企業ネットワーク最前線

IoTでつくろう!新しいニッポン

【技能継承×IoT】“未来のかかし”で名人技を次代に伝承

文◎坪田弘樹(編集部) 2017.04.13

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

これまでは熟練農家の作業を“見て覚える”しかなかった農業指導に変革が起きている。IoTによって農家の知識や経験を数値化し、新規就農者の教育・指導に役立てる取り組みが始まっている。

 
高齢化によって、多くの業界が後継者不足という課題を抱えている。特に深刻な状況にあるのが農業だ。

農林水産省の調査によると、2015年の農業人口は209万人と、5年前から一気に2割も減少した。しかも農業人口の内訳は65歳以上が64%を占めており、39歳以下は7%に満たない。若手就農者の育成も進んでおらず、15~29歳は6万3000人と、5年前に比べ2万6000人も減っている。

ただし、光明はある。家族経営に比べて労働環境が良く収入も安定しやすい農業法人は5年前に比べて26%増加した。大規模化も進んでいる。農家1戸当たりの耕作地面積は16%増の2.5ヘクタールになった。「日本の農業」を崩壊させないためには、農地集約を進めつつ、人材育成を加速させる必要がある。

鍵は、熟練農家の技術を可視化し、それを継承することだ。農業のように知識や経験、ノウハウが極端に属人化していると、それを農業関係者間で共有したり、新規就農者の教育や支援に活用するのが非常に難しい。

農作業を数値で裏付け
各産地ごとにコミュニティを形成して情報を共有する役割を担ったり、新規就農者の育成に取り組む組織としては、地方自治体の農林課やJA、農業大学校などがある。そうした機関がいま注目しているのが、いわゆる“農業IoT”だ。

センシングによって圃場の環境を可視化し、適切なアクションを取るために使うほか、環境変化と栽培記録のデータを保存・分析し、共有することもできる。生産性を向上させるのに使うだけでなく、これまで経験と勘に頼っていた農作業を数値によって裏付け、新規就農者の教育に使おうという取り組みも始まっている。

そのような農業IoTの実例は全国各地にあるが、なかでも、農家の経験と知恵を次代に伝えるという観点で実績を上げているのが、ソフトバンクグループのPSソリューションズが提供する「e-kakashi」だ。同社のCPS事業本部・本部長を務める山口典男氏は次のように語る。
e-kakashiのダッシュボード画面
e-kakashiのダッシュボード画面。センサーノードの設置箇所ごとに、温湿度や日射量などをグラフィカルに表示する


「“スゴイ農家”やJA等が、各地域に根ざした農業技術を持っている。それを高め、維持し、伝えていくには、ノウハウを数値化してデータに基づいた科学的なアドバイスとして生産者に伝えなければならない。e-kakashiはそのためのツールとして使われている」

PSソリューションズ CPS事業本部 本部長 山口典男氏
PSソリューションズ CPS事業本部 本部長 山口典男氏

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

sony1706
yamaha1704
caso1704

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】つながる工場の
   ネットワーク入門

  <Part 1>一般オフィスとはココが違う!産業用イーサネットの世界
  <Part 2>工場IoT化の教科書 <Part 3>つながる工場の守り方

● シスコシステムズ 執行役員 A・マッティー氏「働き方改革は“会議改革”から!世界中の会議室をコラボ空間に」 ● ソニー、100km飛ぶ「独自LPWA」で世界狙う ● ビジネスチャットの「つぶやき」で働き方改革

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー
ライムライトネットワークス Cbanner

スペシャルトピックス

「企業向けソーシャルプラットフォーム」で働き方そのものも変える!

ペタバイトクラスも「大きなバケツ」で一括管理できる!

中堅・中小企業を支援する宝情報がUTMのサポートサービスを開始する。

教育現場への無線LAN導入を成功させるための3つのポイントとは?

スマートデバイスを標的にした未知の不正アプリにも対応できる。

設計から製造までセキュアなプロセスで、他のAndroidにはない安全性。

Webサイトの利便性とセキュリティ向上を同時に実現できる最適解とは?

ランサムウェア対策機能などを備えたSMB向けクラウドサービスが始まる。

東京海上日動コミュニケーションズの「働き方改革」を徹底レポート。

モバイルの安全な業務利用を実現するEMMが“次の進化”を始めている。電話やチャット、つまりUCとの連携だ。

いつものUIでSkype for Businessの機能をフル活用できる電話機が登場。

マクニカネットワークスが取り扱うIncapsulaはDDoSだけでなく、Webサーバーへの不正アクセスも防御する。

オンプレミスとクラウドの連携により、数百Gbpsのボリューム型から複雑なDDoS攻撃まで効率よく対応できる。

IPカメラのためにスペックを作り込んだ、ヤマハのシンプルL2スイッチ!

搭載するOS/ソフトを選べる「ホワイトボックス」で自在にデザイン

ウォッチガードのセキュリティ対策がさらに大きく進化した。

セキュリティ専門会社「ラック」との協業でサイバー攻撃に素早く対応

SD-WANの選定ポイントは何か? ユーザーの体感品質を高める独自機能を提供するのがシトリックスだ。

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション5月号
openstack2
compass
packet

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2015 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます