日本ヒューレット・パッカード   通信事業者のOSSを売上に貢献できる手段へ変革

日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は2010年7月、プライベートセミナー「HP CMS Solution Day 2010」を開催、通信や放送業界に貢献することが使命であるHP CMS(Communications and Media Solutions, 通信メディアソリューションズ統括本部)が、業界の最新動向と課題解決のアプローチについて解説した。ここでは、その講演内容の中からNGOSSに関して紹介することにする。
HP CMS Solution Day 2010で講演する、日本HP 菊地正樹氏

HP CMS Solution Day
2010で講演する、
日本HP 菊地正樹氏

 通信事業者のオペレーションサポートシステム(OSS)は運用コストを削減するために改善が繰り返し行われてきたが、最近ではコスト削減の手段としてだけではなく、売上に貢献する手段に変革する必要性に迫られている。

 従来、通信事業者は音声やデータ通信といった通信利用料を主な収入源としてきたが、通信料金の価格低下や定額化が進み収益を確保することは難しい状況になってきた。

 さらに、サービスの主戦場はアプリケーションやコンテンツへとシフトしてきており、スマートフォンの登場やクラウド型サービスの拡大により、その傾向はより深刻化していくことが予想できる。通信事業者は、新たな収入を得る機会を獲得するため、新しい競合企業や新しいビジネスモデルと向き合わなければならない。

 2015年にはモバイルアプリケーションのダウンロードが全世界で120億本に達するとの予測もあり、「限りなき選択の時代」と呼べる状況になってきた。通信事業者が定義し提供してきたサービスを利用するのではなく、顧客が世の中に数多あるアプリケーションやサービスを好みに合わせて選択し活用する時代になり始めている。

 だが、通信事業者がそれを実現するには越えなければいけない課題がある。自前のサービスを提供することを前提に構築したOSSが足かせとなって、新しいサービスをスムーズに提供できないケースが増えてきているからだ。これ以上の機会損失を防ぐためにも、通信事業者のOSSを次世代に向けて、変革する必要に迫られている。

 では、このような問題を解決し、売上に貢献するためのOSSとはいったいどのようなものであろうか。
1)顧客のニーズに合った新サービスを迅速に利用可能にして提供できる
2)顧客単位でサービスの利用状況を把握し、提供しているサービスのライフサイクルを管理できる
3)様々なタイプのサービスプロバイダーと企業間で情報共有ができるオープンなプラットフォームである

上記のような課題を解決する必要が今後OSSには求められる。

 通信事業者は、付加価値の高いサービスを販売できる「ツーサイドビジネスモデル」を目指すべきである。すなわち、顧客が求める視点でのサービス多様化を行い、顧客の「経験価値」を最大化できるようにオペレーションを変え、他社サービスとの連携が出来る協業モデルを構築することだ。

図1 ツーサイドビジネスモデル

図1 ツーサイドビジネスモデル

OSS変革への3つのアプローチ


 では、どのようなアプローチで既存のOSSを、売上に貢献できるものへと変革していけばよいのだろうか。

 第1に、オペレーションプロセスやデータを外部に公開するという視点を持って整理することが必要である。既存のOSSは、組織内や企業内で利用することを前提に構築しているケースが多い。まずは、企業間連携を想定して、現在のプロセスやデータ管理を見直す必要がある。例えば、故障管理では、機器から発生しているアラームを、機器単位、サービス単位、顧客単位など利用者にとって意味ある情報に集約する必要がある。

 第2に、既存の業務フローの効率化を実施する。顧客への素早いサービス提供や、ビジネスパートナーの期待に応えるスピードで情報提供を実施するためには、既存の手動オペレーションを自動化していくことが重要である。具体的には、現在、テクノロジー単位で分断されている業務を統合することが効果的である。

 最後に、企業間で連携できるOSSを構築する。ビジネスパートナーとの連携は、リソースマネジメントではなく、サービスマネジメントで実施する。ビジネスパートナー側から見て利用価値の高いOSSを持っていることが、協業相手を決める際のポイントとなるだろう。

HPの提供するOSS変革ソリューション


 日本HPでは、上述の3つのアプローチをサポートするソリューションを用意している。

 1つ目がオペレーションプロセスやデータの整理をする目的で提供されるSCSだ。

・SCS(Solution Consulting Services)
HPはeTOMやITIL等の業界標準や、HPのデリバリー経験及びそのベストプラクティスをベースに提供するコンサルティングサービスHP SCSを提供している。モデルベースのツールを利用して、業務プロセス、システム、組織・人を統合的に現状分析(As-Is)し、その結果と今後の戦略をもとに、あるべき姿(To-Be)を提案する。

 2つ目は既存の業務効率化を目指すソリューションを提供している。

・NOC Automation
NOC Automationは、「故障検知―判断―切り分け」に渡るフローの自動化を行うことで、対応時間を短縮、業務工数を削減、ヒューマンエラーを低減させる。ワークフローデザイナー機能の提供により、システム構築後も柔軟にワークフローを変更することが可能である。

・サービス影響分析
サービス影響分析は、モデルベースのコリレーション(相関分析)エンジンを使用し、クロスドメイン/クロスレイヤーのアラームコリレーション、サービス影響分析、根本原因分析を可能にする。イベントが発生した機器の状態やトポロジーをメモリ内部に保持する仕組みにより、大量のアラームを高速に処理することが出来る。

 3つ目が企業間で連携できるOSSの構築をするソリューションだ。

・eBonding
eBondingは異なる業務システムを連携できるソリューションだ。インシデント管理、オーダー管理、変更管理といった企業間プロセスについて、自動的にメッセージ交換することで連携を実現する。なお、合併を繰り返して成長してきた企業の組織間連携のソリューションとしても適用されている。

図2 HPが提供するソリューション

図2 HPが提供するソリューション

 以上、通信事業者のオペレーションを売上に貢献するための手段へと変革する必要性とそのアプローチについて、紹介してきた。この変革は、既存のオペレーションプロセスやデータの見直し、プロセスの標準化/定型化の実施が必要である。

 また、既存のサイロ部分は個別最適化を実施しつつ流用し、それらの連携性を高めながら全体最適化を目指すこともポイントである。

 HPはこの変革を支えるソリューション提供パートナーとして、グローバルのリソースを活用しながら通信事業者への全面支援を行っている。

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