企業ネットワーク最前線

<米国5G動向>Tモバイルが600MHz帯に5G導入、スプリントも2.5GHz帯で来年サービス開始

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2018.04.27

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

4Gで利用中の周波数帯に5Gを導入する動きが米国で本格化してきた。Tモバイルは600MHz帯、スプリントは2.5GHz帯で2019年にサービスを開始する。米国市場に強いノキアに背景を聞いた。

 
5Gの早期商用化に最もアグレッシブな国の1つが米国だ。

AT&T、ベライゾンの2大通信事業者が、28/39GHz帯を利用し、5Gを年内に商用展開する計画を打ち出している(ベライゾンは独自仕様の5G)。直進性が強い28/39GHz帯で広いエリアをカバーするのは難しいため、当面、FWA(固定無線アクセス)や4Gのエリアに浮かぶホットスポット的なサービスとなるが、世界初の商用サービスとなる可能性が高い。

AT&Tとベライゾンを追いかける3位、4位も5Gに積極的だ。5Gを一気に全米展開しようとする動きを見せており、むしろ両社のほうが注目に値するかもしれない。

まずTモバイルは昨年5月、2019年に5Gサービスを開始する計画を打ち出している。また、スプリントは今年2月、2019年上半期から5Gサービスを開始し、同年中に全米へ展開する計画を明らかにした。

Tモバイルとスプリントに共通するのは、4Gで利用している既存周波数帯に5Gを導入する点だ。Tモバイルは600MHz帯、スプリントは2.5GHz帯を用いる。

 

図表1 米国における5G展開
図表1 米国における5G展開


周波数利用効率が50%向上600MHz帯は、かつてテレビ放送に利用されていた帯域。米FCCが実施したオークションで、Tモバイルは2017年春に約80億ドル(約8800億円)を投じて、米国全エリアで平均31MHz幅の帯域を獲得した。

伝搬特性に優れる1GHz以下の低い周波数帯(ローバンド)の確保で、これまでハンディを背負ってきたTモバイルは、今回取得した600MHz帯を活用し、他社を凌駕するネットワークの構築を目指している。すでに2017年秋から一部地域で600MHz帯を用いた4Gサービスを提供しており、2020年末までに全米をカバーする5Gネットワークを整備するとしている。

こうした展開が可能になった要因の1つには、3GPPで昨年末に策定された5Gの無線仕様「5G NR(New Radio)」において、600MHz帯もサポートされたことがある。

5G用の新規帯域だけではなく、既存帯域も当初から5Gの運用帯域として規定され、その1つとして600MHz帯も含まれたのだ。

もう1つ重要なポイントは、最新の基地局装置が、ソフトウェア更新で4Gから5GNRにアップグレードできることである。

ノキアでモバイルネットワーク製品のアジア太平洋地域責任者を務めているブライアン・チョー氏は、「当社は5G用のソフトウェアを2018年下期に提供する」と明かす。5G対応スマートフォンの供給開始は2019年になる見込みのため、これを待ってTモバイルは5Gサービスを開始することになる。

ノキアソリューションズ&ネットワークス RANプロダクト統括本部長 ブライアン・チョー氏
ノキアソリューションズ&ネットワークス
RANプロダクト統括本部長 ブライアン・チョー氏



では、600MHz帯を使った5Gサービスはどのようなものになるのか。「Tモバイルは無制限の定額制データ通信サービスで成功を収めており、5Gの初期段階では、その強化に活用するのではないか」とチョー氏は見る。5Gと4Gをキャリアアグリゲーションで束ねれば、高速化と同時に通信の安定性向上も期待できる。

5GNRでは、4Gの無線仕様をベースに低遅延化や広帯域化への対応が図られているが、同じ帯域幅、同じアンテナ構成であればデータ通信速度自体は4Gと変わらない。

しかし、周波数利用効率は、5Gのほうが格段に高くなる。「4Gと比べて、周波数利用効率は50%ほど高い」とチョー氏は説明する。参照信号を削減して干渉を低減する「Ultra-LeanDesign」、基地局間協調などの技術が寄与しているという。

定額制データ通信を売りに攻勢をかけるTモバイルにとって、容量が5割も拡大する5Gの600MHz帯への導入は当然の選択といえる。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

Dialpad
ted1803
aruba1803

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】プライベートLTEと
   5G URLLCの世界

[第一部]プライベートLTE 
●“Wi-Fi超え”の企業無線/●プライベートLTEを構築しよう [第二部]5G URLLC ●5Gの目玉「URLLC」とは?/●202X年、5Gはこう使う

◆[インタビュー] NTT 篠原弘道副社長 「B2B2Xで広がる可能性」 ◆クラウド管理型無線LAN ◆WAF ◆光伝送で進むオープン化

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

NTTコミュニケーションズIoTビジネスの種まきから結実まで
NTT Comの「次の一手」とは

自社発行型eSIMでの新サービス提供に期待!

SAS Institute Japanデータ分析の老舗、SASが提案するIoT時代のデータ活用

IoTのはじめの一歩を踏み出す前に考えるべきポイントは?

SigfoxSigfoxが開始1年で100万回線!
いよいよ花開くIoTビジネス

LPWAの代表格「Sigfox」の最新動向と活用事例を徹底レポート!

WatchGuard Wi-Fi Cloud不正APを自動遮断するWIPS搭載!
ソーシャルWi-Fiで販促支援も

セキュアな無線LAN環境を実現できる「WatchGuard Wi-Fi Cloud」

無線LAN構築・運用のポイントをSCSKが語る

無線LANの大きなトレンドとなっている「クラウドWi-Fi」で課題解決!

ジェイピー・セキュア導入実績100万サイト以上の
国産WAF「SiteGuard」

業界最速レベルで防御機能を提供するジェイピー・セキュアのWAF製品

ライムライト・ネットワークスクラウド型WAFでWebサイトを保護

ライムライトなら、自社のCDNやDDoS対策との多層防御でオリジンサーバーを攻撃から防御できる。

Office 365ユーザは使わなきゃ損
Teamsでチームワークが劇的に!

Office 365の新ツール「Teams」を使い始める企業が続出している。

CASO新技術のホワイトボックス
M2Mルーターは「切れない接続」

Foxconnグループでホワイトボックスを展開するCASO。

東京エレクトロンデバイスグローバル企業のSaaS活用を後押し
マルチクラウド化の準備はCASBで

マルチクラウドを一元的に管理したい。そんな望みを叶えられる。

拠点・モバイルをつなぐだけ!
クラウドの安全はシンプルに守る

クラウド利用の拡大とともに複雑化するセキュリティ課題を解決!

NetskopeCASBでクラウドはどこまで操れるか
既存のセキュリティとどう違う?
 

Netskopeを例にCASBの機能と使い方、メリットを整理した。

ソフトバンクソフトバンクがSMB向けの
ソリューションパートナー募集!

働き方改革を中心に新たなソリューション開発を支援する。

日本マイクロソフトSkype for Businessを
快適に使いこなすコツとは?

UCの導入効果を最大化するためには備えが必要だ。

日本ビジネスシステムズ“電話”からはじめる働き方改革!

日本ビジネスシステムズのクラウドPBXは、働き方改革を目指す日本企業にピッタリのIP電話サービスだ。

Dialpadピュアクラウドで進化し続ける電話

「PBXを買いたくない」「電話回線を引きたくない」。そんな企業に最適なクラウドテレフォニーがある。

東京エレクトロンデバイスIoTデバイス特化のAIで異常検知

IoTデバイスを狙ったマルウェアが急増中だ。ZingBox IoT Guardianは、IoTに特化したAIで検知する。

Aruba次世代NACでIoTの脅威をブロック

Arubaの次世代NACはエージェントレスでIoT端末にも対応! リスクを検知し有害端末を隔離できる。

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション20180226
wsd_iot_ngn
compass

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます