ICT×未来

中国の最新スマートパーキング――日本のコインパーキングより進んでる!?

文◎唐島明子(編集部) 2017.06.30

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中国の路上パーキングが、従来の超アナログな管理から、最先端のスマートパーキングに変化しようとしている。現在、フィールドトライアル真っただ中にある、上海・浦東エリアのスマートパーキングを見学した。


中国・上海にある路上パーキングエリアの満空・支払管理が、人力頼みの超アナログから、一気に最先端のスマートパーキングに進化しようとしている。

日本のコインパーキングは既にIT化が進んでいる。スマートフォンのアプリで満空情報をユーザーが閲覧できるだけでなく、予約まで可能なシステムが導入され始めてきた。そのため、中国のスマートパーキングは一見すると目新しさはないと感じるかもしれないが、ネットワークや支払方法は日本より一歩先を行っている。


上海・浦東エリアの浦馳路の一画に設けられたスマートパーキングのトライアルエリア

今回見学したのは、上海・浦東エリアの浦馳路の一画にある駐車スペースで、ここではスマートパーキングのトライアルが進められている。このエリアのほかには、上海の中心部でもトライアルが行われているという。


浦馳路の一画にあるスマートパーキングのトライアルエリアでは、道路の片側一列に駐車スペースが設けられている


これまでの支払いはスクーターで登場する集金担当者にまず、中国の路上パーキングエリアの駐車事情を確認しよう。

中国の道路脇には、日本と同様に、駐車用のスペースが白線で設けられている場所がある。駐車したい人が運転しながら駐車スペースを探し、空きがあれば駐車する。その駐車スペースの近くには集金担当者が常時待機しており、駐車スぺースにクルマが停車しようとすると担当者が現れ、駐車する時間に応じた駐車料金をクルマの運転手から徴収する。満空管理も集金もIT化されておらず、超アナログだ。


バイクに乗った水色シャツの人が駐車スペースの集金担当者

1人の集金担当者がチェックできる駐車スペースの数は20台前後。今回見学した浦馳路にあるトライアルエリアには道路の片側に22台分の駐車スペースがあるが、集金担当者はスクーターに乗りながら道路の反対側で駐車状況をチェックしていた。空きスペースに駐車するクルマが現れると、集金担当者はビューンとスクーターで登場する。

バッテリー交換は3年に1回それに対して、新しいスマートパーキングのシステムでは、駐車スペースの満空情報は地磁気センサーで検知し、そのセンシングデータはIoT向け無線として注目を集めるLPWA(Low Power Wide Area)の「NB-IoT」でバックエンドのシステムに転送。満空情報はスマートフォンなどのアプリで確認でき、駐車代金の支払いにはチャット決済の「WeChat Pay」を利用する。


スマートパーキングの満空情報を確認できるアプリ画面。クルマが停まっているときは赤(写真左)、空いているときは緑色(写真右)で表示する


満空情報を確認できるアプリの画面で駐車予定時間を入力すると、WeChat Payによる支払システムと連携する


黄色い矢印の白い部分にスマートパーキング用のデバイスが埋められている

浦馳路にある22台分の駐車スペースには、NB-IoTの通信モジュール、地磁気センサー、バッテリーを搭載したデバイスが埋められている。NB-IoTの技術を提供しているのはファーウェイだ。同社・中国キャリアマーケット担当部門(China Carrier Market Management Dept)シニアマネージャーのカオ・フェイフェイ(Cao Feifei)氏は、新しいスマートパーキングの仕組みを次のように説明する。

「センサーが
クルマの移動を検知したら、そのセンシングデータをNB-IoTでバックエンドのシステムに送る。移動などの変化がない場合は、1-2時間に1回、ステータスを送信する。デバイスのバッテリー交換は3年に1回行う計画だ」

一般的に、NB-IoTを利用しないスマートパーキングでは、Bluetoothや3G/LTEを利用する。例えば、コインパーキングに10台分の駐車スペースがあれば、その10台分のセンシングデータはBluetoothでゲートウェイに集約した後、ゲートウェイから3G/LTEでまとめてバックエンドシステムに送信する。

しかし、Bluetoothの通信距離は短い。もし路上パーキングのように広いエリアに駐車スペースがある場合、エリア全体をカバーするためには数多くのゲートウェイを用意しなければならない。また、それぞれのゲートウェイ用の電源も用意しなければならず手間がかかる。ところが、NB-IoTを利用すれば、ネットワーク構成はシンプルになりゲートウェイを設置する必要がなくなるほか、ゲートウェイ用の電源も不要になるというメリットがある。

カオ氏によれば、浦馳路では昨年の12月からトライアルを始めており、NB-IoTの通信や満空情報を確認できるアプリは問題なく稼働している。また、WeChat Payによる支払いは最近開始したところで、これから1カ月ほどトライアルして問題がなければ来月にも商用利用を開始する。2017年内には、現在の22台から1000台まで、スマートパーキングの駐車スペースを増やす予定だという。

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