日立ハイテクソリューションズ Acano、EZ会議 for Acano テレビ会議とOffice 365を円滑に連携 専用の多地点サーバで手軽に運用

テレビ会議システムや「Microsoft Office 365」などを相互接続し、ワークスタイル変革を実現させるプラットフォームでありゲートウェイサーバでもある「Acano」。販売代理店である日立ハイテクソリューションズの岩﨑健児氏と提供元であるシスコシステムズの澁谷洋猛氏に、Acanoの可能性について話し合ってもらった。
日立ハイテクソリューションズ ソリューション事業統括本部 スマートコミュニケーション営業部 部長の岩﨑健児氏(左)とシスコシステムズ コラボレーションアーキテクチャ事業 アカノ営業部 ビデオセールススペシャリストの澁谷洋猛氏

日立ハイテクソリューションズ ソリューション事業統括本部 スマートコミュニケーション営業部 部長の岩﨑健児氏(左)とシスコシステムズ コラボレーションアーキテクチャ事業 アカノ営業部 ビデオセールススペシャリストの澁谷洋猛氏

──企業がビジネスコミュニケーションを行う際の課題について教えてください。

岩﨑:企業では今、「Microsoft Office 365」が当たり前のように利用され始めています。そこで出てくる要望が、Office 365と既存のテレビ会議を連携させたいということです。また、企業のビジネスがグローバル化していく中で、それまでエリアごとにテレビ会議システムを構築してきたものを、Office 365と統合させたいというニーズも増えてきています。そして、それらの要望に応えられるのが「Acano」なのです。

──Acanoの概要について教えてください。

岩﨑:Acanoは、従来のテレビ会議システムとOffice 365や「Microsoft Skype for Business」、PC、スマートデバイスなどをシームレスに相互につなぎ、ワークスタイル変革に貢献する次世代コミュニケーションプラットフォームです(図表1)。2016年1月にシスコシステムズがAcano社を買収したことによって、シスコソリューションの1ラインナップとして加わりました。

図表1 Acano ソリューションのイメージ

図表1 Acano ソリューションのイメージ

澁谷:シスコシステムズはこれまで、企業買収によって自社のソリューションのバリエーションを増やし、“オールシスコブランド”で提供してきましたが、Acanoの場合は少し違います。お客様の要望によってはシスコブランドにこだわることなく、他社のツールと連携させることも可能にしているのです。これまでの当社のビジネスモデルとは異なるため、社内での期待値が高いソリューションです。また、シスコのユニファイドコミュニケーション(UC)のソリューションには現在、多くのツールが存在し、機能的に重複している部分や不足している部分があります。将来的にはその重複を整理し、不足を補って統合させていく必要があると考えており、Acano社の買収はそれを視野においたものだといえます。

岩﨑:例えば、Office 365やSkype for Businessを利用しているお客様が、テレビ会議システムと連携したいという場合、Acanoを導入することで簡単に実現できますよね。また、同業他社に先駆けてWebRTCに対応し、ブラウザベースで会議に参加できる機能を備えているため、例えば社外の人に会議の招待状をメールで送ることで、その人はPCで参加できるようになります。「Dual Home」といって、Office 365を利用している人をドラッグ&ドロップすることで簡単にテレビ会議に招待できる機能も備えています。利用者が意識することなく相互接続を行い、かつ不要なポート消費を抑えることができるのです。

プレゼンスが一目瞭然 720pで最大250拠点まで


──Acanoには、そのほかにどのような特徴があるのでしょうか。

岩﨑:第一に、プレゼンス機能を備えていることが挙げられます(図表2)。Office 365を利用しているグループの人たちは、お互いのプレゼンスがわかります。Acanoを利用すれば、それに加えてテレビ会議システムを利用している人たちのプレゼンスもわかるようになるのです。この機能は多くのお客様に高く評価されています。

図表2 Skype for Business/Office 365連携

図表2 Skype for Business/Office 365連携

澁谷:Acanoはパワフルなアプライアンスサーバを提供していますが、VMWare上に構築することもできます。ソフトウェアで機能拡張するのも特徴の1つですよね。スマートフォンにアプリをインストールして機能を追加していくのと同じイメージです。

岩﨑:先ほど話したWebRTCやH.264 SVC、H.265などの新しいプロトコルに対応しているのも特徴といえますね。また、従来のテレビ会議用MCUの同時接続数は多くても40拠点ぐらいですが、Acanoは大規模サービスプロバイダーも利用する前提で設計されたシステムなので、720pの解像度で最大250拠点まで接続することができます。また、複数のサーバを分散配置した場合、複数サーバ間でライセンスを共有・集約できます。そのため、冗長構成の場合でも無駄なくシステムを構成できるのです。

──新たにリリースした「EZ会議 for Acano」はどんなソリューションなのでしょうか。

岩﨑:日立ハイテクソリューションズが従来から提供している多地点テレビ会議簡易運用ソフトウェア「EZ会議」をAcanoに対応させたもので、管理者用のソフトウェアではなく、会議の利用者が自ら会議を予約できるツールです。会議開催日時を指定し、拠点を選ぶだけで会議の予約ができます。選択した拠点にすでに会議の予約が入っている場合、アラートで知らせる機能を備えているため、予約が重複することも防げます。

──日立ハイテクソリューションズでは、Office 365ユーザー向けにタッチパネルを含めたシステムも構築していると聞きました。

岩﨑:はい。Office 365は個人がPCやスマートデバイスを使って利用することが多いのですが、Acanoを導入することでOffice 365を会議室で利用するケースが増えてきています。「会議室でもタッチパネルで書き込みができるツールがほしい」という要望を受け、それに応えるシステムを構築しています。

豊富な導入実績とノウハウ Acanoの進化は新次元に


──Acanoの販売代理店としての日立ハイテクソリューションズの強みはどこにあるのでしょうか。

岩﨑:日立ハイテクソリューションズは、Acano社がシスコに買収される1年以上前からAcanoを販売してきました。EZ会議 for Acanoの開発も以前から進めてきており、導入実績やシステム構築ノウハウを積み上げてきています。こうしたことが当社の強みとなっています。

澁谷:おかげさまで数多くのお客様にシスコの製品をご利用していただいておりますが、まだタッチできていない会社も数多く存在します。そういった企業にアプローチするために日立ハイテクソリューションズの力を貸していただきたいと思っています。また、既存のお客様も当然、MCUなどをリプレースすることがあります。その際、Acanoの導入実績が豊富な日立ハイテクソリューションズと力を合わせ、Acanoをどんどん広めていきたいですね。

岩﨑:シスコには大きな開発リソースがあります。既存のシスコ製品のプラットフォーム統合も含め、Acanoの進化は今後、新しい次元に入っていくでしょう。

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お問い合わせ先

株式会社 日立ハイテクソリューションズ

スマートコミュニケーション営業部
担当:原田、小久保
TEL:050-3154-7680
E-mail:yoshihiro.harada.vh@hitachi-hightech.com
URL:http://www.hitachi-hightech.com/hsl/products/ict/hightech-vision/acano.html/