リンク クラウドPBXサービス「BIZTEL」 23店舗を展開するHUGEがPBXをクラウド化 レストランのコスト削減と顧客接点強化を実現

レストランを利用する場合、その問い合わせではいまだに電話が使われることが多い。予約からその後の確認、キャンセル連絡もほとんど電話に頼っている。その電話の効率と機能を向上させ、顧客との関係を向上させたいと考えたHUGEが、クラウドPBXサービスであるリンクの「BIZTEL」を導入した。

 全国に23店舗のレストランを展開するHUGE。同社が運営するレストランでは各テーブルに担当ウェイターがつき、ファーストオーダーから会計までを一貫して対応するカジュアルダイニングを、低価格で提供している。また同じブランドパッケージでの多店舗展開ではなく、出店地域とターゲットユーザーに合わせたブランディングを行なっていることも大きな特長だ。

 そんなHUGEで情報システムマネージャーを務める松尾淳司氏は「飲食業にとってお客様からの電話はとても重要。予約の電話はもちろんだが、特に予約の変更やキャンセル連絡を受け取れなかった場合、店舗は準備した空席と食材を無駄にすることになります」と語る。連絡なしにキャンセルされたのか、連絡したけれど店が多忙で受け取れなかったキャンセルなのかも判断できないため、店に好意的な顧客を見極めることもできない。

 そうした飲食業界の常識に加えHUGEでは、事前に登録許可をいただいたお客様の電話番号がCTIに表示される仕組みを使った顧客対応の向上にも努めている。着信番号を元に顧客情報がPC画面上に表示され、名前や現在の予約状況などを見ながら電話対応する。従来はCTIと予約システムとの連携に失敗することも多かったとのこと。その頃の仕組みでは各店舗にPBXとCTIがあり、予約システムはデータセンターで運用、各店舗とはVPNで接続されていた。

松尾淳司氏

HUGE 情報システムマネージャー
松尾淳司氏

LAS DOS CARAS

HUGEが経営するレストランのひとつ、LAS DOS CARAS

予約システムとリアルタイムに連携 顧客の名前を呼んで対応可能に


 システム更新の目的は、大きく3つあった。ひとつは、各店舗に設置するPBXのコスト削減だ。各店舗にPBXを設置して複数の電話回線を引きビジネスホンで対応していたが、「新店舗出店のたびにPBXだけで100万円程度にのぼる」というイニシャルコストは大きな負担となっていた。もうひとつの目的は、店舗と本部の内線化。全国に展開されている店舗と本部間の連絡は多く、その通話料金は無視できない金額だった。また各店舗間も内線化されれば、ビジネス機会損失のリスクも軽減できるという。人数が多かったり満席だった場合には近隣店舗を紹介することがあるが、電話番号を伝えても本当に連絡してもらえるかどうかは顧客次第だ。それが店舗間が内線化されればそのまま電話をつなげるので、問い合わせを確実に活かせるようになる。そしてもうひとつ、店舗へのiPhoneの導入という目的もあった。PBXがクラウド化されればモバイル通信網につながるスマートフォンを店舗の電話として使える。クラウドPBXと予約システムを連携させれば、iPhoneにインストールされた「BIZTEL」CTIアプリを表示させ電話を受ける際にも顧客の名前を見て、名前を呼んで対応できるようになると期待した。

図表1 システム全体構成図

図表1 システム全体構成図

 リンクの「BIZTEL」選定の決め手となったのは、「サービスカスタマイズに前向きで、こちらの要望に柔軟に応えようという姿勢を見せてくれたこと。特にこれから飲食業をターゲットにした機能を拡充していきたいという話を聞いた」ことだったと松尾氏は言う。もちろん、当初の目的に沿う機能が揃っているのは前提条件だ。PBXはクラウド化され、各店舗に機器を導入、保守するコストとシステム障害のストレスからは開放される。BIZTELモバイルにより本部を含む全店舗がフラットな内線通話でつながるようになった。先に更新されたVESPERの予約システム「TableSolution」ともAPI経由でリアルタイムに連携する。

各店舗には固定電話とiPhone、予約システムを参照するPCが設置されている

各店舗には固定電話とiPhone、予約システムを参照するPCが設置されている

本部、各店舗で導入効果を実感 今後のパートナーシップにも期待


 BIZTEL導入の効果は、多方面にわたっている。店舗では、iPhoneを使えるようになったことでバックオフィスなど好きな場所で顧客からの電話に名前を見ながら応えられるようになった。顧客との距離感を損なうことなく、スタッフの利便性向上を実現できた。松尾氏が最も痛感しているのは、PBXがクラウド化したことによる効果の大きさだ。PBX導入、保守コストだけではなく機器盗難による情報漏えいや故障リスクもなくなり、守りの業務に時間を取られなくなったため、松尾氏を含む情報システム担当者はより”攻め”のIT戦略に時間を割けるようになった。その際に役立つのが、BIZTELの機能である店舗ごとの着信データ分析機能だ。着信数や実際に受け取れた数、逃してしまった着信の数などを各店舗横断で出力されるもの。実際のデータを見ながら電話機器の配置や自動応答システムとの役割分担を再検討するのに役立っているという。店舗から機器が減ったこと、PC内にデータを持たずクラウド上で完結するシステムになったことで、店舗スタッフも障害リスクから開放された。データ連係の失敗もなくなり「電話でお客様の名前を確実の呼べるようになった」と店舗スタッフからも喜びの声が上がっている。

図表2 多岐にわたる導入効果

図表2 多岐にわたる導入効果
BIZTELで得られる着信レポートの例

BIZTELで得られる着信レポートの例

 大きな効果を得てBIZTEL導入に成功したHUGEだが、これで十分とは思っていないようだ。「これからもリンクにはパートナーとして協力していただき、顧客とのより良い関係構築のためのシステムを構築していきたいと考えています。すでに、無理難題と思われる希望を色々と相談中」と笑う松尾氏。リンクのBIZTELは今後の成長への期待も含め、HUGEの信頼を得てビジネスの支えになっているようだ。

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お問い合わせ先
株式会社リンク
BIZTEL インフォメーションデスク
電話番号:0120-948-135
E-mail:info@biztel.jp
URL:http://biztel.jp/