レンジャーシステムズ/ステラクラフト 「成長型MVNO支援サービス」の提供で MVNOのスモールスタートと拡大に貢献する

MVNO事業そのものをビジネスとするのではなく、自社のコアビジネスをモバイルに展開する手段としてMVNO事業者を目指す企業が増えている。そうした企業のMVNO事業立ち上げを支援するため、レンジャーシステムズはステラクラフトのコア技術を採用し、小規模でも多彩なモバイル通信サービスが可能になる「成長型MVNO支援サービス」を提供する。
南江由記子氏

ステラクラフト
研究開発部
マネージャー
南江由記子氏

矢数昌博氏

レンジャーシステムズ
専務取締役
矢数昌博氏

 ここ数年で一気に出そろった格安SIMで、MVNOは市民権を得た。既に市場に参入している企業の多くはモバイル通信自体をビジネスにしているが、そのニーズに変化が見られ始めている。レンジャーシステムズの矢数昌博専務取締役は「医療や教育、ゲームなどのビジネスを展開している企業が、モバイル通信でサービスを拡充するアイデアを抱えて、実現手法を探っています」と、最近のニーズについて語る。

 一般に、MVNOサービスはNTTドコモなど大手通信事業者(MNO)のネットワーク設備との間をL3で接続する方法でも提供できるが、これではMVNOならではのメリットは活かせない。契約者によりコンテンツをコントロールしたり、端末に応じた課金や帯域制御を行なうなど、MVNOならではのメリットを得るには、MNOとの間をL2接続することが不可欠になる。しかし、そこには通信サービス事業特有の高いハードルが待ち構えており、事業化を踏みとどまらせる要因となっている。

 そこでレンジャーシステムズは、このハードルを劇的に引き下げることができれば、もっと多くの企業がMVNO事業に踏み出せると判断し、2014年秋から「成長型MVNO支援サービス」を提供していくことにした。

レンジャーシステムズが解決する MVNO事業への3つのハードル


 一般的に、MVNO事業をスタートする際の大きなハードルは3つある。「コスト」、「技術者」、そして「検証環境」だ。いずれも必要不可欠なものだが、本格的なMVNOサービス事業者をめざすわけではなく小規模からスタートさせたいと考える企業にとっては過剰な投資になりかねない。

 そこでレンジャーシステムズでは、これまでのシステムインテグレーション事業とネットワークインテグレーション事業で蓄積したノウハウを投入し、これらの問題を解決し小規模からでもMVNO事業をスタートできるプラットフォームを構築し、3段階からなる成長型MVNO支援サービスをスタートさせようとしている(表1参照)。

図:成長型MVNO支援サービスの構成

図:成長型MVNO支援サービスの構成
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MVNOのコアとなるPCRF/OCSサーバはEnterpras PCCを使用し、サービス設計に利用可能な検証環境やテスティング環境も接続されている

表1:成長型MVNO支援サービスのプランメニュー

表1:成長型MVNO支援サービスのプランメニュー

すべてL2接続によるMVNOサービスが前提となる。ソフトウェアベースで提供されるマネージドプランやハイエンドプラン、専用設備を導入するキャリアグレードプランまで、サービスの成長に応じてステップアップしていくことができる

 まずコストについては、購入すれば数億にものぼる通信関連の設備をソフトウェアベースで提供し、大幅に引き下げることに成功した。「仮想化や冗長化の技術をフル活用し、ソフトウェアベースでありながらビジネス利用に十分な信頼性を確保し、MVNOのスターティングプラットフォームとして提供していきます」と矢数氏は言う。動作検証済みのコアシステムを推奨構成として提案するため信頼性も担保できるほか、ホスティングや運用サポートを含む管理系のサービスも提供される。

 2つ目のハードルとなる技術者の確保については、レンジャーシステムズで技術者を養成し、設計からマネジメントまでを引き受けてくれるため、スタート時から専任技術者を雇う必要がなくなる。

 3つ目の検証環境は、MVNOのメリットを取り入れたビジネスアイデアを形にしていくうえで欠かせない設備だが、機器は高価で取扱いも簡単ではない。そのためレンジャーシステムズ社内に低コストで必要な検証作業が行えるLTE環境での「MNOシミュレータ」を整備した。負荷試験や大規模接続試験、アプリケーション試験などが手軽に実施できる。

低コストなサービスを支える ステラクラフトとのパートナーシップ


 成長型MVNO支援サービスの技術基盤となるのは、ソフトウェアベースで構築されるMVNOプラットフォームだ。それを実現するために採用されたのが、ステラクラフトが開発したPCRF/OCS製品「Enterpras PCC」である。

 PCRF/OCSはL2接続によるMVNO事業を展開するためのコア設備であり、 PCRF(ポリシー制御)やOCS(課金システム)などの機能を提供することでユーザー管理を実現する。多彩なサービス展開に向け、PCRF/OCSを柔軟にカスタマイズして使いたいところだ。「しかしPCRF/OCSは大規模向けの海外製品が多く、日本ならではの課題や要望に応じたカスタマイズは難しいのが現状です」(ステラクラフト 研究開発部の南江由記子マネージャー)。

 そこで、この状況を打破するべくキャリアグレードのRADIUS認証サーバ開発で培った技術を投じて開発されたのがEnterpras PCCである。「国産メーカーとしてフルスクラッチで独自開発しているので、他社製品では難しいカスタマイズにも柔軟に応えられます」と南江氏は胸を張る。成長型MVNO支援サービスのコア設備として、ソフトウェアベースで提供されるうえ、日本語ベースの管理GUIツールや多彩な課金プラン設定など、小規模からでも利用できる機能が整備されている(表2参照)。

表2:ステラクラフトのEnterpras PCCが提供するMVNO向けの機能一覧

表2:ステラクラフトのEnterpras PCCが提供するMVNO向けの機能一覧

さまざまな課金プランや管理機能が提供される

 「ステラクラフトには、PCRF/OCS製品の性能と柔軟性ももちろんですが、課題を共有する姿勢とそれを解決できる技術力の高さ、MVNOを活用したサービスアイデアなどにも期待しています」と矢数氏。成長型MVNO支援サービスは、ユーザー企業とレンジャーシステムズとステラクラフトが最適なMVNOサービスというゴールを共有し、互いに信頼できる「三位一体」のパートナーシップを築くことをめざしている。

 レンジャーシステムズは、5月28日から開催される展示会「ワイヤレスジャパン2014」に出展し、同サービスを詳しく紹介する予定。MVNOをビジネスに取り入れようと考えている企業には絶好の機会となるはずだ。

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お問い合わせ先
レンジャーシステムズ株式会社
TEL:03-5408-9883
URL:http://ranger-systems.co.jp
株式会社ステラクラフト
TEL:03-5511-1151
URL:http://www.stellar.co.jp