを封じ込めて管理できるため、私物端末を業務に使うBYODでも強固なセキュリティが実現できる。実際、moconaviのユーザーではテレワーク導入などを契機に「BYODが盛んになっている」という。

 こうした仕組みによって大手企業を中心に支持を集めてきたmoconaviだが、もう1つ、他ベンダーのMAM/EMMと大きく異なる点がある。PBX電話やFMC、チャットといったコミュニケーションツールとの連携を着々と進めているのだ。アドレス帳の情報が漏洩する心配なく、利便性の高いモバイルUCを実現するMAMとして進化している。

PBX連携で音声通話もセキュアに 電話中心ユーザーへ“ガラホ版”も


 具体的には、企業内のPBX(シスコシステムズのCUCM、NECのUNIVERGE SV9500/Aspire UX)、楽天コミュニケーションズの携帯通話サービス「モバイルチョイス050」(モバチョ050)と連携した電話の発着信が可能だ。デバイス内の標準アドレス帳に番号情報を登録しなくても、社内およびクラウド上で管理するアドレス帳データを使って電話がかけられる。画像2のように、moconaviのアドレス帳や通話履歴から、シスコ/NECのVoIPクライアントを使った発信やモバチョ050発信、PBXを経由したコールバック方式での発信が可能だ。

画像1:moconaviのホーム画面

moconaviのホーム画面。ここから、多種多様な業務アプリ/サービスをセキュアに利用できる

画像2:電話発信方法の選択画面

電話発信方法の選択画面。アドレス帳や通話履歴から、連絡したい相手と発信方法を選ぶことができる

 着信時には発信者情報も表示できる。誰からの電話かを確認できることは、ビジネスシーンにおいて必須の機能と言えるが、通常は、デバイス内に電話帳データが登録されていないと発信者情報は表示できない。かといって、端末内に個人情報を保存すれば漏えいのリスクが避けられない。しかしmoconaviなら、電話の着信時に、発信元の電話番号をSansanの名刺情報やクラウド上のアドレス帳で検索して発信者情報を端末に通知してくれる(画像3)。

画像3:着信PUSH/発信者情報表示/発着信履歴管理

 さらに、moconaviを使って通話した相手先情報は標準アドレス帳・通話履歴には一切表示されず、moconaviアプリでのみ発着信履歴を一元的に管理できる。これにより、オフィス内で使っている“いつもの電話”と顧客情報を、モバイルでも安全にフル活用できるようになるのだ。

 こうした機能に加えて4月には、音声通話の利用頻度が高い企業に人気のガラケー型スマホ「ガラホ」に対応したmoconaviの提供も開始した(画像4)。スマホ版と同様の業務アプリ/サービス連携ももちろん可能だ。すでに、従業員数千人の大手企業でガラホ対応版の採用が決まっているという。

画像4:4月にガラホ対応版の提供を開始した

4月にガラホ対応版の提供を開始した。使える機能はスマホ版と同様で、メール/スケジューラはじめ様々な業務アプリ/クラウドサービスを利用できる

高機能なビジネスチャットも提供 既存ツールを活かしてUCを実現


 電話連携だけでなく昨年秋には、スタンプや写真・動画送信、VoIP/ビデオ通話等が可能なチャット機能(画像5)の提供も始めている。こちらも、クラウド上のアドレス帳を使ってセキュアなコミュニケーションが行える。このチャット機能は「Skype for Business」(SfB)のクライアントとしても利用が可能で「将来的にはSfBの電話とも連携できるようにする」計画だ。

画像5:チャット画面

チャット画面。グループチャットやビデオ通話など豊富な機能を備える

 このようにmoconaviは、セキュアなモバイルUCを実現するソリューションとして、これまでのEMMの概念には収まらない独自の進化を続けている。しかも、見逃してならないのは、既存のPBXやアドレス帳データベースを変更することなく連携させながら、新しいツールであるチャットも統合したモバイルUCを実現できるという点だ。

 「何も置き換える必要なく、既存のツールもアドレス帳もモバイルでそのまま使えるようにセキュアに統合する」のがmoconaviの役割だと東郷氏は話す。業務アプリ/サービス、コミュニケーションツールともに連携範囲は今後もどんどん広げていく考え。日本企業のモバイル活用と働き方改革を後押しするソリューションとしてますます注目が集まりそうだ。

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