日本マイクロソフト Microsoft Lync 2013 企業向け電話ビジネスがLyncで変わる クラウドとモバイルをトリガーに商機拡大

ユニファイドコミュニケーションへの関心が高まるなか、日本マイクロソフトが提供する「Microsoft Lync 2013」のユーザーが増えている。要因の1つが、Lyncを取り扱うプレイヤーの増加だ。これまでPBXをメイン商材としてきた通信系ディーラーや通信キャリア、クラウド事業者など多様なプレイヤーが“Lyncビジネス”を始めている。
小国幸司氏

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小国幸司氏

 “ガラパゴス”と表現される携帯電話市場ほどではないが、日本の企業電話システム市場も、海外のそれとは異なる特殊性を持っている。国内メーカー製PBX/ビジネスホンのシェアが非常に高く、また、日本企業特有のニーズを満たすために、外線・内線機能が高度かつ独自の進化を遂げている。

 電話やメール、IM、ビデオといった各種のツールを連携させた統合コミュニケーション環境を実現するユニファイドコミュニケーション(UC)が普及する上で、この企業電話の特殊性が大きな壁となってきた。UCプラットフォーム製品「Microsoft Lync」を提供する日本マイクロソフトの小国幸司氏も、「お客様にUCの価値を理解していただく前に、既存の電話システムとLyncの電話機能との差から、ご採用いただけないケースが多かった」と話す。

 ただし、それも過去の話。2013年1月から提供を始めた新バージョン「Lync 2013」では、企業で必要とされる電話機能も大幅に強化された。多様なモバイルデバイスへの対応や、ユーザーインターフェース(UI)の進化をはじめ、UCの価値そのものを高めたことが多くのユーザーから評価を集める一方、電話機能の拡充で弱点も補強された。これにより、日本でも「お客様の関心は非常に高まっている。UCへの理解が広がったこともあり、Lyncユーザーの増加は目覚ましい。他国からも“日本の伸び”は注目されている」。

 この波は、企業電話システム市場のビジネスに大きな変化をもたらしそうだ。これまでLyncの提案・販売、構築を担ってきたのは、サーバーシステムをメインに扱う、いわゆるIT系のSIerだった。そこに現在、PBX/ビジネスホン販売店や通信キャリアが加わり始めている。電話系のプレイヤーにとっても、Lyncがビジネスを拡大する商材として重要性を増しているのだ。

ニーズに応じて選べる導入形態 クラウドへの要望にも柔軟に対応


 企業電話システムのビジネスにおいて、Lyncはどのような価値を持つのか。それは、Lync 2013で強化されたポイントから見えてくる。

 1つ目は、前述した企業向け電話機能の強化だ。図表1のように、(1)IP-PBXと連携する形態、(2)Lync 2013のみで電話システムを構築する形態の両方が選べる。(1)の場合は、既存環境を活かしながら、先進的なUC環境を実現し、PBX販売の付加価値向上が可能になる。

図表1 Lync 2013の企業向け電話機能:選べる導入形態

図表1 Lync 2013の企業向け電話機能:選べる導入形態
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 一方、(2)の形態ならば、より高度かつ導入効果の高い統合UC環境を提案することが可能だ。最大の利点は、電話を担うPBXと、UCを使うためのLyncとの二重管理を廃して運用管理コストを大きく削減できることだ。

 企業電話システムとしてのLyncの進化は続いており、Lync 2013ではグループ/部門代表運用を踏襲できたり、パーク保留やコールピックアップといった日本企業には必須の機能もサポートしている。国内での導入数が伸びていることもあり、「今後Lyncは、日本企業にとっても使いやすい製品に進化していく」と小国氏は話す。PBX販売店にとって、より安心して提案できる商材になっていくだろう。

 2つ目の特徴は、日本マイクロソフトのオンラインサービス「Office 365」との連携だ。Office 365は、Microsoft ExchangeやSharePoint、Lyncといった同社の企業向け製品をクラウド型で利用できるもの。

 Lyncのクラウド版「Lync Online」では、廉価な月額料金でIMやメール、プレゼンス、Lync同士のVoIP/ビデオ通話等が利用できるが、企業向けの電話機能は現時点では提供されていない。ただし、電話機能が必要なユーザー用にオンプレミスのLyncを、Office 365を使うユーザーのサービスと連携する形でUCを利用する「ハイブリッド構成」も可能だ(図表2)。顧客企業のニーズに応じてクラウド型も含めて柔軟 に導入形態 が選べるのも、Lync 2013 の利点となっている。

図表2 Lync 2013とLync Onlineのハイブリッド構成

図表2 Lync 2013とLync Onlineのハイブリッド構成
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 これは、多額の初期投資を行えない中堅中小企業へUCの提案を行うにも好都合だ。Office 365は中堅中小企業の導入ユーザーも非常に多く、小国氏によれば、「Office 365の販売パートナーが、電話も含めたUC環境を提供するためにLync 2013の販売を手がけるケースも出てきた」という。PBX/ビジネスホン販売店がUCを手がける“入口”として活用しているわけだ。

Mobile引き金に商談増加 スマホを電話ビジネスのトリガーに


 クラウドとともに、今後の企業ICTに欠かせないのがモバイルだ。企業にも急速に浸透し始めているスマートデバイスの活用も、Lync 2013はもちろんサポートしている。

 モバイル端末でUCを活用するためのクライアントソフト「Lync Mobile」は、Windows、iOS、Androidをはじめ多様なデバイスに対応。この4月に提供を始めたばかりだが、「その反響は想像以上」と小国氏は驚きを隠さない。Lyncの導入を検討する企業から、正式リリース前に「開発中のもので構わないのでデモを見せてほしい」とのリクエストが殺到していたという。

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Lync Mobile画面1Lync Mobile画面2Lync Mobile画面3

2013年4月から提供を始めたモバイルクライアント「Lync Mobile」。Windows OS、iOS、Android OSなど主要なモバイル端末に対応しており、デバイスやOSの違いによってユーザーが迷わないよう、統一されたUIを採用した

 マイクロソフトだけでなく、UC製品を提供する他社もモバイルクライアントには注力しているが、Lync Mobileは、「人間工学的にUI(ユーザーインターフェース)の使い勝手を徹底的に追求している」のが特徴だ。

 目指したのは“迷わないUI”。エンドユーザーは場面に応じてPCやiPhone/iPad、Android端末やWindowsタブレットなど最適なデバイスを使い分ける。どのクライアントでも統一されたUIで直感的に操作できるように、アイコンの表示方法や画面遷移などに工夫を凝らしているという。いつでもどこでも誰でもストレスなくすぐに使える――。これこそ、コミュニケーションツールにとって最も大事な要素だからだ。

 その他にも、最新のLync MobileではWiFiや3G/LTEのパケット通信によるVoIP/ビデオ通話に正式対応するなど、従来版から進化している。

 こうしたモバイル対応の進化も評価され、従来のSIビジネスパートナーに加え、通信事業者やデータセンター(DC)/クラウド事業者がLync 2013でビジネスを展開する動きも広がっている。Lync 2013をDCにホスティングしてクラウド型UCサービスとして日本HPやNECネッツエスアイなどが、またLync 2013を活用したSIサービスとしては富士通などが新たにLyncサービスの提供を開始しており、同様のビジネスが今後さらに広がりそうだ。また、通信キャリアもFMCサービスとLync 2013を組み合わせて、スマートフォンを内線端末として使うUCシステムの構築に力を入れ始めている。

 2013年度は、Lyncを核としたUCが企業電話市場での存在感を一層高めることになりそうだ。

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