アイルネット 無線IPフォン「TR1」 あらゆるSIPサーバーに接続可能 待望の構内PHS置き換え新端末

アイルネットが販売を開始した「TR1」は、無線IPフォン市場の拡大を狙う戦略的な端末だ。世界標準のSIPに対応しており、自社のSIPサーバーだけでなく、市場のあらゆるSIPサーバーやIP-PBXへの接続を可能にしている。同社はこの端末を、無線IPフォンの「定番商品」に育てていく方針だ。

 アイルネットは11月1日、無線IPフォン「TR1」の販売を開始した。東京レーダーが開発した製品で、アイルネットが販売を担当する。両社は製造元と販売元という関係で協力し合い、「メイドインジャパン」ならではの技術サポートを武器に、TR1の拡販のみならず、なかなか離陸しない無線IPフォン市場そのものを浮上させる方針だ。

 TR1の最大の特長は、世界標準のSIP(IETF SIPv2)に準拠していることだ。このため、アイルネットのSIPサーバー「アイルネットコミュニケーションサーバー(iCS)」だけでなく、メーカー各社のSIPサーバーやIP-PBXとの接続が可能となっている。常務取締役法人事業部長の古屋光俊氏は、「当社のSIPサーバーとだけ接続できるというのでは、従来の端末と同じで、市場は拡がっていかない。我々はSIPサーバーメーカーとして培ったノウハウを活かし、他メーカーの製品との接続検証も積極的に進めていく」と語る。

「TR1」

「TR1」は薄さ15mm、重さ85gのストレートタイプで持ちやすさを追求している

国内製初の11g対応


 無線LAN規格はIEEE802.11b/gに準拠。11g対応は、国内製の無線IPフォンでは初となる。省電力設計により、動作時間は連続通話が約8時間、連続待ち受け時間は約100時間となっている。セキュリティはWEP64/128、WPA-PSK、WPA2-PSK、802.1xと基本的な暗号化、認証に対応している。また、動作温度にもこだわっており、−10〜50℃の環境で使える。例えば食品会社の冷蔵庫内での利用も可能だ。

 東京レーダーはこれまで携帯電話機の製造を手掛けてきたこともあり、特にアンテナ技術のノウハウを有しており、電波感度が非常に良く、つながりやすいことから導入の際の無線LANアクセスポイントの数も少なくできるのも特長だ。

SMS送受信で新たな価値も提供


 TR1は、多拠点を持つ物流系、商社系をメインターゲットにする。さらに、一般企業のオフィスでの構内PHSの置き換えや、SOHO等の小規模オフィスにおける無線ビジネスフォンニーズも取り込む。このため、製品自体も「奇をてらう形の製品というよりも、オーソドックスな外観・機能にした」という。

 具体的には、形状はストレート型にし、従来の丸型端末にみられるような持った時のすべりやすさを解消した。また、首掛けがしやすいよう、センターストラップとした。サイズと重量は120×45×15mm、85g(電池パック装着時)と小型・軽量化を実現。また、3.5mm径イヤホンマイクを接続すればハンズフリーも可能で、両手で作業しながら通話できるなど、あらゆる業務シーンでの使いやすさを追求している。

 ここまで電話としての使い勝手にこだわったのは、スマートフォンとの棲み分けを狙ったためだ。データ通信利用が主目的のユーザーはそちらを導入すると判断。通話機能の充実を図り、発着信、保留、リダイヤルはもちろん、告知/無告知転送、通話中自動転送、無応答自動転送(タイムアウト時間設定可能)、通話履歴表示(発着信、各20件)などを搭載した。

 電話帳は400件まで登録可能。共通電話帳が200件、ローカル電話帳が200件と分けているため、会社のサーバーで管理している共通電話帳を更新しても、利用者自身が登録しているローカル電話帳に上書きされることはない。

 電話機能以外では、SMS送受信が可能な点が特長だ。SIPサーバー側で対応すれば利用でき、例えば社員の端末に一斉にショートメッセージを流すなどの新たな価値も提供可能だ。

 古屋常務は、「TR1を積極的に販売し、無線IPフォンの定番商品になるよう育てて行きたい」と意欲的だ。端末価格は3万円(税抜き)で、初年度2万台の販売を目指す。

page top
お問い合わせ先
株式会社アイルネット
法人事業部
TEL:050-5528-9755
URL:http://www.islenet.co.jp