加賀電子 統合コミュニケーション基盤 国内どこでも内線発着信可能に 通信コストを前年度比で約15%削減

エレクトロニクスの独立系総合商社の加賀電子は新社屋への移転を機に、新たなコミュニケーション基盤を構築した。社内だけでなく社外でも内線番号で発着信が可能になったほか、Web電話帳で相手のプレゼンスが確認できるようになり社内の業務効率化やコミュニケーションの円滑化を実現することができた。
(左から)加賀電子総務部の仲森友則氏、加賀ソルネット営業二部の酒井雅志氏、草間崇氏

(左から)加賀電子総務部の仲森友則氏、加賀ソルネット営業二部の酒井雅志氏、草間崇氏

 加賀電子(本社:東京都千代田区)は、電子部品や半導体の販売からEDMS(受託開発・製造)、PCおよび周辺機器の販売などエレクトロニクス分野の“川上から川下まで”幅広く手掛ける独立系総合商社。創業以来、「すべてはお客様のために」を経営理念に国内事業のみならずグローバル事業にも積極的に取り組み、グループ会社も含めて世界16カ国に50社を展開している。

 同社は2014年3月、本社ビルの新築・移転を機に、社内のコミュニケーション基盤を刷新した。

 目まぐるしく変化するエレクトロニクス業界にあって、いち早く顧客ニーズに応えるためには何よりも迅速な対応が不可欠だ。同社の営業部は08年に無線LANデュアル携帯電話を営業担当者に配布し、社外では携帯電話として、社内では内線電話に活用してきた。外線からかかってきた電話を会社から内線転送するといった仕組みは当時としては非常に斬新だったが、スマートフォン全盛期を迎える中でやや時代遅れの感が否めなかった。

 しかも、社外では内線機能がないため、外出先で社外の営業社員に着信があると所属部署の代表番号が表示されていた。そこで、商談中や移動中に会社からの電話が入ると、「誰か連絡した?」とかけ直し、それを受けたアシスタントが「○○さんに連絡した人はいますか?」と社内で呼びかけるといったやり取りが頻繁に発生していたため、不満の声が聞かれたという。

 また、営業担当者の間からは「訪問先の地図をモバイルで手軽に検索したい」といった要望も寄せられていた。

 折しも、新本社への移転を機に本社機能が新本社ビルと中央区八丁堀のビルの2カ所に分散することになり、円滑な情報伝達の重要性が従来よりも格段に増すことになった。加えてサーバーの更改時期を迎えていたことから、「これを機に新しい仕組みを取り入れた方がいいということになり、社内コミュニケーションシステムの全面見直しに着手しました」と総務部総務課課長の仲森友則氏は振り返る。

秋葉原駅近くにある新本社ビルの外観

秋葉原駅近くにある新本社ビルの外観

工場を含む国内14拠点に導入 パッケージ化で追加投資を回避


 12年下期から新たなシステムの構築に向けて本格的に動き出したが、中心的な役割を果たしたのが加賀電子の総務部と、グループ内で情報通信分野を担当する加賀ソルネットだ。

 加賀ソルネットでは複数のベンダーからの提案を検討した結果、13年5月に富士通の提案する「統合コミュニケーション基盤」を採用することを決定した。従来の音声中心の電話システムから、モバイル端末やプレゼンス機能も使えるユニファイドコミュニケーション(UC)システムに向けて移行することになり、富士通がそのシステム構築を担当し、本社を含む国内14拠点(一部工場を除く)に導入することになった(図表)。

図表 次期電話基盤の概要

図表 次期電話基盤の概要

 最終的に富士通の提案を選択した理由を、加賀ソルネット営業二部営業一課課長代理の酒井雅志氏は「従来のシステムに対する不満や課題をすべて解決できるような内容だった」と説明する。何より、富士通および採用したシスコシステムズのUnified Communications製品の導入実績が豊富で、安心して任せられる点が決め手になったという。

 新システムによる改善点は、大きく3点ある。

 第1に、国内のどこにいても内線番号でつながり、相手も着信表示で誰からの電話か認識できるようになったことだ。従来の懸案であった、顧客など外線からの社内への着信を社外にいる担当者に転送することも可能になった。また、営業社員は各自が名刺に自分の携帯電話番号を印刷し、直接、携帯にかかる方針にあらためた。これらにより電話取り次ぎ業務が減り、業務効率化につながっている。

 第2に、社外にいても、在席や外出、打ち合わせ中など社員のプレゼンスを確認しやすくなったことだ。

 連絡を取りたい相手の状況がプレゼンスとしてWeb電話帳に表示されるので、在席なら電話をかける、不在であればメールを送るというように、それぞれの状況に合わせた最適な連絡手段を選択できるようになり、社内のコミュニケーション円滑化に大きく寄与している。

 そして第3に、IP電話機とWeb電話帳をパッケージ化しコストセーブしたことだ。「以前のシステムもパッケージとして導入したが、たびたび追加の開発が必要になり、投資にかかる費用が読めなかった。今回は、できるだけメーカーの標準機能で対応できることを目指しました」と加賀ソルネット営業二部技術課課長代理の草間崇氏は話す。

固定電話機を大幅に集約 UC機能の本格活用を視野に


 加賀電子は新システムへの移行にあたり、営業担当者の社用端末をスマートフォン2機種とフィーチャーフォン1機種から選べるようにした。会社としては1機種に絞った方が負担は軽くなるわけだが、社員の使いやすさを考え選択肢を増やし、3機種にしたという。

 同社にとっては初めてのスマートフォン導入であり、担当者が頭を悩ませたのがセキュリティの確保だ。

 スマートフォンは携帯電話というよりもむしろ小型PCという特徴を持っており、携帯電話のときとは違った新たなルール作りが必要になる。そこで情報漏えい対策として、パスワードの設定や端末の暗号化などの社内ポリシーを策定した。「がちがちに縛り過ぎると、スマートフォンならではの利便性や機能性が損なわれてしまう。不便さを感じさせない程度にセキュリティを保つことができるルール作りを心がけました」と酒井氏。各自の働き方やニーズに合わせて機種が選べるようになったこともあり、社員の間では非常に好評だという。

 営業担当者にスマートフォン/フィーチャーフォンを配布する一方、内勤者は固定電話に限定することで、固定電話の台数を従来より約20%も少ない約900台に集約し、設備費用や運用コストの削減を実現した。

 新たなコミュニケーション基盤の導入開始から6カ月後の調査では、通信コスト全体で前年度より約15%のコスト削減になったという。

 今後、モバイル機器とさまざな製品・ソフトウェアとの連携により、UC機能の本格活用に向けて拡張することが可能となった。「ベースとなる電話基盤の構築は完了したので、モバイルを基点として新しいことに取り組みたい」(仲森氏)とさらなる展開を視野に入れている。

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