日本エリクソン LTEでオープン化が加速する通信ビジネスに早期人材育成で備える

商用化が近い高速モバイルデータ通信であるLTEではオープン化が大きく進み、インターネットとの競争が激化するために、これまでと同じビジネスモデルで成功することは難しい。今後の通信ビジネスの勝ち組になるには、新たなビジネス展開への対応力を鍛えておかなくてはならない。エリクソンでは、技術者のみならず、マネージメント、営業、企画担当者向けに通信ビジネスの概要や市場、LTEを含めた技術に関する能力開発プログラムを外販し、新しいビジネス局面への備えができるようサポートしている。

 iPhoneやアンドロイドフォンに代表されるスマートフォンの登場で、移動体通信ビジネスの様相が変化してきている。通信事業者がサービスや端末を一本化して提供する垂直統合型のビジネスモデルから、端末メーカー、アプリケーション・デベロッパーなど、様々なプレイヤーが独自に参加するオープンなモデルへと変わりつつあるのだ。

 高速モバイルデータ通信であるLTEが商用化されれば、ますますオープンなビジネスモデルによる事業展開が促進されることは間違いなく、参入しやすくなったインターネットプレイヤーとの競争が激しくなることが予想できる。

 オープン化が進む理由として一番に上げられるのは、ユーザーエクスペリエンスの向上だ。ユーザーはいつでもどこでも快適に、様々なアプリケーションや端末を使って、サービスを楽しみたいという欲求を強く持っている。これを実現し、マーケットに受け入れられる適正な価格で提供するには、様々な知識や考え方をもつ企業が参加し、多様な価値観によって商品を生み出していくことになるだろう。

 インターネットプレイヤーが、今後の新しいビジネス環境下で活躍することは十分考えられる。様々な企業がしのぎを削りビジネスを競うこの環境で基本となる成功要因は、ビジネス、マーケット、LTE技術などの基本的知識を社員が習得し、関連する組織全体が知的なレベルアップをすることだ。

 世界中で移動体通信のインフラ機器から、サービス、コンサルティング事業を提供するエリクソンでは、自社の研究開発や製品開発を始め、世界中のマーケットから技術、ノウハウ、そしてマーケット情報が蓄積されており、これらを自社の人材育成に役立てるだけでなく外部の企業にも公開する汎用的な能力開発プログラムを提供している。

図 LTE/EPCがめざすもの

図 LTE/EPCがめざすもの

LTEの知財を豊富に持つエリクソン


 エリクソンは、移動体通信インフラに強みをもつ企業だが、通信事業戦略、およびオペレーションコンサルティング事業や、RCS(Rich Communication Suite)などのマルチメディア事業も展開しており、世界中の通信事業者をあらゆる面でサポートしている。

 すでにLTEに関してAT&T、Verizon,MetroPCS,Telia Soneraなどとインフラ構築に関する契約を交わし、受注を獲得しており、本社があるストックホルムでは実証実験が進行中で現在の20MHz、100Mbpsのスループットを実現するという実績もある。

 また、すべてのLTEの必須特許のうちの25%を保有し、3GPPのLTEの標準化の中心メンバーとして作業に加わり、移動体通信インフラのテクニカルリーダーとしての地位を築いている。さらに、世界中のさまざまな通信事業者に戦略策定や、ネットワーク、オペレーション効率化に関するコンサルティング事業も行っている。

 エリクソンでは、今後のビジネス環境の変化、そしてLTEへの技術シフトに対応するには、組織全体での人材育成が欠かせないと考え、多種多様なニーズに見合うさまざまな能力開発プログラムを開発し、自社組織全体で確実な人材育成を進めている。

 公開する能力開発プログラムは、エリクソンの人材育成に用いられたもので、同社の貴重な経験や知識を短時間で学ぶことができるものだ。

 具体的なプログラムの内容としては代表的なものに次のようなものがある。

●移動体通信ビジネスマーケット概要
移動体通信ビジネスのマーケットについて理解するとともに、今後のビジネス展開を読み解き、今後の戦略、企画に役立てることを目的としたプログラム。マネジメントにはもちろん、IT業界の技術者も含め幅広い層に有効。

●LTE/SAE初級コース及びEPC(SAE)システム概要コース
LTE、EPCの技術全般を理解するための導入的なプログラムとなっており、マネジメントや営業が、LTEの目的、特徴を理解するのに役立つことはもちろん、技術者が、まずLTEやEPCの全体像を理解し、担当分野の独学を始める際のスタートとして有効。

 他にも日本国内で受講できるものは複数あり、日本エリクソンのホームページ(http://www.ericsson.com/jp/)からその概要や詳細を見ることができる。

図 エリクソンが提供する代表的な能力開発プログラム

コース名 コース概要 主な学習内容 対象者
移動体通信
ビジネス
マーケット概要
移動体通信業界は大きな変化の時代を迎えています。高速データ通信、オープン化の流れ、端末の多様化、独自サービスやコンテンツの提供など、業界構造が大きく変わりつつある状況です。本コースでは、移動体通信業界動向をはじめ、ビジネス、サービス、コンテンツなどのさまざまなトピックを解説しながら、短期および中長期的に起こりうるビジネス展開を考える力を養います。 ・移動体通信業界動向
・高速データ通信のビジネスへのインパクト
・端末オープン化の流れ
・移動体通信技術を利用したソリューション(ITS、スマートメータ等)
・今後起こりうるビジネス展開の考察
移動体通信に関わる方全般/IT業界の方全般
特に、マネジメントの方、ソリューション営業の方、経営企画の方などに最適です。
LTE/SAE
初級コース
移動体通信業界では、次世代(3.9G)通信技術LTE/SAEのサービス開始が目前に迫っています。本コースでは、3GPPの仕様に基づき、LTE/SAE(E-UTRAN/EPC)システムの目標やその動機、アーキテクチャや主要ノード、OFDM/SC-FDMAやマルチアンテナなどの主要無線技術を解説し、次世代通信システムの全体像と、その基盤となる技術の概要を習得します。 ・LTEの背景、目標、コンセプトと機能
・EPSの目的、機能、インターフェース
・無線インターフェースの構造、チャネル構造
・MIMO
移動体通信に関わる方全般、IT業界の方全般
特にマネジメントの方、ソリューション営業の方、企画の方、技術社の方などに最適です。
LTE中級コース
エアインター
フェース
次世代通信システムの無線規格であるLTEでは、多元接続技術にOFDM/SC-FDMAを採用し、MIMOをはじめとする様々なマルチアンテナ技術を導入するなど、無線インターフェースにおいて現行システムとの相違点が数多くあります。本コースでは、3GPPの仕様に基づき、LTEに携わる無線技術者にとって必須の知識となるこれらの無線インターフェース技術について解説します。 ・LTEの背景、目標、コンセプトと機能
・無線インターフェース詳細
・MIMO
・スケジューリング
移動体通信に関わる方全般、IT業界の方全般
特に技術者の方に最適です。
EPC(SAE)
システム概要
次世代通信規格のコアネットワークであるEPC(SAE)は、LTEを収容するだけでなく、マルチアクセスやAll-IPモバイルネットワークを実現するものとして注目されています。本コースでは、3GPPの仕様に基づき、EPCのアーキテクチャ、主要ノードの役割、プロトコル、インターフェース、モビリティなど、EPCの概要を解説します。 ・EPC概要
・EPCアーキテクチャ
・EPCのプロトコルおよびインターフェース
・モビリティ管理
・トランスポートドメイン
移動体通信に関わる方全般、IT業界の方全般
特に、マネジメントの方、ソリューション営業の方、企画の方、技術者の方などに最適です。

移動体通信の新ビジネスチャンス


 では、このような移動体通信に関する知識を獲得しビジネスの拡大を目指したとしても、具体的にどのようなビジネスチャンスがあるのだろうか。

 LTEの高速データ通信でオープン化が進めば、さまざまなイノベーションが起こる。アプリケーションやサービスを販売することで収入を得るビジネスモデルが増え、ソフトウェア開発を行う企業との連携や、サービスを提供するためのデータセンターなどの投資ビジネスも注目されるであろう。

 また、アプリケーションを開発する企業が必ず経験することだが、データベースやOSがネットワークとの整合性が合わずにおきるトラブルは多い。それを解決するには、通信の細かい仕様や動作を理解しないと問題は解決できない。LTEの知識をもつエキスパートを育てれば、問題解決というニーズに応えるビジネスも考えられる。

 現在、スマートフォンによるデータトラフィックの急増が通信事業者の不安材料となっているが、今後、同じ品質の通信レベルを維持するために、トラフィック増に合わせて追加的に設備投資を行っていくことは現実的ではない。設備投資計画をCAPEXやOPEXの両面から捕らえTCOを削減する方法やノウハウは今後ますます重要になり、テクノロジや料金体系、課金システムをトータルに考え強化することが、差別化につながる。

 そして、ネットワークのインテリジェンスな運用や設備投資の柔軟性を担保するシステムの提案などにもニーズがあるだろう。LTEの仕様に合わせ製品開発をする事は当然として、アプリケーションやセキュリティ、認証や課金などの分野にも目を向けて、従来よりも広い視野でビジネスを捉え、移動体通信インフラの付加価値を追求することが必要になるかもしれない。

 オープン化が進むLTE以降の移動体通信ビジネスで成功を収めるには、業界、あるいは自社組織の様々なインテリジェンス、コンピテンスを集約することが成功要因となる。

確実な人材育成を行う


 経営にスピードが要求される今、価値を考えてスピードや品質重視で知識の習得を行うことも必要だ。経験とノウハウに裏付けられた能力開発プログラムを有効活用して、確実な人材育成を進めることで、ドラスティックに変わりつつあるビジネス、技術に対応することが求められる。

 日本エリクソンでは、移動体通信ビジネス、マーケット、LTEなどの技術に関する能力開発プログラムを、さまざまな企業に提供することで、既存の通信事業を行う企業や新規参入を狙う企業の新たなビジネスの拡大発展を支援したいと考えている。

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お問い合わせ先
日本エリクソン株式会社
URL:http://www.ericsson.com/jp/
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