コントロン ジャパン SYMKLOUD(シムクラウド) コンパクトながら高可用性のニーズに応える クラウド基盤や通信・映像配信業界にも最適

組み込み業界で世界第2位の売り上げ規模と技術力を誇る独コントロンは、2014年に日本法人コントロン ジャパンを設立した。同社の技術が詰め込まれているコンパクトなスイッチ内蔵のサーバー「SYMKLOUD」は、クラウドサービスを手掛けるSIer、通信事業者、映像配信事業者を強力に支援するスペックを提供する。
橋本武氏

コントロン ジャパン
ビジネス デベロップメント
マネージャー
橋本武氏

 独コントロンは1999年の設立以来、組み込み業界で技術力と伝統のある企業を次々と傘下に収めながら成長してきた。技術的にも歴史的にも信頼のある企業として欧米を中心にシェアを拡大し、現在では世界第2位の売上規模を誇る。

 組み込み業界では様々な標準規格があり、それらの規格を策定する際の中心的な役割も同社は担っている。450以上の企業によるコンソーシアムであるPICMG(PCI Industrial Computer Manufacturers Group)で策定した次世代COM(Computer On Module)の標準規格であるCOM Expressは、コントロンが作ったボードをベースに規格化されたものだ。

 同社の製品展開は幅広く、小さいものでは名刺サイズのコンピューターモジュールから、それらを組み込んだボックスコンピューターや特定のユーザー向けにカスタマイズしたサーバーまでを取り扱っている。数ある製品のなかでも、今回はスイッチを内蔵したサーバー「SYMKLOUD(シムクラウド)」に注目したい。

 「高さは2Uで19インチラックのサイズのハードウェア内に多くの機能をギュッと凝縮しているSYMKLOUDは、様々な用途や分野で使うことができる製品」と、コントロン ジャパンのビジネスデベロップメントマネージャーである橋本武氏は語る。

 1つの筐体の中にサーバー、スイッチ、電源、それぞれをつなぐケーブル配線の代わりとなるバックプレーンを全て搭載している。スイッチを内蔵したサーバーとして、様々な業種や用途での利用シーンが考えられる。

キャリアグレードの高可用性 M2M/IoTのインフラHWに最適


 その利用シーンの1つが、M2M/IoTのインフラ基盤だ。M2M/IoTでは、センサーなどIoTのエッジデバイスからゲートウェイにデータを集約し、そこからネットワーク経由でアプリケーションサービスを提供するクラウドやオンプレミスのサーバーにデータを送る(図表1)。SYMKLOUDは、このクラウドやオンプレミスのインフラ基盤のハードウェアに適している。

図表1 M2M/IoTシステムのイメージ図

図表1 M2M/IoTシステムのイメージ図

 確実な通信環境が求められるM2M/IoTシステムでは、ハードウェアの性能や信頼性をおろそかにすることはできない。その点、SYMKLOUDは通信事業者向けコンピュータのハードウェア規格であるAdvanced TCA(Advanced Telecom Computing Architecture)の技術を踏襲しているため安心だ。

 高可用性を追求し、電源、ファン、スイッチのボードや配線などは全て冗長化している。フロントにあるファンは1筐体につき5つ内蔵しているため、どれか1つが故障してしまっても他のファンが強く動くことでオペレーションを続けることができる(写真左)。

 リアにはプロセッサーカード用のスロットが9つ装備されており(写真右)、2個のプロセッサを搭載したカードをそれぞれのスロットに実装することで、最大18個のプロセッサを搭載できる。電源を入れたままカードを抜き挿しできるホットスワップ機能も備えているため、いずれかのプロセッサが壊れてしまっても、サービスを止めずに保守・交換することが可能だ。

SYMKLOUDのフロント(左)とリア(右)

SYMKLOUDのフロント(左)とリア(右)

 さらにネットワーク配線は、制御用に1GbE、データ通信用に10GbEと分けられているとともに(図表2)、それぞれ冗長化されており、信頼性のある通信を確保できる。

図表2 SYMKLOUDの内部ネットワーク接続

図表2 SYMKLOUDの内部ネットワーク接続

スケールアウトのアプローチでスペックとコスト効率を最大化


 高可用性のほかにも省スペースであることや、スケールアウトのアプローチに基づく省エネやコスト効率の良さもSYMKLOUDのメリットとして挙げられる。

 9セットのプロセッサーカードとスイッチ機能を1筐体に装備できるSYMKLOUDと同様のスペックを一般的なハードウェアで構成する場合、スイッチと9台のサーバー、そしてそれぞれのサーバーから1GbEと10GbEの2系統の物理結線がスイッチを経由して多数行き交うため、物理的に設置するだけでもそれなりの労力が必要になる。しかし、SYMKLOUDでは1筐体にすっきりと納まり、手間がかからないとともに省スペースだ。

 また、同製品はスケールアウトのアプローチをとる。高性能なCPUやメモリーを搭載して最高性能を追求するスケールアップのアプローチを採用すると発熱量は多く、消費電力も大きく、コストも高くなってしまう。ところがスケールアウトでは性能や消費電力などのバランスを考慮して最適な部品を複数使用する。そのため発熱は抑えられ、消費電力も小さくすることができ、コストは一般的な構成と比較すると5分の1から10分の1になるという。

 さらに、拡張したい場合は40GbEを利用し、アップリンクでSYMKLOUDを複数台つなげられる。ネットワークがボトルネックにならない限り何台でも増やすことが可能で、拡張性・柔軟性のあるシステムを組むことができる。

通信事業者向けサーバーやビデオトランスコーディングにも


 AdvancedTCAの技術に準じ、信頼性を担保しながらコストメリットを有するSYMKLOUDは、M2M/IoTのインフラ基盤だけではなく通信事業者が利用するハードウェア要件にも合致する。加えて、ケーブルテレビ事業者などの映像配信用のインフラ基盤としても有効だ。

 その理由は搭載するプロセッサにある。SYMKLOUDに搭載するプロセッサーカードは3種類から選択することができ、その1つがインテル® Iris™ Pro Graphics 5200を装備した、インテル® Core™ i7-4860EQプロセッサを2個実装したものだ。このグラフィックエンジンを利用することで、トランスコーティング、画像の圧縮や伸長、解像度の変換などを高速で処理することが可能になる。

 最近はケーブルテレビの視聴端末も多様化しており、テレビ画面やタブレット端末など大小さまざまな機器が用いられている。そこで配信用のインフラに、インテル®Iris™ Pro Graphics 5200を搭載したSYMKLOUDを利用することで、リアルタイムに配信映像のデータをトランスコーディングして配信することができる。

 他のプロセッサの1つは、インテル®Xeon® Processor E3-1275 v2。メモリーは2GBまで積むことができ、高速処理が必要なシステムに適している。もう1つは、インテル® Core™ i7-4700EQを2個実装したプロセッサで、グラフィックエンジンが不要で、大量の並列処理が必要なアプリケーション用のものだ。

 幅広い業種や用途で利用できるSYMKLOUD。クラウドサービスでM2M/IoTプラットフォームを提供しているメーカーやSIer、オンプレミスでM2M/IoTインフラを構築している企業、高可用性が求められるインフラ基盤を運用する通信事業者、映像を配信する事業者など、様々な業種での利用シーンが広がる。

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TEL:03-6433-5432
E-Mail:takeshi.hashimoto@kontron.com
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