<特集>つながる工場のネットワーク入門 コラム工場のワイヤレスIoT化は「計画的に」

製造ラインの制御を目的にしたネットワークは、まだまだ有線だ。センサー情報の収集や稼働状況の監視などの用途で、最近は工場内でも無線ネットワークの活用が進んでいるものの、無線化はこれからが本番となる。工場の無線化の現状やポイントについて紹介する。

スウェーデンのHMS Industrial Networksの調査によれば、工場全体に占める無線ネットワークの割合はまだ6%に過ぎない。だが、産業用イーサネット以上の成長率で急成長している(図表1)。

図表1 産業用ネットワークのマーケットシェア2017
図表1 産業用ネットワークのマーケットシェア2017

工場のネットワークを無線化する最大のメリットは、製造ラインを変更する際にケーブルを意識する必要がなく、物理的に断線する心配がないことだ。

しかし、課題もいくつかある。大きな課題の1つとして、「無線で利用する周波数帯は有限であること」を挙げるのは、情報通信研究機構(NICT) ワイヤレスネットワーク総合研究センター ワイヤレスシステム研究室 主任研究員の板谷聡子氏だ。同氏は、オムロンやNEC、富士通などとともに、工場内の安定した無線通信の実現を目指す「Flexible Factory Project(FFPJ)」を推進している。

無線ネットワークで利用する周波数には限りがあるため、混雑すると通信が不安定になる。場当たり的に導入してしまうと、「作業を効率化するために無線を導入したのに、全く通信できない。逆に生産性が低下してしまった」などという事態に陥る可能性もある。

そこで重要になるのが計画性だ。計画的に使ってこそ、無線ネットワークのメリットを最大限に活かすことができる。そのためには、どのようなデータを流すのか、用途を見極めながら無線規格を選択していくことがポイントになる。

月刊テレコミュニケーション2017年7月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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