OKI EXaaS 音声クラウドサービス クラウドPBX市場を先頭に立って創出する “スマホ連携”で付加価値も提供

OKIがクラウド型電話サービス「EXaaS 音声クラウドサービス」を開始した。国内PBX大手4社の先陣を切り、まだ黎明期といえる市場の創出を目指す。PBX市場で長年培ってきたOKIならではの強みに加え、スマートフォン連携という付加価値もユーザーに提供していく方針だ。
大槻重雄氏

OKI
通信システム事業本部
企業ネットワークシステム
事業部
CTstage&サービス
ビジネスユニット
ビジネスユニット長
大槻重雄氏

紀陸保史氏

OKIウィンテック
代表取締役社長
紀陸保史氏





 OKIは2011年11月から、クラウド型電話サービス「EXaaS 音声クラウドサービス」の販売を開始した。

 これまでのPBXは、ユーザー企業社内に設置するオンプレミス型システムとして提供されてきた。だが、昨年に発生した東日本大震災を境に、BCP(事業継続計画)の観点から、ICTの利用形態はクラウド化が急速に進み始めた。こうした流れは、PBX市場にも無視できないほどの影響を与え始めている。

 OKIの大槻重雄氏は、IP-PBX「SS9100」や「DISCOVERY01」をオンプレミス型で販売するなかで、クラウド型での提供を望むユーザーの声が日に日に高まっていくのを肌で感じ、「今がそのタイミング」と判断したという。

 PBXをベンダーのデータセンターに置き、ネットワークを介してPBX機能をサービスとして提供する「クラウドPBX」は、実は5〜6年前から存在し、提供事業者も増えている。だが、主にPBXメーカー以外の新興企業が提供していることで、ユーザーのサービスに対する不安もあり、「市場」と言えるほどの規模には育っていない。

 そうしたなかで、PBX大手4社で先陣を切ったOKIの本格参入。大槻氏は「我々が先頭に立ってクラウドPBX市場を形成するという強い信念をもって展開していく」という。「当社はIPにもいち早く取り組み、現在では市場で“IP-PBX=OKI”というイメージが定着しており、かつ高い技術力もある。このため、これまで信頼性の面でクラウドPBXに二の足を踏んでいたお客様も“OKIが提供するサービスなら安心”と思っていただけるのではないか」と勝算を語る。

「共同利用型」は1ポート月額1200円で提供


 「EXaaS 音声クラウドサービス」の概要を押さえておこう。

 共有型IP-PBXをOKIのデータセンターに設置し、1ポート当たり月額1200円(税別)でPBXの基本機能とシステムの保守・管理サービスを一体で提供する「共同利用型」と、専有型IP-PBXで顧客の要望に応じて柔軟にカスタマイズできる「プライベート型」の2メニューをラインナップしている(図表1)。

図表1 「EXaaS 音声クラウドサービス」の概要

図表1 「EXaaS 音声クラウドサービス」の概要

 共同利用型は、500〜1000ポートの中規模オフィスが対象となる。上記基本サービスのほか、トラフィックレポート、課金サービス、端末保守サービスなどのオプションも提供する(図表2)。最低利用期間は3年。

図表2 「EXaaS 音声クラウドサービス」サービスメニュー(共同利用型)

図表2 「EXaaS 音声クラウドサービス」サービスメニュー(共同利用型)

 プライベート型は顧客の自社内もしくはOKIのデータセンターなどに設置する専有型IP-PBXで提供するもので、1000ポート以上の大規模オフィスが対象だ。価格やサービス内容は個別に見積もり、提案する。

 システムの構築と保守管理は、「共同利用型」はOKIグループの通信事業分野で構築・保守を行うOKIウィンテックが、「プライベート型」はOKIが手掛けている。

OKIグループが提供することこそが差別化


 サービスを展開していくうえでOKIでは、「国産」と「付加価値」の2つのキーワードが強みになるとしている。

 前者は、国内の老舗PBXメーカーで実績も豊富な同社がサービスを提供することで、ユーザーは信頼性や柔軟性を享受できる。クラウドPBXは音声サービスだけに、サービス単体での差別化は難しく、特に保守やサポートが重要になるとみている。OKIウィンテックの紀陸保史社長は「当社には24時間365日体制の“テクノセンタ”があり、十分な運用ノウハウの蓄積もある。長年にわたってPBXの工事保守を手掛けてきた我々がクラウドサービスを提供することこそが、大きな差別化ポイント」と語っている。

 後者の付加価値については「音声だけのサービスでは、従来のIPセントレックスの延長としか思われず、市場はついて来ないだろう」と大槻氏はみる。そこでOKIでは、スマートフォンとセットで提供することで付加価値を高める戦略を採る。

 具体的には、スマートフォンから社内情報に安全・簡単にアクセスできるクラウドサービスである「EXaaS Mobile Deskサービス」も一緒に販売する。

 同サービスは、IP内線電話機としての利用も可能だ。クラウドPBXを提供するうえでの1つの課題に「電話機」がある。クラウドサービスだけに、例えば新規プロジェクトの時だけ内線の契約数を増やすというようなことが簡単にできる。しかし、電話機はそうはいかない。増設時に調達した電話機を、不要になったからと返却されてもサービス事業者は困るだけだ。このため買い取りが基本になるが、増設が必要な期間だけのために購入するのは、ユーザーにとってもリスクは高い。

 そこでOKIが注目しているのが、スマートフォンだ。これをIP内線電話機として利用できれば、内線の契約数を減らしても他の業務で活用できるので、ユーザーのリスクは軽減される。

いまはPBXリプレース時の選択肢が増えることが重要


 OKIでは、サービス開始当初のターゲットユーザーを2つ設定している。

 まず、一定期間のみ拠点を利用する場合で、建て替え等で移転し、移転先での電話設備をクラウドで利用した後に、場合によっては新築後の社屋でもクラウドサービスを利用し続けることも可能である。一時的な移転の際にはPBXを購入するよりはクラウドサービスを利用するほうが安価となる。

 もう1つは、多拠点を持つ企業だ。一般的にPBXは拠点ごとに導入されており、導入時期は異なる。このため、PBXの保守期限が過ぎた拠点からクラウドサービスを提案していく。

 紀陸氏は、「私はクラウドPBXの時代は来ると思っているが、現時点では“何が何でもクラウド”というよりは、お客様のPBXリプレース時の選択肢が増えることが重要」と語る。PBXの管理が不要となることを理解してもらうことで、ユーザーに対し、今まで意識していなかったPBXの管理コストを削減し、かつ本業に集中できるリソースを捻出できるというメリットを訴求していく。

 販売チャネルに目を向けると、クラウドPBXの販売には慎重な構えだ。大槻氏は「販売店の方々にとっては、お客様との関係を維持していくことが一番大切。クラウドでもそれが可能で、かつ収益を得られる仕組みがあれば、販売にご協力いただけるはず。良好でWin-Winの関係を築けるよう、販売店の方々の意見を聞いていきたい」という。

 OKIでは今後も、販売店にもメリットが出る形でサービスを展開し、販売店とともにクラウドPBX市場を創出していきたい意向だ。

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