日立製作所 NETTOWER CX-01/座席ナビ UC視野に電話システム一新した東亞合成 プレゼンスとFMCで「働き方変革」目指す

全国各地の拠点やグループ会社間の連携を密にするために電話システムを一新し、統合コミュニケーション基盤の構築を進める東亞合成。UCも視野に入れたワークスタイル変革に向けた同社の取り組みを支えるのが、日立製作所(以下、日立)のIP-PBX「NETTOWER CX-01」とプレゼンス管理システム「座席ナビ」だ。

 アロンアルフアをはじめとする各種化学製品を提供する東亞合成。その事業領域は基礎化学品、アクリル製品、機能製品、樹脂加工製品と幅広く、これまで複数の関連会社を統合しグループ経営の一体化を進めてきている。

 グループ内リソースの連携を深めるには、事業活動を支えるIT/コミュニケーション基盤の統合は欠かせない。中でも大きな課題だったのが電話システムだ。従来は、工場や関連会社などで個別にPBXを設置しており、それぞれ運用方法も異なれば、グループ会社間の内線化もされていなかった。

 コミュニケーションを円滑化し、シームレスに社員が連携できる仕組みを作るとともに、運用管理負荷、通信コストも抑制する──。管理本部・情報システム部を主体に2011年から、電話システム刷新プロジェクトを開始した。

 東亞合成が目指したのは、全国各地の拠点を統合するIP内線網の構築だ。20を超える支店や工場、関連会社を内線化し、外線電話による連絡コストを大幅にカット。かつ、個別運用していたPBX管理費も削減するのが目的だ。その核となるIP-PBXには、日立製作所の「NETTOWER CX-01」を選定。東亞合成グループ全体をつなぐデータ系ネットワークを基板とするIPセントレックスシステムを構築した。

 既存のPBX設備が更改期を迎える拠点からセントレックスシステムに集約(図表中の拠点A)。その他の拠点・工場は、既存設備をデータセンター内のCX-01と連携させながら(図表の拠点BおよびC)、徐々に拠点側の設備をなくしていく計画だ。13年上期の時点で、数拠点を残して統合が完了した。

図表 東亞合成の新・電話システムの構成図

図表 東亞合成の新・電話システムの構成図

FMC導入で社員のモビリティ向上 UC視野にプレゼンスとも連携


 グループ内線網の構築のほか、今回のIP電話システム導入には、もう1つ大きな目的があった。情報システム部部長の犬飼氏は、「ワークスタイルを変えること」と話す。営業をはじめ、外出の多い社員とのコミュニケーション効率を高めるのが狙いだ。そのために、電話のIP化に加えて「一気にFMC※1も実現し、さらにITと融合するユニファイドコミュニケーション(UC)の実現に向けて動き出すことも目的だった」と話すのは、同部主査の山本氏だ。

※1 FMC:Fixed Mobile Convergence

 モバイル端末を内線電話と連携させるFMCについては、ウィルコムのPHS内線サービス「W-VPN」を採用。それまで携帯電話を使用していた営業社員を中心に約1000台のPHS端末を配布した。出張・外出中でも、社内や顧客・取引先と内線でスムーズに連絡が行える。

 同様の機能は携帯電話でも実現できるが、「内線電話の良さを損なわずに使えて、働き方に応じて融通が効く」(山本氏)ことからPHSを選択した。PHS内線を持ち出すことで営業社員のワークスタイルを変える一方で、電話そのものの使い勝手が損なわれては意味がない。多様な内線機能を従来通り使いこなせることがシステム選定の決め手となった。

 日立は、ラインキーなどを備えた卓上電話機型のPHS端末も用意している。通常の多機能電話機と同様に使える「PHS-30DA」(下写真1)だ。配線不要でレイアウト変更時に気軽に持ち運べるこの端末も、東亞合成は約200台導入し、内勤者が活用している。

 そして、UCの実現に向けては、社員間のコミュニケーションやコラボレーションを促進するのに効果の高いプレゼンス(座席表示)管理システムを導入した。日立の「座席ナビ」(下写真2)をCX-01と連携。移動の多い社員や、拠点・フロアの異なる社員の状況をリアルタイムに可視化し、コミュニケーションの円滑化を図っている。

写真1 ラインキー付き卓上PHS「PHS-30DA」 写真2 座席ナビの画面

写真1 ラインキー付き
卓上PHS「PHS-30DA」

写真2 座席ナビの画面

 座席ナビは、連絡を取りたい相手の所在(本店◯階など)や状況(在席中/離席中など)を確認できることに加え、合わせて表示される番号をクリックするだけで電話がかけられる。検索機能も評価が高い。Active Directoryと連携しており、所属部署や名前の一部を入力するだけで、連絡を取りたい相手が容易に探し出せる。座席表や電話帳を調べていた以前に較べて、社員の連携は確実に良くなっているという。

 IP内線化とFMCにより、拠点間の連絡や、社内と外勤社員との連絡にかかっていた外線電話の通話料を大きく削減できた。「概算で通話コストが約10分の1にさがった※2」という。さらに、プレゼンスとの連携でコミュニケーションの効率も改善した。「以前は躊躇していたことや、面倒だからとメールで済ませて返事を待っていたような用件でも、最近は気軽に電話がかかってくる。コミュニケーションは確実に良くなっている」という犬飼氏の言葉が、その効果を物語っている。

※2 導入効果は、本ユーザーのシステム構成や導入時の製品モデル/仕様によるものです。

事業継続対策見据えシステム二重化 非常時にも“いつも通りの内線”を


 FMCとプレゼンス管理との連携により、社員のモビリティと連絡効率の向上を実現した東亞合成。この新たなコミュニケーション基盤は、災害発生などの非常時にも企業活動を維持するための事業継続対策にも配慮した設計がなされている。

 電話システムをIP化するのに伴い、CX-01はもちろん、データ系の拠点間ネットワークを二重化し、音声系でも利用することとした。通常時は、帯域に余裕をもたせた状態で2つの網を音声/データ双方で利用。万一、片方のネットワークに障害が発生した際にも、残る一方で業務・情報システムとともに音声通話を維持する。

 一般的に電話システムの障害対策は、各拠点に内線・外線機能を確保するための専用装置を備えて、拠点ごとの機能維持を図るといったものが主流。その発想は、“最低限のコミュニケーション機能を確保する”というものだ。

 だが、東亞合成の考えは異なる。「非常時であっても、いつものコミュニケーション環境を維持して事業活動を継続する」(山本氏)という考えからシステム全体を設計。東日本大震災時にも安定した通話が可能だったPHSとIP電話との組み合わせ、そしてCX-01とネットワークの完全二重化により、障害発生時にも影響範囲を極小化して、できるだけ音声通話が“いつも通り”使用できる環境を目指した。

 このように、通話料と運用コストの削減、コミュニケーションの円滑化に加え、事業継続対策の強化と、今回のプロジェクトでは複数の効果が上がっている。電話の使い勝手を大きく変えずにFMCやプレゼンス管理といった新たな要素を加えるという現場に配慮したアプローチを取ったことが、この結果を呼んだと言えるだろう。

 今後は、この新しいコミュニケーション基盤のさらなる進化を図っていく考えだ。CX-01は、UCの基盤システムとしてテレビ会議その他のコミュニケーションツールとの連携機能を備えている。「テレビ会議やグループウェアなどとの連携も進めていきたい」と山本氏。これをベースに、UCの実現を目指していく。

USER PROFILE

TOAGOSEI CO.,LTD

東亞合成株式会社

本店所在地  東京都港区西新橋1-14-1
設 立 1942年3月31日
資本金 20,886百万円(2012年12月31日現在)
従業員数 918名(単独/2012年12月31日現在)
事業内容 基礎化学品、アクリル製品、機能製品、樹脂加工製品などの製造および販売

プロジェクトのメンバー

管理本部情報システム部部長の犬飼宏氏(左から2番目)、同部主査の山本美佐男氏(中央)と、今回の電話システム更改プロジェクトのメンバー

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