Skype for Businessが働き方を変える――前年比2倍以上に利用拡大

「Skype for Business」で自社のコミュニケーションを変革しようとする企業は多い。導入・運用の課題を解決するソリューション活用により、機能を十分に引き出すことができる。

マイクロソフト「Office 365」の1サービスとして提供される「Skype for Business」は、数あるユニファイドコミュニケーション(UC)の中でも圧倒的な知名度を誇る。

ところが意外なことに、知名度の割に利用率は高くなく、一説には「Office 365ユーザーの10%程度にすぎない」といわれてきた。

しかし、この1年ほどの間に状況が大きく変化している。Skype for Businessの利用がグローバルで飛躍的に伸びており、2016~17年にかけてユーザーは2倍に増加した。とりわけ成長著しいのが日本市場で、詳細な数字は明らかになっていないが、2倍を上回るペースで増えているという。

「従来はSharePointやExchangeを目的としてOffice 365が採用されてきたが、最近は経営課題として“働き方改革”に取り組む企業の動きが活発化し、企業コミュニケーションの改善としてSkype for BusinessがOffice 365導入のトリガーになるケースが目立ってきている」。日本マイクロソフトでOfficeビジネス本部 業務執行役員 本部長を務める中原徹三氏は、国内市場におけるSkype for Businessの“勢い”についてこう説明する。

中原氏が指摘するように、日本企業の間でSkype for Businessの活用が加速している大きな要因の1つに「働き方改革」がある。

日本企業の働き方は、「欧米と比べて20年の差がある」とも言われるように、圧倒的な遅れを取っていた。それが、少子高齢化による労働力人口の減少や長時間労働の弊害など深刻な問題が顕在化したことで、国を挙げて抜本的な改革を迫られている。

大企業を中心に「働き方改革推進室」といった組織を立ち上げ、従業員の新たな働き方を模索し始める動きも目立つ。女性や高齢者など多様な人材が働き続けるためにはテレワークなど柔軟な働き方の容認が不可欠であり、その実現に向けて社内のコミュニケーションの在り方そのものを見直す中で、Skype for Businessが注目されているという。

とはいえ、Skype for Businessは「導入しておしまい」というものではない。大半の企業ではPBX(構内交換機)やビデオ会議システムを活用しており、それら既存設備やネットワークとSkype for Businessをいかに連携させるか、あるいは全面的にSkype for Businessに移行する場合には電話や会議における音声品質をいかに担保するかが必ず課題となる。

マイクロソフトは2016年にSkype for Businessの計画・導入・運用のリファレンスモデルとなるパートナー施策「Skype Operations Framework(SOF)」を発表するとともに、ネットワークや音声インフラの構築・運用に優れた技術力を持つKDDIや協和エクシオなど7社をSOFパートナーに認定、企業のSkype for Business導入を推進してきた(2017年9月よりCloud Voice System Integratorに改称)。こうした取り組みも、Skype for Businessの利用拡大に貢献しているといえるだろう。

さらに見逃せないのが、Skype for Businessの使い勝手を補完するデバイスや、課題を解決するソリューションが充実してきたことだ。「オンプレミスの高価なビデオ会議システムやPBXをリプレイスし、Office 365で電話やビデオも含めた企業コミュニケーション全体をクラウド統合することがようやく可能になった」と日本マイクロソフトOfficeビジネス本部 シニアビジネスデベロップメントマネージャーの黄瀬隆律氏は話す。

では、こうしたデバイスやソリューションの活用により、Skype for Businessの何が変わるのか。「遠隔会議」と「オフィス電話」の2つの側面から見ていくことにする。

月刊テレコミュニケーション2018年1月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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