レナウン 店舗を回る営業社員がモバイル活用 機動力を支えるセキュアネットワーク

総合アパレルメーカーレナウンは全国に展開する店舗に1800台のタブレット端末の配備と同時に、店舗運営をサポートする営業とDB(ディストリビューター)社員にノートPC約200台を装備し顧客サービスを大幅に改善した。機動的なモバイル業務活用を基盤で支えているのはセキュリティに万全な富士通の「FENICSU ユニバーサルコネクト」だ。

 レナウンは創業1902年の総合アパレルメーカーで、紳士服「ダーバン」はじめ、英国ブランド「アクアスキュータム」や「シンプルライフ」「アーノルドパーマー」などメンズ/レディスの数多くの著名ブランドを展開しており人々になじみ深い。百貨店やGMSに売場を構え、直営店舗の展開やEC事業も拡大中で、従業員数はレナウングループ計で約1300人だ。

業務改革とシステムの刷新


業務改革推進部 部長 中川智博氏(右下)、情報システム部 IT改革推進課 兼 業務改革推進部 担当課長 石井孝啓氏(左下)、情報システム部 IT基盤構築課 課長 関根満氏(左上)、情報システム部 IT基盤構築課 小沼由美氏(右上)

業務改革推進部 部長 中川智博氏(右下)、情報システム部 IT改革推進課 兼 業務改革推進部 担当課長 石井孝啓氏(左下)、情報システム部 IT基盤構築課 課長 関根満氏(左上)、情報システム部 IT基盤構築課 小沼由美氏(右上)

 老舗のレナウンにも課題があった。業務改革推進部部長の中川智博氏は2010年ごろを振り返って、こう述べる。「市場環境が厳しく百貨店を中心とした販売が伸び悩み、一時期業績が低迷し、業務改革が求められました。情報システム面からも、業務自体をシンプルにして、同時に現場へのスピーディな情報提供を進め、業績アップのサポートを図る必要がありました」

 当時、北畑稔社長から発せられたのは、顧客へのサービス向上のために、もっと業務機動力の向上を図れないか、例えば、営業マンが外出先でも売上などの社内情報を確認でき、出張中でも柔軟でスピーディな意思決定を可能にできないか、という問い掛けであった。

 それを受け、2010年7月から業務変革プロジェクト「R-NAVI(RENOWN-NewAction for Valuable Innovation)」の構想が動きだした。R-NAVIは、「管理手法や業務プロセスの最適化」「的確な情報提供基盤の確立」「シンプルでローコストなIT環境の構築」の3つを柱としている。

 社内業務全般を見直し、それに役立つ情報システムを構築するという取り組みが始まった。

モバイルの導入とスピードアップ


 モバイル化は、当初、営業部長クラスに30台のiPhoneを支給したのが始まりだ。

 その3カ月後、全国の店舗を回る営業社員と、各店舗に商品出荷や在庫管理を行うDB社員を対象に、持ち出し用ノートPCを使っての業務活用が始まった。この時点で社内サーバーへのリモートアクセスが可能なノートPCは30台で、携帯電話3Gの通信カードを挿入するタイプだ。

 半年後には大阪支店の無線LAN化も行われ、iPhone利用は課長クラスにも進み70台にまで増えてきた。

 こうした本格的なモバイル業務活用には、安全なネットワークとセキュリティシステムが絶対に必要となる。

 自社で独自のセキュリティシステムを構えることは現実的でないことから、検討の結果採用されたのが、富士通のネットワークサービス「FUJITSU Managed Infrastructure Service FENICSU ユニバーサルコネクト」だ。企業の情報端末と社内イントラシステムとをセキュアに接続するネットワークサービスで、その名の通りスマートフォン/タブレット、ノートPC、携帯電話など様々な端末からグループウェア、営業報告、業務システムなどを自在に利用でき、安全なリモートアクセス環境を保証するものだ。

 同時に、富士通のノートPCはハードディスク自体を暗号化する「暗号化ハードディスク」と、遠隔でハードディスクデータを消去できる「CLEARSURE」に対応していることが評価された。

 情報システム部IT改革推進課兼業務改革推進部担当課長の石井孝啓氏は「ユニバーサルコネクトはセキュアでコストや運用のしやすさといった点で最も合致していると判断しました」と、述べる。

 このようにモバイル化が進むうちに、2012年ごろから仕事の機動力アップに関する社内の関心と活用機運も高まりを見せてきた。

図表 『R-NAVI』による営業・DBの変化

図表 『R-NAVI』による営業・DBの変化

本社移転と会社のモバイル化


 レナウンのモバイル活用が本格化したのは、2013年8月からだ。本社が五反田から現在の国際展示場前のTFTビルに移転となったのを契機に、社内のデスクトップPC500台をすべて富士通ノートPCに切り替え、社外からのリモートアクセスが可能な環境が整った。全国約200人の営業及びDB社員は全員モバイル化が完了し、外出先で情報が見られないという問題が解決された。

 東京や大阪を拠点に全国に出張する社員が使用しているノートPCが200台ほどあり、2013年8月から高速のLTEカードに変更した。当初は半分の100枚を用意したが、半年後には不足し、さらに50枚増やすことになった。それでも予備の枚数は数枚程度しか残らず、常時ほぼフル稼働している状況にある。出張先にノートPCを携行し、外出先での活用が進んできたことを裏付けるものだ。

主要全店舗にタブレット配備


 そして、次の節目となったのが、2014年3月の基幹システムの刷新だ。

 情報システム部IT基盤構築課課長の関根満氏は「モバイル化推進は情報システム部を中心に全社の協力で進めました。懸案の基幹システム刷新の検討は2010年から始め、2012年から2年間をかけシステムを移行、2014年3月から本格稼働に漕ぎ着け、これで一気に軌道に乗せることができました」という。

 このシステム刷新を機に、全国の店舗に富士通タブレット「STYLISTIC」が約1800ID分が導入された。店舗の売上管理、在庫管理などの店舗データはユニバーサルコネクト経由でサーバーに送られ、処理される。

 店舗の新端末はこれだけではなく、ネットワークを通して、ブランドの最新のカタログ情報などをタブレット表示することなどもできるようになった。もちろん、在庫検索なども、顧客を前にスムーズに行うことができる。接客用での活用シーンという新しいフェーズだ。「攻めのICT活用」の環境がこれで整った。

万全なセキュリティと社内の工夫


 こうして、社長の方針を受け、R-NAVI構想で目指した業務改革に向けた取り組みが大きく進捗している。中川氏は、「営業、DB社員が外出先でもオペレーションが可能となり、業務と顧客対応のスピードアップが実現され、売り場に対してのサポート力も向上している」という。また、「様々なことができるようになって、売上増に向けたお客様への新たなサービスなどのアイデアも現実味を帯び、それを広げていく動きも出てきている」と述べる。

 加えて、社内業務においても、ノートPCの導入で社内移動時にも持ち運び、すぐに資料確認などができるようになった。会議資料を事前にプリントする必要もなくなりペーパーレスが進んだ。

 こうした成功の陰には、セキュリティの問題についての情報システム部の細やかな取り組みがあった。

 情報システム部は、セキュアネットワークのユニバーサルコネクトを導入した上で、さらに持ち出し可能なノートPCには「暗号化ハードディスク」のシールを大きく貼りつけることで、盗難の抑止力にした。また、通信カードのパスワードは、一定期間で変更する対策も行われた。

 情報システム部IT基盤構築課の小沼由美氏は「社員のセキュリティ教育の一環として、A4サイズ十数ページのモバイルハンドブックを制作し、詳しい知識がなくても絵を多く取り入れ直感的にわかるようにしています。テストを行って理解度の確認もできる工夫もしています」と説明する。

顧客サービス拡大へ次なる展開


 レナウンでは、次のステップとして売上を上げていくための武器を検討している。例えば、店頭でタブレットを使って在庫、動画などを表示してお客様に提示するサービスの充実を図り、ECサイトとの連携も念頭に置いて業務改革を進める方針だ。

 今後も、富士通と協力し、自社では気づかない潜在的なニーズも含め、次の一手につながるアドバイスを受けながら、プロジェクトを展開していくという。

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お問い合わせ先
富士通株式会社
FENICSU ユニバーサルコネクト
URL:http://fenics.fujitsu.com/networkservice/universal-connect/