シスコシステムズ パーベイシブビデオ ビデオを中心としたコラボレーション 人と人をつなぎ新しい働き方を提案

シスコシステムズは、会議室を中心とする展開を行っている競合他社から一歩先に進み、「パーベイシブビデオ」と呼ぶコンセプトの下、いつでも、どこでもビデオを活用してコミュニケーションが実現できるソリューションの提供を始めた。ビデオ会議だけでなく、IPテレフォニーやタブレット等、あらゆる端末がシームレスに接続できる環境の構築を進めている。
南部武志氏

シスコシステムズ
テレプレゼンスビデオ事業部
営業部長
南部武志氏

 ビデオ会議システムは、会議室に設置し出張コストを削減する目的をメインに普及してきた。シスコシステムズによると、2009年までは年平均で15%程度の順調な伸びを示していた。だが、会議室への導入が一巡したことで2010年は伸び率が鈍化し、2011年になっても変化はみられなかった。

 そうしたなかで発生した2011年3月11日の東日本大震災。シスコシステムズ・テレプレゼンスビデオ事業部営業部長の南部武志氏は「震災後は会議室でというよりも、もっとアドホックに、必要な時にお互いの顔を見ながらコミュニケーションできるツールとして導入を考えるユーザーが一気に増えてきた」と語る。

 震災直後は、電話回線が固定・携帯とも不通になるなかで、インターネットは生きていたため、多くの企業で被災地とビデオ会議システムで常時接続して状況把握に努めた。また、避難場所にシステムを設置し、医師が医療相談を行うなど、被災者対応にも数多く用いられた。さらに、震災後は在宅勤務(テレワーク)がキーワードとなり、社員が自宅にいてもコミュニケーションの効率を落とさずに仕事を進めるためにビデオ会議システムを利用するケースが急増している。

 南部氏は「シスコは以前から、どのような環境でもビデオを利用してコミュニケーションを向上させていこうという、“パーベイシブビデオ”のコンセプトを提唱し、海外では広く普及しつつあるが、震災の影響で日本でもパーベイシブなニーズが増えてきている」と説明する。

スマートデバイスも相互接続 UI統一で使い勝手を向上


 シスコシステムズが提唱する「パーベイシブビデオ」について詳しくみていこう。

 同社では環境にとらわれず、いつでもどこでもコラボレーション(働く)ことができるソリューションを提供することを基本ポリシーとしており、シスコのすべてのデバイスにはすでにビデオ機能が搭載されており、それらを今後シームレスに接続する方向性を打ち出している。人々がビデオを使用して、いつでもどこでもコミュニケーションすることをパーベイシブビデオと呼んでいる。

 具体的には、シスコが有するWeb会議「Cisco WebEx」からパーソナル型、会議室据え置き型、テレプレゼンスまでの「Cisco TelePresence」製品群(図表1)だけでなく、IPテレフォニー端末、スマートフォンやタブレット端末といったスマートデバイス、企業向けSNS等、ビデオを中心にしてあらゆるコミュニケーションツールがシームレスに相互接続できる形を目指している(図表2)。特にスマートデバイスの急速な普及は、今後ビデオコミュニケーションの形を大きく変えることが予想され、それらのデバイスとの相互接続は最重要となろう。

図表1 パーベイシブビデオを可能にする製品群

図表1 パーベイシブビデオを可能にする製品群

図表2 ビデオを中心としたコラボレーション

図表2 ビデオを中心としたコラボレーション

 ただし、ただつながればよいというわけではない。例えば、各ツールはそれぞれ独立したユーザーインターフェース(UI)であるため操作性が異なり、それを煩わしく感じるユーザーは多い。そこで、タッチパネル端末を用い、統一のUIで利用できる工夫をした。

 また、会議の規模も大きくなっている。従来は会議室同士の1対1の会議が中心だったが、現在は多拠点からさまざまなデバイスや通信環境で会議に参加するようになってきている。「多地点会議を安定的に運営するには、後ろで動くインフラの装置も非常に重要になる。例えば、MCUではロードバランスをとって効率的にポートを割り当てていく製品を投入するなど、私たちはさまざまな製品を準備展開している」という。

 なお、シスコは企業ユーザーにビデオ製品を提供するだけではなく、キャリアにシステムを提供し、キャリア等が提供するクラウドサービスを推進している。中小企業はコストに制約があり、ビデオ会議システムを一括導入するには負担が大きいが、それを活用すれば、安価でビデオ会議を利用でき、コミュニケーションの効率化を実現できる。「それらのサービスのインフラをシスコが提供しており、実は今、かなり力を入れている部分」という。

 「Cisco TelePresence」製品群のなかでの売れ筋商品を見てみよう。

 現在最も好調なのは、パーソナルタイプの「Cisco TelePresence System EX90」だ。ビデオ会議システムは会議室同士をつなぐものから、人と人をつなぐコミュニケーションツールへと変化してきていることが、このことからも理解できる。

 EX90は、社長や役員クラスが自席で利用することを想定しており、どのようなオフィスにも似合うモダンで洗練されたデザインの端末だ。1080p30フルHDの画質を実現している。また、タッチパネル式の「Cisco TelePresence Touch」を用意。指先のタッチ操作だけで呼び出しやコールの管理が可能。

EX90

「EX90」は24インチのフルHD画面のため、デスクにいながら臨場感のあるフェイスツーフェイスのコミュニケーションが可能

EX90に同梱されているTouchは8インチのタブレット型操作端末。ハンドセットとのセットでも利用できる

EX90に同梱されているTouch

将来の活用シーンも訴求してシスコを選択してもらう


 パーベイシブビデオを訴求していくには、ユーザーに実際に見て、触れてもらうのが一番だ。同社の東京・神谷町オフィスにある「テレプレゼンスソリューション・エクスペリエンスセンター(通称:TSEC)」では実際に様々なテレプレゼンスソリューションを体感できるツアーを実施している。

 「お客様の見学目的が会議室への導入であっても、3年後、5年後の活用シーンも見ていただき、今後はIPテレフォニーやタブレット端末等との連携が必要になるということをご理解いただいたうえで、シスコを選んでもらうようにしている」という。

 南部氏は「他社はまだ1対1のビデオ会議の仕組みを安価に提供するというアプローチが多いが、当社はもう少し大きな視点で、パーベイシブビデオのコンセプトの下、ビデオを活用したコミュニケーションがきちんと成立する仕組みを提供していく。そこが差別化であり、シスコがこれまで培ったインフラの技術や経験を上手く活かしていきたい」と語っている。

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