1日300mしか進まなかった下水管きょの点検作業、ドローン活用で5.4km可能に

ブルーイノベーションと日水コンは、「ドローンによる老朽下水管きょの点検・調査」試行サービスを、今秋から横浜市をファースト・ユーザーとしてスタートすると発表した。

日本では老朽化した下水管の腐食に伴う道路陥没が多発しており、2014年には3300件発生したという。現在、全ての下水管施設を対象に、適切な時期に点検等を行い、特に腐食の恐れの大きい箇所は5年に1回以上点検することが義務として課されている。

ところが下水管きょには、人体に有害な硫化水素の発生やゲリラ豪雨等による下水道の氾濫など、作業員の安全上の問題にも直面しており、実際に死亡事故も発生していた。今回のドローン活用は、作業員の安全性向上が図れると考えられている。

作業員による点検イメージ

ドローンによる点検イメージ

またドローンの活用は、作業の効率化とコスト低減も実現できると期待されている。従来の作業員による下水管きょの目視点検では1日あたりの点検距離は600m、自走式ロボットによる点検では300mだった。しかし、ドローンでは1秒あたり1~2m、1日にすると5.4kmの点検が可能になる見込みだ。

ドローンによる手動サービスのイメージ

期待される作業効率の向上イメージ

下水管きょは暗闇であり、GPSの電波を受信できず、水気があるため、ドローンの飛行には適さない環境だ。ブルーイノベーションと日水コンはこの課題を克服するため、共同で専用のドローンシステムを開発し、飛行実験に成功したという。今後両社は、下水管きょでの安定した自動飛行と正確な撮影・データ記録・解析により、安全で高効率な点検・管理の実現を目指す。

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