アドバネット
IoT Business Unit
Head of BU
井田亮太氏
ユーロテックグループのアドバネットは、産業用の組込ボード開発で評価が高い。そのアドバネットが、「オープン」「簡単」「セキュリティ」が特長のIoTプラットフォーム「Everyware Device Cloud(EDC)」を携え、“IoTプラットフォーマー”として存在感を発揮している。
IoTでは一般的に、各産業の現場で稼働している機器やセンサーが生成するデータを収集し、それを業務アプリケーションなどに渡して可視化したり分析したりする。その一連の流れに対応して、EDCにはデータを収集する「Everyware Software Framework(ESF)」と、データを業務アプリケーションなどに渡す「Everyware Cloud(EC)」がある(図表)。
図表 Everyware Device Cloud(EDC)のシステム概要
まず、オープンと簡単という特長について見ていこう。
オープン性を重視する同社は、EDCのプロトコルや仕組みを公開している。IoT向けプロトコルとしてスタンダードになっているMQTTは、実はユーロテックとIBMが共同開発しオープン化したものだ。2016年に入り、正式にISO/IEC標準として採択された。
また、データを収集するESFの仕組みを簡略化した「Kura」をオープンソースとして公開している。Kuraを利用すれば、データ収集の仕組み自体の開発は不要になり、開発期間を短縮できる。
「Raspberry Piのように安価なデバイスでもKuraは動く。無償のKuraと手ごろなデバイスを組み合せ、コストを抑えて実証実験を行った後、そのままESFの本番環境へ移植することも可能なため、IoTのスモールスタートが実現できる」と、アドバネットIoT Business Unit Head of BUの井田亮太氏は述べる。
3つめの特長はセキュリティだ。
IoTプラットフォームを取り巻くセキュリティリスクは数多いが、脅威対策の基本は、(1)データを生成するデバイスやデータを消費するアプリ/デバイスの正当性を認証すること、(2)データの通信経路を暗号化することの2つである。
EDCは、もちろん両方の機能を実装している。特に、(1)の認証では米ベリサインと協業しており、ECが認証局として振る舞うことが可能。複雑な作り込みをしなくても相互認証アプリケーションが利用できる。また(2)SSLの暗号化通信でセキュリティを付加したHTTPSやMQTTSのほか、VPNにも対応している。
(1)(2)に加え、デバイスにセキュリティパッチを自動配布する機能やDNSの偽装対策機能などもある。
IoTをビジネスに活かすには、これまで以上に素早いスピードでシステム化することが求められる。充実のセキュリティ機能と簡単にスモールスタートできるアドバネットのEDCは、ユーザー企業のみならず、SIerやISPにとっても魅力的な武器になりそうだ。
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